57歳から始めるレンタルカートの世界

唄う物書きアマミヤユキト57歳で人生初のレンタルカートデビュー。

軽自動車という『フォーミュラーカー!!』

2020年06月11日 | もっと知りたい『クルマ』
何を血迷ったことを言い出したか? と思われたでしょうが、



軽自動車は日本独自の
『軽自動車規格』
で作られています。
(全国軽自動車協会連合会のHP)

そしてF1に代表される『フォーミュラーカー』とは、
直訳すると
『規格車』なのですよ。


どちらも、
さまざまな制約のもと、その『規格の範囲内で作りなさい』というクルマ。
(軽自動車の場合、長さ3.4m以下 高さ2m以下 幅1.48m以下 排気量660cc以下)

ぼくは日本の軽自動車が大好きです。
ディーラーに気になる軽自動車が展示されていると、思わず立ち止まって見つめてしまいます。

『とにかく、カワイイのです。』

こじんまりした軽自動車に乗り込んでみると、外観からは想像できない、
大人四人が十分に乗れる、ひろびろ空間。
エンジンルームには、

『こんな小さなエンジンで走れるの?』

なんて、思ってしまいそうな、
『660cc』という排気量のエンジン。

よろしいですか、皆さん、
1cc = 1ミリリットル(ml)ですね。
軽自動車のエンジン排気量は
『660cc = 660ミリリットル』
ということは……

『350ミリリットルのペットボトル2本分より、小さいエンジン』なのです。

それでも、この小さな『心臓』を積んだ軽自動車は、
大人四人と荷物まで積み込んで、軽快に走ります。
実に、けなげですよね。
なんか、改めて考えると『奇跡のクルマたち』のような気がします。
日本の技術者たちが、車づくりの歴史の中でコツコツ積み上げてきた技術と、
独創的なアイデアを注ぎ込んで作られた車。
それが
『軽自動車』と言えますね。
その機能美は、海外の自動車デザイナーも絶賛するほどです。
ランボルギーニのデザイナーがスズキのワゴンRを愛用しているという記事)

軽自動車は、その使い勝手の良さで、他の大きな車を圧倒しますね。
街へお出かけして買い物したり、
子供たちを送り迎えしたり。
あまり運転が得意でないママさんたちでも、安心して乗れる取り回しの良さ、車のサイズ感。
そして滅多なことでは故障しない、タフネスさ。
だからこそ、農業、林業、建築、流通などのプロユースに、軽自動車は欠かせない相棒となっているのですね。
***
軽自動車は、そのバリエーションの多様さ、『振れ幅の大きさ』といった点でも、驚くべきジャンルと言えます。
例えば『本格スポーツカー』というジャンル。

ホンダの『S660』

このクルマは、軽自動車にも関わらず、なんとミッドシップレイアウトでオープン2シーター。


その走りのポテンシャル、操る楽しさは、群を抜いています。(ボクもレンタカーで、その楽しさを実感しました!)
また、同じく、ダイハツの軽スポーツカー。
『コペン』
も根強いファンの方たちがいらっしゃいますね。

軽自動車という、限られたスペースの中、
スイッチひとつで、屋根がトランクに格納される電動ルーフの見事さ。

その動きを実際に見ると、まるで
『日本の伝統工芸品』
のような、緻密な細工に圧倒されます。
まさに、
『軽のダイハツ』
の面目躍如、といったところでしょうか。
****
軽自動車には、本格オフロード車もあります。
ご存知、スズキの『ジムニー』です。

初代は1970年発売。
永くファンに愛され、50年間も作り続けられてきました。
まさに、軽自動車枠を超えた、日本を代表する偉大な『レジェンドカー』でもあります。
ジムニーの歴史はこちらから。

そして、日本独自の進化と発展を遂げた『規格・フォーミュラ』車である、軽自動車は、世界中で熱烈なファンを持っています。
その代表が、
『軽トラック』です。

海外のひとたちにとって、軽トラックというジャンルは、日本製しかない、
まさに
『オンリーワン!』
の存在なのですね。
特に、その外見に似合わず、タフで故障も少ない。小回りが利く。
エンジンが静か。(狩猟にはすごく有利だそうです。獲物の近くまで寄っても、気付かれない。)
その上、少ないガソリンでよく走る。
さらには、その見た目がカワイイ。
軽トラで街に出かけると、注目の的だそうです。
これぞ、
『COOL JAPAN !!』
ですね!
***
ここまで海外の人から注目、称賛、される日本の『Kei自動車』
体の大きな欧米人は、最初はびっくりしたでしょう。
あまりの小ささに。
でも、軽トラのように、
実際に使ってみると、すぐに分かるのです。

『こりゃいいぜ!!』
『本当にクールだ!!』

”良いものはイイ”
これは、万国共通です。

『軽自動車規格』という厳しい制約。
それがあったからこそ、日本の軽自動車は、世界に類を見ない、独自の発展を遂げました。
モノづくりNIPPONのシンボルと言っても過言ではないと思います。
僕たち日本人、特に『モータースポーツ大好き人間』は、
大排気量や、高額なスーパーカーに目が行きがちです。
もう少し、軽自動車というジャンルに
『これでイイのだ!』👍👍👍
と誇りを持ってもイイのではないでしょうか?


***本文の著作権は天見谷行人に帰属します ©️Yukito amamiya 2020
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パワーウェイトレシオという『ものさし』

2020年05月29日 | もっと知りたい『クルマ』
今日は、車の性能を示す、とっても簡単な物差しについて語ってみましょう。
それが『パワーウェイトレシオ』
という物差しです。
これは車体重量をエンジン出力で割った数字です。
つまり、1馬力あたり、何キログラムを背負って走っているのか?
ということなんですね。
数字が『小さくなるほど、運動性能がいい!』ということです。
特に『加速性能』を表わす数値と言われています。

おそらく地上を走る車の極限をいくのが、ご存知、F1レーシングカーです。

その車重は746kg。
そしてエンジン(パワーユニット)出力は瞬間最大1.000-馬力😵❗️と言われています。
746÷1.000=0.746-

なんと、F1のパワーウェイトレシオは、『1』を切っていて、間違いなく『0.8』以下なのです。
車の持つ運動性能の極限と言えます。


***
以下余談です。
ここでエンジン出力について。
F1のエンジンは、1.6リッター V6ターボ+電気エネルギーを使うハイブリッドシステム。

1.6Lのエンジンで1.000馬力を出す、と単純に考えると、
1.000.÷ 1.6=625  リッターあたり625馬力を出す、怪物エンジンであることがわかります。
 では、サイズをぎゅっと絞って軽自動車の排気量、660ccで、おんなじ性能のエンジンを、もし作ったとすると……。
625馬力✖️排気量0.66リッターは? 
なんと、理屈上は『412.5馬力』‼️
極端で、乱暴なことを言えば……。
ホンダの軽自動車 『N-BOX』に、412.5馬力のエンジンを積んだのが『F1カー』なのです。


えっつ、嘘でしょ?!という世界ですね。😁
余談終了。
***

さて、パワーウェイトレシオについて、両極端な一例をあげましょう。

HONDA 四代目、アクティ・トラック 
重量820kg/出力 45ps= パワウェイトレシオは『18,20kg/ps』
NISSAN GT-R R35
重量1760kg/出力570ps= パワウェイトレシオは『 3,08kg/ps』


市販車としてGT-Rの性能は圧倒的と言えます。
さて、ここでカートの世界をパワーウェイトレシオで見てみます。
***
全日本カート選手権
⭐️FS-125部門(15歳以上、高校生や一般人が参加します)


(写真は兵庫県出身 清水英志郎選手の2018年マシン。彼は今、フォーミュラーカーにステップアップしていますよ。すごいですね。)
エンジンはIAME PALLILA X30 (イタリア製、水冷2サイクル単気筒エンジン)

出力 約 30馬力
最低重量 155kg(ドライバー含む)

全日本FS-125部門では、
パワーウェイトレシオは155kg÷30ps= 『3,83kg/ps』
***
みなさま、お分かり?
全日本カートなどの競技会では、『クルマの重さ』とは、ヘルメットやレーシングスーツを着込んだ、ドライバーを含めた重さで測っているのです。これはカートに乗る青少年たちが、レースごとに体が成長する、体重が増えることを考慮しているのです。
体重が軽すぎる場合は、シートの裏側に『鉛のウェイト』を積んで、調整します。



それにしてもパワーウェイトレシオだけを見ても、カートのFS-125クラスというのは、NISSAN GT-Rといい勝負ということになります。もっと言えば、車体重量だけですと、おおよそ85kgなのです。
なので……。
85kg÷30ps=『2.83kg/ps』

これって、GT-Rを超えてるじゃん‼️😵

というより、『限りなくF1に近い乗り物』と言えるのです。


(写真は全日本FS-125チャンピオン 野村勇斗選手ですよ)
そんなスーパーカーを、高校生たち、ティーンエイジャーが乗りこなし、極限ギリギリで競い合っている、ということです。
こういうことを理解した上で、今一度、カートのレースをご覧になると、より一層面白くなると思いますよ。

***本文の著作権は天見谷行人に帰属します ©️Yukito amamiya 2020
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