こんばんは。
とても蒸し暑い夜です。明日は朝から雨で、楽しみにしていた水泳の時間が算数になると娘が残念がっていました。
楪の木に新しい芽が出てきました。
この芽が葉に成り、木全体に若葉が生えそろったら、今まだ木にある古い葉が「後はよろしくね」と託す様に散って行きます。
後に譲る葉だから、ゆずり葉と呼ばれるようになったそうで、別名親子草です。
去る三月、息子は5年生に「次は、君たちがこの学校の伝統と誇りを守る番です。最高学年として新一年生を迎えた四月から、全ての学年の手本となる立派な行動をして下さい。僕達、私達は一年間君たちを導いてきました。来年胸を張って次の5年生に学校を任せられるように導くのは君たちです。君たちなら大丈夫です。必ず出来ると信じて、僕達、私達は、今日卒業します」と宣言して、中学に入学しまた新たな伝統と誇りを守る訓練中です。
譲る心と譲られる心。
伝統とはこうして先人から受け継いだものを欠けることなく守り、出来るなら良い物を受け入れて更に価値あるものにして、次の世代に渡して行くことの繰り返しで出来たものなんですね。
私や夫は社会的には二代目と呼ばれる立場です。
父は会長職に就いてますが、中々実権を譲ってくれない大きな葉です。父の権利を受け継ぎ、事業の発展を考えるなら一々父の意見を聞かず私達に一回全てを任せて欲しい。信頼して欲しいのです。
そして、夫の実力をわかってくれたら、即引退ではなく、顧問として残って欲しい。若い葉に譲った大きな古い葉として。
静かに閑日月を過ごして欲しいのです。
走り続けた父だから、支えてきた母と旅行を楽しんだり、若いころ我慢して出来なかったことを楽しんでこその人生です。
そして夫は、三代目になる息子を鍛えるでしょう。
家庭を持ち子供も生まれたら(きや、お祖母ちゃんデスね)もっと責任ある仕事を任せる為に更に、鍛えます。
役職を任し、全てを託して大丈夫と判断したら、夫は引退するでしょう。
楪の木のように。
古い葉は落ちないといけないのです。伝統の木を大きく茂らせ立派な木に育つために古い葉は落ちて、木の養分になります。
人の営みとはそういうものかもしれませんね。
伝えたい願いを受け継がせる為に、教え導き守り。
時が来たら受け継いで貰う。
その繰り返しが愛おしいし、貴いことだと思います。
老舗と呼ばれる数々の職業は、伝統の技と誇りを守り更に、改良を加えてまた、次代に渡して行く。
日本は古来より楪の木の精神で生きてきました。
私も息子が一人前に育つ姿を見て、木の養分となるため落ちて行く一枚の葉でありたいですね。
読んでいただき、ありがとうございました。
では、また明日…
楪の木では、ありませんが、美しい木です。