ゆきちゃん通信++tomiの日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日と
母の生活を綴っています。

記憶

2004年11月23日 | ゆきちゃんの日記
今日、由紀子が低学年の頃にお世話になった先生から
メールをいただきました。 

21日の大学祭の時に2年ぶりに再会をしたんです。 
 

母がちょっと離れた間の出来事で、
ゆきパパから状況を聞くまで解らなかったのですが、
お会いした時にちょっとパニックになってしまったそうです。 

先生はショックだったようで、
声をかけたことを気にしてらっしゃいました。 

でも、このパニックは先生のせいではありません。 

由紀子は再会が苦手なのです。 

どんなにお世話になった方でも、
1年ぐらい逢わないでいると再会のときに
パニックになってしまいます。 
 

以前、保育園のときの担任の先生に
3年ぶりに逢わせた時のエピソードを通信に書きました。
その時の様子でどうして再会がつらいのか少し解ったのですが・・・。 

 
通信バックナンバーno15 から抜粋~~~~ 
 
約束の朝、
由紀子にO先生と会う事を告げると
意外とあっさり『うん!』と答えてくれました。

この由紀子の変化にあらためて驚きながら家を出発したのですが
約束の場所に着いて、いざ車を降りようとしたその時です。
 
由紀子が急に
『O先生はいないよ!先生はいない!』
と大きな声で叫んだのです。

そしてシートにしがみついて降りたくないと無言の抵抗です! 

でも、それは長い時間ではありませんでした。 

『先生は待っているよ!だいじょうぶ!がんばれ!』

という私の言葉に何かしら吹っ切ったように
車から降りてきました。

そして、不安そうに私の後ろを歩きながら、
ずっと保育園時代のお友達の名前をとつぶやき続けました。 

私も忘れてしまっていた名前が次々と出てきます。
きっと由紀子の頭の中で封印されていた
保育園時代の思い出が溢れ出していたのかもしれません。
 
~~~~~~ここまで~~~~~~~ 
 

由紀子は懐かしい人に再会するときに、
その人に関する無数の記憶が一度によみがえってくるようです。 

今回もパニックの中で、
先生に受け持ってもらったときの
クラスメイトの名前を連呼していたとゆきパパが言ってました。 

今は以前よりも自閉症の特徴が顕著になっているので、
拒否反応がひどく出るようです。 
 

今日、テレビで記憶についての特番があっていましたが、
その中で、自閉症の人の記憶について 


「記憶すると言うのではなく、
記憶したことを忘れることができないと言ったほうがいいのかもしれない」

と、いう説明がありました。 

それは、由紀子にも言えるのかもしれません。 

私たちは古い記憶をどんどん忘れていきますが、
由紀子の頭の中には保育園時代からの記憶がいっぱい残っているようです。 

それが何かのきっかけに一度にどっと溢れてきます。 

時にはフラッシュバックのような形で・・・。 

自傷をするのもそんな時が多いようです。 
 

一度に記憶があふれ出てくる・・・
どんな感じなのでしょうか? 

やっぱりつらいかもしれませんね! 

それと、嫌な経験を忘れられないのもつらいです。 
 

でも、自閉症の人が全部そうだと言うわけではありません。 

知り合いの自閉症のお友達は違うようです。 

以前、よく逢っていた頃には
由紀子と絵本のセリフを言い合って楽しんでいたのに、
先日、久しぶりに逢った時には
その言葉をすっかり忘れていました。(笑)
 
由紀子はしっかり覚えていて、
何かにつけ合言葉を投げかけるのですが、
相手から返事が返って来ないのでいらいらして大変でした。(笑)



 
(._+ )☆\(-.-メ) おいおい 

同じ自閉症でも、
みんなが覚えているわけではないのよ!!(笑) 


 
メールを下さった先生は
昨日、夢の中で笑顔の由紀子と逢うことが出来たそうです。 

よかったです。 


=END=
コメント
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