上村悦子の暮らしのつづり

日々の生活のあれやこれやを思いつくままに。

12月 アルバム整理

2021-12-14 21:18:31 | エッセイ
12月に入って、今年もまたシクラメンの鉢を買ってしまった。
飾るのは、いつも仕事机のパソコン横。
仕事に行き詰まるとというか、ボーッとしたい時、また短時間で集中力が切れるたびに、
外の青い空や緑の木々を背景に、
シクラメンの重なるように咲く花びらのキリッとした真の強さのようなものに見入ってしまう。

買い始めたのは、
もう数十年前、まだ元気だった義母が12月になるとシクラメンを楽しんでいる姿を見て、
私も真似てみたくなったのがきっかけだ。
選ぶのは、大抵が淡いピンクか、適度に白が混ざる濃いめのピンク色。

花をつける季節が過ぎてベランダの片隅に移すと、
自然に息絶えてしまっていたのだが、
ここ数年は品種改良でもされたのか、ベランダの他の花たちと同じように水やりを続けていたら、
翌年も花をつけるようになって、もう4〜5鉢も増えただろうか。
年が明けて、極寒の頃から外で可愛い花をつけ始める。
同じ球根ではないけれど、どんどん孫が増えていくような気がする。

そういえば、机のすぐ横では、幸福の木がエアコンの風の吹き出し口に吸い込まれるような高さまで成長している。
今の住まいに引っ越してきた26年ほど前に買ったものだ。
当初、1mぐらいだった木を少しずつ大きい鉢に植え替えながら、今では上に伸びる葉を順番に刈っているほど。
その分、茎の下からも葉が次々と顔を出している。

ベランダで最高齢のカポックも、娘たちが幼い頃、40〜50㎝の鉢を買い求めたもので、
茎も数本に増え、それぞれが自由に曲がりくねりながら天井に向かって成長している。

同じように共に住う私たち夫婦も年齢を重ね、本来なら師走の大掃除を先にと思いながらも、
少しずつでもモノを減らしていかねばと理由をつけてアルバムを整理する。
古く重いアルバムから写真を外し、思い切って数も減らしながら、
ポケットアルバムに入れ替えていくと面白いくらいコンパクトになった。

改めて見入ってしまったのが、短大時代の写真だ。
当時の写真を見ていると、遠い遠い昔のことと思っていた若き日々が昨日のことのように蘇る。
最初の寮生活での友達と、部活の合宿で、クラスの友達と、散り散りになりながら出会っている高校の友達と、
初めての与論島への旅(学生時代に3回も)で、バイトの友人と……、
自分のその後の人生で何が起きるかなど考え知ろうともしていない若いだけの私が、
多くの人と語り交わりながら、それは溌剌と明るく、楽しそうに笑っている。

周りの花や木々が長い年月をかけて命をつないできたように、
私もあの人生のスタートともいえる時間や場所、出来事があってこそ、
そこで出会った人々からつながり、派生して、
今の自分が存在しているのだと痛いほど実感した。

私と接してくれた多くの人たちへ「感謝」しかないなあ。