自民党憲法改正案の9条は「自由民主党 日本国憲法改正草案を読んでみる。(その6)第9条」で取り上げた。今読んでみると読みずらいですね。書いているときは結構熱が入っていたのでまったく気が付きませんでした。
自民党改正案を*1示す。
安倍晋三首相が、憲法9条に「自衛隊の存在を明記する条文を加える改正を目指す」との意向を示した。これがこれまでの自民党案に対して、さらに何か追加しよう変えようとしているのか、意味するところが解らない。
第9条の2 (安倍改正案第9条は変更せず9条と10条間に追加条として下記条文を加える案か)
①日本国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、自衛隊を保持する。
②自衛隊の最高の指揮監督権は、内閣総理大臣に属し、自衛隊の行動については、政治統制の原則が確保されなければならない。
③自衛隊の編成及び行動は、法律でこれを定める。
これでは9条が只の御印になり、自衛隊を指揮する内閣総理大臣が絶対的力を有することになり、そのチェック機構もないに等しいことになる。政治統制というような訳も分からないチェックと原則となり例外が認められ総理大臣が自衛隊に対し何でもできることになる。先日成立した共謀法をベースにした法律を盾に国民に向けて自衛隊を使うことさえ可能となることが懸念される。
法律は政治家、官僚、自衛隊の行動規範であって、犯罪に関係ない国民を縛るものではない。
実情に合わせて憲法改正は必要であるが、民主主義、人権の尊重、教育の受ける権利等国民の権利を解釈の仕方で侵すことが出来る法律は悪法である。繰り返すが法律は権力を持つ縛るものであり、抜け道があってはならない。
自衛隊ような命令による行動をする組織は指揮を執るものが絶対的権力を持つので、その行動規制が重要である。つまり、指揮権を持つ者の不正を防ぐ法律を伴うものでなければならない。
日本はなし崩しをする傾向が政治家、官僚にあり、互助によって罪を逃れてしまう事態が多々ある。きちんとした議論と時間をかけて条文を練る必要がある。思い付きで憲法改正案が作られてはならない。
=====<by やじさん>====
*1自民憲法改正案
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。
第九条2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。
(国防軍)
第九条の二 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。
2 国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
3 国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するるために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。
4 前二項に定めるもののほか、国防軍の組織、統制及び機密の保持に関する事項は、法律で定める。
5 国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない。