暁に咲く幻の花

花が咲くように生きていきたいな。日々のあれこれ、嬉しいこと楽しいこと好きな人のことを、花や自然にことよせて綴ります。

水琴窟

2015-06-05 22:35:50 | シンガーソングライター
こんばんは。
水琴窟をご存知ですか?
お茶室のつくばいや、神社の手水鉢などの排水部分に造られるもので、地中には
瓷が埋められています。
手を洗うとその水滴がかめに反響して、美しい音色を奏でるのです。
小さな小さな、リーンリーン、ポロンポロンと微かに聞こえる音色に
私は、美を感じます。
私の友人の嫁いだ家は大層立派なお家で、お祖父様とお祖母様が住む日本家屋には、
能楽堂もあり、四季それぞれの善き日に能の舞台鑑賞会が催されます。
私も何度か招待をいただき、日本の伝統美に酔いしれました。
自然に囲まれた住宅街に、篝火の炎だけが灯り、面をつけた役者はもはや人ならぬ者
となり、鳴り物と義太夫の謡いで番は進みます。
幽玄…としか表現できない時間が過ぎていきます。
私の好きな演目の「紅葉狩り」の時は周り一面紅い紅葉の中、舞う鬼は恐ろしく
も美しく、終演後にお茶をいただきながらも興奮醒めやらずの私の耳に聞こえた
のが【水琴窟】のリーンポロンという静かな高い音でした。
「きこえましたか?」
笑顔も美しいおばあちゃまが、「水琴窟といいましてね…」と話してくれました。
とても我が家に作れるものではないので、お舞台がある時や季節の挨拶の時に、
お邪魔しては、自然が奏でる音色を聞いて幸せに酔います。
日本人は、昔から何と上手に自然と付き合ってきたのでしょう。
伝えていきたいことが、まだまだあります。

読んでいだだきありがとうございました。
では、また明日…