「ホーホケキョ!」
今春初めて、近所で元気なウグイスの鳴き声を聞いた。
「さあ、本格的な春が来た」と感じるだけで、なぜか元気になれる。
春の到来とともに、長年のモヤモヤも晴れそうだ。
とはいえ、極めて個人的な産婦人科の「診察台」(正確には内診台というそう)の話である。
そのモヤモヤを晴らしてくれたのは、一枚の新聞記事。
少し前の話のようだが、
「内診台調査」のプロジェクトが組まれ、国内外の内診台が調べられたそうだ。
それに参加した三村恭子さんという研究者の報告がまとめられていた。
前にグログにも書いたのだが、私は内診台なるものにずっと違和感を感じていた。
最初に遭遇したのが、皮のベットに足置き台がついただけのモノだったり、
歴史ある総合病院では、医師の効率だけを考えてか、
薄汚れたカーテンで仕切られたイス型の内診台が5台ほど並んでいた。
つまり、一度に5人を診察しようというわけだ。
年々、目を見張るような機器が開発される中で、なぜ産婦人科の内診台だけは、
ひと昔もふた昔も前のままなのかと思い続けてきた。
恨み節ではないが、
きっと使う必要のない男性が設計し、
自分で試すことのできない男性が作ったものなのだろうと思ってきた。
2年前には、検診で久々に婦人科を訪れた時、
電動式の花柄のイスになっていて、
技術的には進歩しているものの、なぜか晴々しい気持ちにはなれなかった。
今の若い女性も、
内診台に医師と顔を合わさないようにカーテンが引かれたり、
足を自動的に開かれたりするのは、かなり抵抗があるという。
上記の三村恭子さんによると、
やはり電動式だったり、カーテンが引かれるスタイルは日本独特のものだそう。
電動でイスが上がったり下りたり、開脚姿勢にしたりと、技術的には先進的でも、
女性の気持ちは考えられてないようだ。
私がモヤっていたのは、その利用する女性への配慮だ。
日本独特のカーテンスタイルも、
恥ずかしいと思う女性への「配慮」の意味づけがあると書かれていたが、
「恥ずかしいこと」をしているという、その考え方の方が問題ではないの?
本当は受診したい症状があっても、内診を敬遠してしまう女性が多いのも、
その辺に問題がありそうだ。
記事には
「女性たちの多様な声がメーカーにきちんと届いていないことが課題だと感じた」
と記されていた。
さらに、「今の時代にあった婦人科診療を目指すことが大切」とも。
残念だが今の時代になっても、メーカーには女性アドバイザーなどいないのだろう。
同じ記事に、長年ドイツに暮らしていたという女性の声が出ていた。
婦人科には脱衣所に簡単なついたてがある他はオープンで、
もちろん医師との間にカーテンはなく、特に抵抗はなかったそう。
帰国して、日本の内診台を体験して、「そこまでするのか」と驚いたとか。
「かえって恥ずかしさを助長する」と書かれていた。
思わず、うなずいてしまった。
同じ「配慮」なら、女性視点での配慮にしてほしい。