「許しの歌」はアフリカ奴隷の歴史を歌っており、マーリーは自分が望んだのはこの「許し」だけだったと歌っております。
彼は若くして亡くなってしまいますが、その魂の歌声はアフリカ人を代表するモノとして、人類の歴史が続く限り永遠に聴き継がれるかと思います。
もう一人有名なアフリカ系のアーティストとして、ジミー-ヘンドリクスも度々紹介して来ました。
彼の「許しの歌」としての最高傑作は「Bold as Love(愛のように赤裸々)」かと思いますが、非常にトンガっているファーストアルバムのオープニング曲「Hey Jho」も罪と許しを歌っていて参考になります。
こうした俗世を超越したアフリカ系アーティストとして、スティービー-ワンダーも「Higher Ground」で罪の世からの超越を歌っております。
マイケル-ジャクソンとその妹ジャネットにもそうした「許しの歌」が後期のアルバムに多くあり、ジャネットにはこれからがますます期待されます。
続いて、「アフリカの許し」についての映画を五つ紹介させて頂きます。
先ずは奴隷貿易の歴史を描いたスピルバーグ映画「アミスタッド」が迫力あり、若き日のマシュー-マコノヒーが素晴らしい演技を魅せてくれます。
前に紹介した「Beyond Border(すべては愛のために)」も前半はソマリアの難民キャンプが舞台で、とてもリアルに援助する側の葛藤を描いています。
それはアフリカの「罪と許し」と真剣に向き合う余りに、イギリスの夫と家庭を投げ捨ててしまう女性(アンジェリーナ-ジョリー)を主人公としております。
ディカプリオの「Blood Diamond」もアフリカの現実を描いた傑作とされ、その主題はやはり「罪と許し」で、それをストレートに描いてると思います。
「罪」は金(ダイヤ)と暴力と権力欲であり、「許し」は愛と友情でそれを守る為に彼は戦い見事に果てます。
アフリカ系俳優で一番人気はデンゼル-ワシントンで、私的には「グレート ディベーダー」がお勧めなのですが、アフリカが舞台の映画では「遠い夜明け」が名作です。
これは人種隔離政策(アパルトヘイト)を描いたモノで、人生の貴さをワシントンは見事に表現しております。
アパルトヘイトを描いた映画は数多くありますが、その中でも「in my country」は特出した作品です。
これは私的には最も心に残った作品の一つで、広い視野を持った南アの白人女性ジャーナリストが主人公です。
アパルトヘイトは現代史と言っていいモノで(アパルトヘイト - Wikipedia)、U2が反アパルトヘイトのライブ「魂の叫び」を行っている程です。
一方、中国の大躍進政策や文革大革命もアパルトヘイトと同時代の話であり、この現代史を深く抉った著書は出ております。(「餓鬼」「墓碑」「毛沢東的煉獄」など)
その中でも白人女性ジャーナリストによって書かれた「餓鬼 Hungry Ghost」は邦訳されており、図書館で取り寄せられるので多くの人に読んで頂きたく思います。
この中国の現代史は「阻害教育(洗脳)」政策によって隠蔽されておりますが、人生で一番大切なモノは自由だと信じますので、そんな洗脳は打ち破りたいと思っています。