水木しげる先生追悼特番。
2010年度上半期朝ドラ『ゲゲゲの女房』の総集編の感想その2、です。
その1はこちら。→『ゲゲゲの女房』2015総集編、その1。 祖母の話を聞いているような懐かしい温かさ。
深大寺、美しい…
12月12日(土)、12月19日(土)にも第2集、第3集とあるので楽しみです。
朝ドラ感想記事のまとめ。
・『あさが来た』10週その2.姉妹の最後の夜、はつの問いかけ、新次郎覚醒!
・『あさが来た』10週その1.惣兵衛の和歌山プレゼン、五代さんの脳内祝言、NHKの本気お披露目会。
・一覧はこちら→朝ドラ感想記事のまとめ。
■あるある
さて、東京に着いた布美枝さんたち。
「あの東京タワーはどのあたりにあるんでしょうか」
「私こげな町に暮らすんだわ!」
あるあるwww
時代変われどこの上京感変わらず。
でも布美枝さんが暮らすのは、同じ東京都といっても…
東京にも!!
畑は!!ある!!
新居となる茂さんちにやってきた布美枝さん。
「男の1人住まいってこげなもんなのかなあ」
「石油が、ない!」
もうほんとそれwww
■茂さんの秘密
見合いの時に着ていた背広は借りものでした。
茂さん本人も背広は持っているのですが、とあるところに預けていて…
「一六銀行」
これ、「質屋」の意味なんですね。
なるほどー、とうならされました。
そんな茂さんの仕事場を覗いた布美枝さん。
陰影がいい仕事しすぎてる。
なんだこのジワジワくる湿った怖さは。
■ねずみ男
「浦木です。俺、猫嫌い。あ~!」
うさん臭さが溢れ出ている浦木克夫(杉浦太陽)は、ねずみ男をモチーフに作られた人物だとか。
■『墓場鬼太郎』
さて茂さんのお仕事の話。
「幽霊族の死体から生まれた赤ん坊、墓場で生まれたので『墓場鬼太郎』」
「鬼太郎のおやじはせがれのことが心配で、目玉だけになっても生きようとするんです」
「目玉のおやじ、そう『目玉親父』です!子どもの行く末を案じた親の執念が目玉にこもったわけです」
懐かしい『ゲゲゲの鬼太郎』。
子どもの頃によく見ていました。
ぬらりひょんの怖さは異常だったな。
あと地味に苦手だったの子泣き爺。
それはともかく、その鬼太郎のメイキングシーンといっても過言じゃないのかもしれません。
富田書房に原稿を持ち込んだ茂さんなのですが…
「どうして目玉がしゃべんの?口もないのに」
「鬼太郎、ひねた子どもだねえ」
それを言っちゃあだめだよ……
(確かに目玉おやじがどうやってしゃべってるのかは謎ではある)
■片付けちゃだめ
ある日のこと。
茂さんの仕事部屋を勝手に片付けてしまった布美枝さん。
「あっ!」
「ついでにちょっこし片付けときました」
「何で余計なことをするんだ…」
「えっ?」
クリエイターの部屋は片付けてはいけない。
高等遊民の部屋も片付けてはいけない。
「本まで並べ替えたのか?」
「勝手に触らんでくれ!本の並べ方にも意味があるんです。
あんたにはごみに見える紙くずにも、この部屋のもんにはみんな意味があるんだ!」
なかなかブチ切れする茂さんの言い分もわかるのですが、でも布美枝さんは知らなかったんです。
「私…ほんに分からんのです」
「ちゃんと話してもらえんと、何が大事なことで何が余計なことか何も分からんのです」
「でも一緒に暮らしていくんですけん。村井さんの考えとること、少しでも話してもらわんと、私どげしたらええのか…」
一緒に暮らしていく、ここで暮らしていく。
安来で父がいっていたように40年50年と一緒に暮らしてく。
それなのに、知らなすぎる。
話してほしい。
布美枝さんの思いが、表情でじわじわ伝わってきました。
泣きそうで、でも涙はこぼれない。
「強さ」だなあ…と。
■初めてのプレゼント
でも少し反省した布美枝さん。
もっと反省したのか茂さん。
「あんたの自転車です。中古ですけどものはええですよ。買い物もこれで行ったら楽でしょう」
プレゼントが自転車、っていうのがいかにも茂さんらしい。
自転車の前輪と後輪みたいな夫婦なのかな。
「これ買いに…?」
「私びっくりして…」
「だって自転車買ってきてくれるなんて」
完全に怒らせてしまったのではと心配していた布美枝さんは、嬉しさのあまり今度は涙をこらえきれず。
「えっ自転車乗れるよね?」とあたふたしてる茂さんも可愛いのですが。
だからもう松下奈緒の涙演技おいこら(褒めてる
■初めてのデート
早速自転車に乗って深大寺へ。
いいとこですよね。
おそばが美味しい。
印象的だったのがこのシーン。
「ええもんですね。水の流れる音って」
「そげですな」
ピアニストという音のプロでもある松下さんが、水の音に聞き入る横顔が美しいと思いつつ。
「そげですな」と相槌いれる茂さんが、優しそうな表情をしているのがまたいいなと思いつつ。
おおおおお、深大寺に行きたいぞ。
■戌井さん
謎の男が現れた。
「こちら水木さんのお宅ですよね?」
「全部読みました!感動しました。あなたはすばらしい!」
この先大事な戌井さん(梶原善)
『あさが来た』での宮部さんが脳裏をよぎるせいか、うさんくささがハンパない。
……それにしてもこの梶原さん、最近どこかでよく見る……。
あ、『ごはんですよ』のおじさんだ!!!!
■東京、昭和の夏
「茂は部屋に閉じこもって仕事に打ち込んでいました」
汗びっしょりの茂さんも、何気ない風鈴も、夏の季節感満点です。
安来からの距離もそうだけど、距離感と季節感を大事にするドラマはいいよね。
またそれを覗き込む布美枝さんも、暑そうな顔。
でも外に出て夕方の風を浴びているときは涼しげな表情。
こういう演出大好物。
「奥さん!」
「あ、戌井さん」
「聞きましたよ!『鬼太郎』再開するそうですね。
ひと言お祝いが言いたくて来てしまったのですが…あれ?奥さんどうかしたんですか?」
だめだ、宮部さんで再生されてる。
(どっちにしてもうさんくさい)
■漫画家・水木しげる
戌井さん相手に、先ほど直に感じたことをポツポツ話し出す布美枝さん。
「あの人、片腕ですけん。左肩で紙を押さえて描いとるんですよ。背中がぐいっとねじれとって…」
失礼ながら向井理さんはあんまり好きな俳優さんではなかったんです。
民放ドラマを色々観ていましたが「どれもこれも向井理じゃん」って。
いや確かにイケメンだなとは思ってましたが。
しかし、これほどまでに全身で演技される方だったとは。
左肩に力が合いっているのはもちろん。
右手の手先まで、布美枝さんのいうところの「精魂」がつまっているのだなと感じました。
『ゲゲゲの女房』は俳優・向井理の出世作。
知る順番が逆になってしまったようです。
「あの人の努力は…本物ですけん」
誰よりも近くで夫を観てきて支えてきた夫婦。
とても出会って5日で結婚したとは思えない。
茂さんがそうさせているのか、布美枝さんの強さなのか、あるいはそれが『ご縁』というものなのか。
■アシスタント・村井布美枝
疲れた様子の茂さんに生姜湿布をしてあげる布美枝さん。
「ほ~っ」
「ちょっこし熱いかもしれんけど」
「どげな具合ですか?」
「う~ん。ホカホカしてなかなかええ」
「しばらくそのまんまにしちょってください」
き、気持ち良さそう…!!
なにこれ、湿布テロ…?!
そんな布美枝さんの姿をみて、茂さんが「仕事を手伝ってくれ」と。
「その『スミ』と書いてあるとこ…そこにこれ塗ってくれ」
ある意味、クリエイターの聖域でもある「仕事」(この場合だと紙とペンか)
そこに家族とはいえ、さほど精通していないものを座らせる。
相当の信頼がなければ難しいことだと思います。
「私で…ええんでしょうか?」
「あんたならできる!手伝ってくれ」
2人の関係性が大きく変わっていくのを感じました。
ただの夫婦から、人生の夫婦になるのだなと。
ここからまたはじまるのだなと。
「布美枝が初めて茂のアシスタントを務めた夜、いつしか夜が明けていました」
茂さんにとっても、布美枝さんにとっても、夫婦にとっても。
夜が明けたのかな。
■良い知らせ
「ええ話と悪い話があるがどっちから聞く?」
と茂さん。
良い知らせは「本の完成」でした。
「わ~っ、本当に出来たんだ!」
表紙をめくると、「謹呈、村井布美枝殿」の文字が。
「これはあんたと一緒に作った本だけん。最初の一冊はあんたにプレゼントだ」
そんなことを言ったもんだから、また涙がこぼれそうになってしまう布美枝さん。
茂さんは慌てて
「あっ待て!泣くのは悪い方の話を聞いてからにしろ」
「何ですか?」
(数秒遅かったら泣いてただろうな)
しかし松下さん。
こういう涙のコントロール、どうやってやってんのマジで。
結局悪い知らせもいい知らせ(『鬼太郎』の長期連載)にかわり、やっぱり涙がこぼれる布美枝さん。
「漫画に懸けた茂の努力がやっと少し報われた気がして、嬉しさを抑えきれない布美枝でした。
よかったなあ、布美枝」
高瀬アナだったらにっこり笑ってウケていたんだろうな、とか。
有働さんも泣いていたかなとか。
当時「あさイチ」は放送はされていたものの、朝ドラ受けはさほどなく、ましてや高瀬アナの受けも今ほど注目されるものではなく。
時間の流れを感じて寂しくもなりますが。
でもいろいろ考えるの楽しい。
よかったね、布美枝さん。
■ご本人との対話
「ドラマではありましたけれども、実際によく来られてたんですか?」
「実際もある日中古車を買ってくれて…」
「買ってきてくれたのは水木先生ですか?」
「そうなんです」
「水木先生のどういうところが一番好きだったですか?」
「好きなんていうんじゃないですが、生きていく姿勢ですわね」
すごい夫婦なんだなと思うと同時に。
きっと昭和のこの時代には、こういう夫婦がいっぱいいたんだと思う。
名もなき水木しげると、名もなきゲゲゲの女房たちが。
水木しげる先生が亡くなった時もおもったけど、「高貴なカリスマ」ではないんですね。
隣に住んでるおじいちゃん、みたいな身近な感覚。
それでも胸に熱いものを秘めている強さ。
上手に表現できないのですが、この柔らかさに改めて魅力を感じます。
第2回の放送は12月12日(土)。
せめて総集編は見逃さないようにしっかり観たいものです。
2010年度上半期朝ドラ『ゲゲゲの女房』の総集編の感想その2、です。
その1はこちら。→『ゲゲゲの女房』2015総集編、その1。 祖母の話を聞いているような懐かしい温かさ。
深大寺、美しい…
12月12日(土)、12月19日(土)にも第2集、第3集とあるので楽しみです。
朝ドラ感想記事のまとめ。
・『あさが来た』10週その2.姉妹の最後の夜、はつの問いかけ、新次郎覚醒!
・『あさが来た』10週その1.惣兵衛の和歌山プレゼン、五代さんの脳内祝言、NHKの本気お披露目会。
・一覧はこちら→朝ドラ感想記事のまとめ。
■あるある
さて、東京に着いた布美枝さんたち。
「あの東京タワーはどのあたりにあるんでしょうか」
「私こげな町に暮らすんだわ!」
あるあるwww
時代変われどこの上京感変わらず。
でも布美枝さんが暮らすのは、同じ東京都といっても…
東京にも!!
畑は!!ある!!
新居となる茂さんちにやってきた布美枝さん。
「男の1人住まいってこげなもんなのかなあ」
「石油が、ない!」
もうほんとそれwww
■茂さんの秘密
見合いの時に着ていた背広は借りものでした。
茂さん本人も背広は持っているのですが、とあるところに預けていて…
「一六銀行」
これ、「質屋」の意味なんですね。
なるほどー、とうならされました。
そんな茂さんの仕事場を覗いた布美枝さん。
陰影がいい仕事しすぎてる。
なんだこのジワジワくる湿った怖さは。
■ねずみ男
「浦木です。俺、猫嫌い。あ~!」
うさん臭さが溢れ出ている浦木克夫(杉浦太陽)は、ねずみ男をモチーフに作られた人物だとか。
■『墓場鬼太郎』
さて茂さんのお仕事の話。
「幽霊族の死体から生まれた赤ん坊、墓場で生まれたので『墓場鬼太郎』」
「鬼太郎のおやじはせがれのことが心配で、目玉だけになっても生きようとするんです」
「目玉のおやじ、そう『目玉親父』です!子どもの行く末を案じた親の執念が目玉にこもったわけです」
懐かしい『ゲゲゲの鬼太郎』。
子どもの頃によく見ていました。
ぬらりひょんの怖さは異常だったな。
あと地味に苦手だったの子泣き爺。
それはともかく、その鬼太郎のメイキングシーンといっても過言じゃないのかもしれません。
富田書房に原稿を持ち込んだ茂さんなのですが…
「どうして目玉がしゃべんの?口もないのに」
「鬼太郎、ひねた子どもだねえ」
それを言っちゃあだめだよ……
(確かに目玉おやじがどうやってしゃべってるのかは謎ではある)
■片付けちゃだめ
ある日のこと。
茂さんの仕事部屋を勝手に片付けてしまった布美枝さん。
「あっ!」
「ついでにちょっこし片付けときました」
「何で余計なことをするんだ…」
「えっ?」
クリエイターの部屋は片付けてはいけない。
高等遊民の部屋も片付けてはいけない。
「本まで並べ替えたのか?」
「勝手に触らんでくれ!本の並べ方にも意味があるんです。
あんたにはごみに見える紙くずにも、この部屋のもんにはみんな意味があるんだ!」
なかなかブチ切れする茂さんの言い分もわかるのですが、でも布美枝さんは知らなかったんです。
「私…ほんに分からんのです」
「ちゃんと話してもらえんと、何が大事なことで何が余計なことか何も分からんのです」
「でも一緒に暮らしていくんですけん。村井さんの考えとること、少しでも話してもらわんと、私どげしたらええのか…」
一緒に暮らしていく、ここで暮らしていく。
安来で父がいっていたように40年50年と一緒に暮らしてく。
それなのに、知らなすぎる。
話してほしい。
布美枝さんの思いが、表情でじわじわ伝わってきました。
泣きそうで、でも涙はこぼれない。
「強さ」だなあ…と。
■初めてのプレゼント
でも少し反省した布美枝さん。
もっと反省したのか茂さん。
「あんたの自転車です。中古ですけどものはええですよ。買い物もこれで行ったら楽でしょう」
プレゼントが自転車、っていうのがいかにも茂さんらしい。
自転車の前輪と後輪みたいな夫婦なのかな。
「これ買いに…?」
「私びっくりして…」
「だって自転車買ってきてくれるなんて」
完全に怒らせてしまったのではと心配していた布美枝さんは、嬉しさのあまり今度は涙をこらえきれず。
「えっ自転車乗れるよね?」とあたふたしてる茂さんも可愛いのですが。
だからもう松下奈緒の涙演技おいこら(褒めてる
■初めてのデート
早速自転車に乗って深大寺へ。
いいとこですよね。
おそばが美味しい。
印象的だったのがこのシーン。
「ええもんですね。水の流れる音って」
「そげですな」
ピアニストという音のプロでもある松下さんが、水の音に聞き入る横顔が美しいと思いつつ。
「そげですな」と相槌いれる茂さんが、優しそうな表情をしているのがまたいいなと思いつつ。
おおおおお、深大寺に行きたいぞ。
■戌井さん
謎の男が現れた。
「こちら水木さんのお宅ですよね?」
「全部読みました!感動しました。あなたはすばらしい!」
この先大事な戌井さん(梶原善)
『あさが来た』での宮部さんが脳裏をよぎるせいか、うさんくささがハンパない。
……それにしてもこの梶原さん、最近どこかでよく見る……。
あ、『ごはんですよ』のおじさんだ!!!!
■東京、昭和の夏
「茂は部屋に閉じこもって仕事に打ち込んでいました」
汗びっしょりの茂さんも、何気ない風鈴も、夏の季節感満点です。
安来からの距離もそうだけど、距離感と季節感を大事にするドラマはいいよね。
またそれを覗き込む布美枝さんも、暑そうな顔。
でも外に出て夕方の風を浴びているときは涼しげな表情。
こういう演出大好物。
「奥さん!」
「あ、戌井さん」
「聞きましたよ!『鬼太郎』再開するそうですね。
ひと言お祝いが言いたくて来てしまったのですが…あれ?奥さんどうかしたんですか?」
だめだ、宮部さんで再生されてる。
(どっちにしてもうさんくさい)
■漫画家・水木しげる
戌井さん相手に、先ほど直に感じたことをポツポツ話し出す布美枝さん。
「あの人、片腕ですけん。左肩で紙を押さえて描いとるんですよ。背中がぐいっとねじれとって…」
失礼ながら向井理さんはあんまり好きな俳優さんではなかったんです。
民放ドラマを色々観ていましたが「どれもこれも向井理じゃん」って。
いや確かにイケメンだなとは思ってましたが。
しかし、これほどまでに全身で演技される方だったとは。
左肩に力が合いっているのはもちろん。
右手の手先まで、布美枝さんのいうところの「精魂」がつまっているのだなと感じました。
『ゲゲゲの女房』は俳優・向井理の出世作。
知る順番が逆になってしまったようです。
「あの人の努力は…本物ですけん」
誰よりも近くで夫を観てきて支えてきた夫婦。
とても出会って5日で結婚したとは思えない。
茂さんがそうさせているのか、布美枝さんの強さなのか、あるいはそれが『ご縁』というものなのか。
■アシスタント・村井布美枝
疲れた様子の茂さんに生姜湿布をしてあげる布美枝さん。
「ほ~っ」
「ちょっこし熱いかもしれんけど」
「どげな具合ですか?」
「う~ん。ホカホカしてなかなかええ」
「しばらくそのまんまにしちょってください」
き、気持ち良さそう…!!
なにこれ、湿布テロ…?!
そんな布美枝さんの姿をみて、茂さんが「仕事を手伝ってくれ」と。
「その『スミ』と書いてあるとこ…そこにこれ塗ってくれ」
ある意味、クリエイターの聖域でもある「仕事」(この場合だと紙とペンか)
そこに家族とはいえ、さほど精通していないものを座らせる。
相当の信頼がなければ難しいことだと思います。
「私で…ええんでしょうか?」
「あんたならできる!手伝ってくれ」
2人の関係性が大きく変わっていくのを感じました。
ただの夫婦から、人生の夫婦になるのだなと。
ここからまたはじまるのだなと。
「布美枝が初めて茂のアシスタントを務めた夜、いつしか夜が明けていました」
茂さんにとっても、布美枝さんにとっても、夫婦にとっても。
夜が明けたのかな。
■良い知らせ
「ええ話と悪い話があるがどっちから聞く?」
と茂さん。
良い知らせは「本の完成」でした。
「わ~っ、本当に出来たんだ!」
表紙をめくると、「謹呈、村井布美枝殿」の文字が。
「これはあんたと一緒に作った本だけん。最初の一冊はあんたにプレゼントだ」
そんなことを言ったもんだから、また涙がこぼれそうになってしまう布美枝さん。
茂さんは慌てて
「あっ待て!泣くのは悪い方の話を聞いてからにしろ」
「何ですか?」
(数秒遅かったら泣いてただろうな)
しかし松下さん。
こういう涙のコントロール、どうやってやってんのマジで。
結局悪い知らせもいい知らせ(『鬼太郎』の長期連載)にかわり、やっぱり涙がこぼれる布美枝さん。
「漫画に懸けた茂の努力がやっと少し報われた気がして、嬉しさを抑えきれない布美枝でした。
よかったなあ、布美枝」
高瀬アナだったらにっこり笑ってウケていたんだろうな、とか。
有働さんも泣いていたかなとか。
当時「あさイチ」は放送はされていたものの、朝ドラ受けはさほどなく、ましてや高瀬アナの受けも今ほど注目されるものではなく。
時間の流れを感じて寂しくもなりますが。
でもいろいろ考えるの楽しい。
よかったね、布美枝さん。
■ご本人との対話
「ドラマではありましたけれども、実際によく来られてたんですか?」
「実際もある日中古車を買ってくれて…」
「買ってきてくれたのは水木先生ですか?」
「そうなんです」
「水木先生のどういうところが一番好きだったですか?」
「好きなんていうんじゃないですが、生きていく姿勢ですわね」
すごい夫婦なんだなと思うと同時に。
きっと昭和のこの時代には、こういう夫婦がいっぱいいたんだと思う。
名もなき水木しげると、名もなきゲゲゲの女房たちが。
水木しげる先生が亡くなった時もおもったけど、「高貴なカリスマ」ではないんですね。
隣に住んでるおじいちゃん、みたいな身近な感覚。
それでも胸に熱いものを秘めている強さ。
上手に表現できないのですが、この柔らかさに改めて魅力を感じます。
第2回の放送は12月12日(土)。
せめて総集編は見逃さないようにしっかり観たいものです。
松下奈緒の涙が素敵、向井理ってこんなに体全体で演技する人だったのかと驚き、背景の季節感がいいなあと思いつつ……ふと気付くのが、2015年12月の総集編は水木先生の追悼ってことでまたしんみり。
#ゲゲゲの女房
— ゆずず (@yuzu0905) 2015, 12月 8
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