知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

学歴インフレ。

2012年07月17日 | スキルアップ
フランスの学歴インフレと格差社会

個人が受けた教育は、その個人が到達するであろう社会的地位を決めるための決定的要因ではなくなってきた。
Rブレーンによる報告(同書56頁)

「学位が大量発行されたことにより、学位のもつ情報を提供するという役割や
雇用主にとっての選別尺度としての価値が低下することによって、学位の調停者としての役割は低下した。」

(共通教育を行うことにより、)「学位を取得することよりも習得すること(知識、専門能力、態度など)に対して
興味を持つようになり、単なる知識だけでなく、教育に対して興味を持つようにもなるであろう。」(同書133ページ)



*****
僕が、「知」の習得に興味を持ったのは、大学のころ。
僕は、一年予備校に行って、社会から排除された予備校教師たちの指導を受けた。
ここで、高校よりも教えるスキルが高い教師が多いことに驚愕する。

理由は、予備校は市場のルールが存在していること。
優秀な教師は、大金を稼げる。本も書いている。
無能な教師は、翌年契約を切られる。
ゆえに、質の高い教師が集まっている。

もうひとつは、質の高い教師は、
 社会のルールから外れているということ。

僕の時代の予備校教師(今でも少し上の教師はあてはまる)は、全共闘など学生運動をしていて、
就職も、当然教職も難しかった。
頭はよく、優秀だが、社会のルールや学校のルールからは、外れている。
そのため、一般の社会では機会が与えられない人が多かった。

そういう人は、一般のルールはどうでもよい実力の世界で戦っていた。


これが、学歴インフレを乗り越える方法。


 今、○○大卒です。
と言っても、大して価値はない。

学歴がこの本にあるように、学位の大量発行により、インフレになってしまったからです。

では、どうしたらよいか?

学歴に頼らず、「知」で勝負する。

予備校の教師は、大して学歴は意味がない。
 分かりやすい。
 成績が上がる。
 面白い。
この方が、ずっと重要。


ただ、日本の社会は、学歴をフィルターとして使っているので、
ある程度の学歴を取得しておいた方が、楽にはなります。

そうはいっても、過信するようなものではない。

ないと困るが、それだけでは足りない。
こういうのを論理学では、「必要条件」と言います。

それだけあれば、大丈夫っという錦の御旗みたいのものを、
 「十分条件」と言います。

ただ、それだけあれば、大丈夫というものは、今の時代、なくなりつつあります。

かつては、十分条件と言えた医師免許、弁護士資格ですら、
 インフレ。

今では、
 過酷な労働条件でこき使われるインターンの医師(=派遣労働者)
 軒下を借り、給料がない状態でロースクール費用の債務を返済している弁護士(=多重債務者)
が存在しているとのこと。 


かといって、そんな時代を嘆いても、コントロールできない領域なので、無駄です。
人生はゲームみたいなものなので、
 時代に合わせて、自分を変えていけばよい
と思います。

学歴や資格インフレの時代であれば、
 学歴、資格 +α で勝負する。

予備校教師が、学校の教師より、厳しい市場原理で、 
 面白く、分かりやすい講義を工夫した
ように、
 インフレで学位の価値が使えないのであれば、+資格、+技術(スキル)、+人柄、+実力 で勝負する。

その過程が、「知的成長」なのだと思います。

扱っている商品の値が下がってしまったら、
 売り方を変えるか、
 売るモノを買える。

商人は、当たり前のようにやっていることです。

それを、学歴を売っている商人になったつもりで、応用する。
これが、
 人生をクールに生きるための「知」
です。


僕も、資格 +α を求めて、時間とお金とエネルギーを日々投資しています。



テレビのニュースは、テレビ業界の落ちぶれていく人たちが番組を作っているので、
 悲観的なもの
ばかりです。

ただ、見方を変えれば、今まで高い給料をもらっていた既得権者が落ちぶれていけば、
 他の人にとってはチャンスとなる
わけです。

すでに、テレビCMから、ネットにお金が流れて儲けている業者はたくさんいます。

変化はチャンス。

学歴がない人も、インフレで価値がなくなれば、チャンスが訪れるかもしれない。
エントリーシートすら受け付けてもらえない古臭い企業ではなく、
 学歴より、何か利益になるスキル持ってんの?
という会社に入って、
 自分の「知」を魔法みたいに「お金」に換えてやればよい。

このブログで何度も書いているように、
 企業は営利社団法人。

利益を生む人材は、のどから手が出るほど欲しい。

逆に、利益を生まない人材は、必要ない。
 採用しないし、すでにいるなら、解雇したい。



大学に行く目的は、学歴の取得ではなく、
 時代を学び、スキルを学び、その時代に役に立つ人材になること。

役に立つ人材になれば、
 他の人がお金を払ってくれる
ので、
 利益を生む人材になることができる。



僕が大学時代に考え続け、知的に成長することを決めた理由は、ここにあります。

その戦略は、今のところうまくいっています。



こんな時代で、就職先も心配で大学どころではないかもしれないですが、
 知的に成長しておけば、問題解決能力が高まる
ので、
 これから降りかかる困難にうまく対処することができるようになる
はずです。

就職活動も、一つの問題ととらえて、
 その問題をどうやったら、自分の持っている資源で解決できるか
を考える。

そして、時間軸をさかのぼらせて、
 そのためには、1年生の今から何をしておけば、他の人よりも「有利となる資源」を手に入れられるか
を考える。

そして、コツコツ実行し続ける。

この手法は、今まで書いてきたことと同じ。

使える手法は、いたってシンプルということです。 
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