自由民主党 日本国憲法改正草案を読んでみる。(その9)第12条
またまた歯ごたえがありましたね。
報道ステーションで取り上げたので第九十八条、(第九十九条次回)を先行して取り上げる。
自民党改憲草案の条項を赤字、条文を「茶色」で示す。
現行日本国憲法は青字で示す。。
20160322 (1)題名が間違っていたので修正 第99条=>第98条
(2)横書きの場合普通ローマ数字を使うが自民党の’14年の草案は縦書きなので漢数字のままにした。
今回は自民党改憲案で新設された条項であるので赤ばっかりになるのをご了承願います。
第九章 緊急事態
(緊急事態の宣言)
第九十八条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
2 緊急事態の宣言は、法律の定めるところにより、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。
3 内閣総理大臣は、前項の場合において不承認の議決があったとき、国会が緊急事態の宣言を解除すべき旨を議決したとき、又は事態の推移により当該宣言を継続する必要がないと認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。また、百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、百日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない。
4 第二項及び前項後段の国会の承認については、第六十条第二項の規定を準用する。この場合において、同項中「三十日以内」とあるのは、「五日以内」と読み替えるものとする。
【参考】第六十条2 予算案=>緊急事態宣言について、参議院で衆議院と異なった議決をした場合において、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて三十日=>五日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
・内乱等による社会秩序の混乱を理由に緊急事態宣言を出せるということは、治安維持法的な使い方も可能になることがが懸念される。何らかの歯止めが必要である。
(うまいたとえでないが、三里塚闘争、安保闘争で警察で用が足りていたのに、内閣総理大臣が軍隊を出動し銃弾を放って治安維持できることになる事が懸念される。その後、国会承認を受ければよい。
実際、軍隊は警察の取り締まりより命のやり取りのある戦いに特化した訓練を受けるので警察行動が過激になることが懸念される。これは一般の警官より機動隊方が過激な取り締まりを行うことでわかる。さらに上を行く取り締まりも懸念される。<=あまり良い例ではないですね。)
(銃などの管理、取り締まりはこれまでかなりうまくいっているので、内乱が起きる可能性は低く、これまで警察で用が足りていた。警察行動の海上保安庁警察行動で手に負えなくなったときに背景いればよいので、警察、海上保安庁の上に立つ行政の長(例えば知事なら並びに警察)が要請することにより内閣総理大臣が出動を命じることができるなど、きちんとしたハードルが必要であると考える。)
明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)の英訳では
● Chapter 9 State of Emergency
(Declaration of Emergency)
Article 98. In case of external armed attack situation, social disorder due to internal insurrection, large-scale natural disaster such as earthquakes and other states of emergency as provided by law, the Prime Minister may, when it is found to be particularly necessary, declare the emergency by putting the matter to the cabinet, as provided by law.
2. The prior or subsequent approval of the Diet is required for the declaration of emergency, as provided by law.
3. The Prime Minister must cancel the declaration of emergency by putting the matter to the cabinet, as provided by law, in the situations as follows: when the Diet disapproves the declaration of emergency in cases mentioned in the preceding paragraph, when the Diet resolves to cancel the declaration of emergency, and when it is found to be unnecessary to continue the declaration of emergency as a result of changes in circumstances. When it is found to be necessary to continue the declaration of emergency more than 100 days, the prior approval of the Diet is required for each 100 days.
4. (abbr.)と訳されている。
試しにgoogleの機械語翻訳では第4項が{The Prime Minister, armed attack from the outside to our country, confusion of social order by the civil war, etc., in an emergency situation to the provisions of a large-scale natural disaster or other of the law by an earthquake or the like, when it finds it particularly necessary, as provided for by law the place, through the Cabinet, it is possible to issue a declaration of emergency.}になった。
改憲草案を自由民主党はどのように英訳するのであろうか?自民党が推敲した改憲案なら、早く英訳と草案の逐条解説を明らかにするべきである。
いまの改憲案の広報はわずか数ページの改憲案のうわべのよい処だけで書いて選挙対策用にオブラートを包んでいるだけである。世界に誇る憲法改正案ならば、堂々と英訳し現行法案に対してどれだけよくなるかの逐条解説が必要であろう。
・緊急事態宣言のような重要な事が憲法の下の法律で定めることができることになる。つまり、軍隊の指揮権がある内閣総理大臣の行動規範が法律で拡大しして作ることになる。となれば、改憲後、内閣総理大臣にかなり権力を集中できる法律が作成されても文句言えないことになる。徴兵をする法律も作ることができる。つまり、首相と政治信条、宗教、その他違う理由から徴兵し、兵にしてしまえばどうにでもできるようになる。学徒出陣の兵隊がいじめられたこと最前線に向かわせられたこと考えると・・に恐ろしい。
日本の法律は違った解釈ができないようにきちんとすることが下手であるのか、それとも勝手な希釈ができるようにわざと作っているのではと思わせる。
こんな憲法は嫌ですねと思い始めたやじさん
20160323 文字の色を変更
【議論が深まるように拡散希望】