この糸を大事にしっかり保てれば、恐怖やパニックに襲われがちなバルドゥの最後の試練を乗り越える事が出来、最後は光の糸に溶け込んで行って導き手達とも一体と成れ、高い境地へ転生出来るとされています。
それにはこの「五色の知恵の光」をしっかり認識する訓練が必要とされ、前にも何度かこの訓練には触れましたが、もう一度その手引きをしたいと思います。
5色の光とは即ち世界を成り立たせている五大を表し、空=青、土=黄、火=赤、水=白、風=緑となります。
この五大と妙法蓮華経やマニペメフムの五文字が対応している事も以前解説し、妙=土、法=風、蓮=火、華=水、経=空となります。
この2つのマントラ(真言)は語順にも共通性があり、中心の土(根本の妙=マ)から西(法=ニ、慈悲)の風、南(蓮=ペ、精進)の火、北(華=メ、浄化)の水、東(経=フム、智慮)の空、の流れで唱えられ、この東西南北は曼荼羅の仏の座にも対応しております。
だいぶ情報が錯綜したので単純化しますと、南無妙法蓮華経とは五大に南無(オーム)するという意図で唱えられるべきで、オームとは「1つに溶け込む」といった意味の真言です。
五色の光の糸に溶け込む事がバルドゥ(輪廻)の肝要であるとする思想は、当然この五文字のマントラにオームする事と対応しており、日本山では「おはよう」「もしもし」「いただきます」「お休みなさい」は全て「南無妙法蓮華経」で統一されておりました。
日中は町や村を歩いて歩調と太鼓に合わせて南無妙法蓮華経を大声で唱えて巡り、夜も座って何時間も南無妙法蓮華経を唱え、そんな生活をインドやアメリカのお寺で二年程送りましたが、まだまだ五大に南無する境地には至れてないと自覚しております。
まあ私はまだ若い(40)ので、バルドゥの試練を潜る頃までには、もうちょっと南無妙法蓮華経を真剣に唱えられる様に成れれば良いかなと思います。
蛇足ですが最後に、「糸」についての歌を紹介します。
日本では中島みゆきの「糸」が一番人気ですが、これと同じ位アメリカではピート-シーガーの「Oh! Had I A Golden Thread」(金の糸を手にして)がポピュラーで、これも物語のテーマソング候補です。
この歌は、魔法の糸で織ったバンドを川上の高原に浸して、川下の堕落した街の水を良くする。と云った幻想的な内容の歌で、シーガーの弾き語りよりも女性アーティストによってカバーされたのがお勧めです。(ジュディ-コリンズなど)