『あさが来た』11週、「九転び十起き」の長文ネタバレ感想まとめ、その2。
だからもう見所ありすぎるんだよ
(怒ってるのか褒めてるのか最近よくわからない)
【後半】
→『あさが来た』11週その2.名探偵のご活躍のあとは、昔話でもしようか。
関連リンク
・『あさが来た』10週その2.姉妹の最後の夜、はつの問いかけ、新次郎覚醒!
・『あさが来た』10週その1.惣兵衛の和歌山プレゼン、五代さんの脳内祝言、NHKの本気お披露目会。
・『あさが来た』9週その2.ペンギンのように胸を張って光を浴びて。
・『あさが来た』9週その1.五代さんの憂鬱と菊さんの優しさ。
『まれ』、『あまちゃん』他、朝ドラ関係の記事はこちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ。
■朝一番に『気持ち悪い』
「んー気持ち悪い。ウヘェ」
月曜の朝一番からアバン明けにヒロインの「気持ち悪い!」カット。
こんなとこから入っても、妊婦のこういう辛さや頑張りを描いてくれてる作品はそうそうないので、悪くないなと思う。
「つわり言うのに重い軽いがあるのだすか?」
「よっこらしょ、ほらほらほら。奥さん、ほら、よいしょ」
あたふたしている亀助さが、悪阻の軽い重いを知るわけがない。
でもそこをカズさんが教えてるからいい。
あさを背中から支える男衆たちも頼もしく見えてくる。
「ややこ出来るのがこない苦しいなんて…」
「うちこのまま死んでしまうのやろか?」
あさの弱気が見てて辛そう。
横にちょこんと座ってる亀助さんが「何も出来へん」とまた辛そう。
亀助さん、そんなことないのよ。
(この日、大親友・あさを心配してあたふたしながらも、きちんとするべきことをした亀助さんトレンド入りです)
■新次郎がきた!
「駅やら馬車やら散切り頭やら、何もかもが西洋風になってしもて。えらいこっちゃ」
新次郎の脳裏に浮かんでるのは五代さんかな…五代さんかな…
「今の声は…まさか!あ、あ、あ~!!」
亀助さんのテンションのあがりっぷり。
でもそれだけ、妊娠に関してはわからないことだらけで不安だったのだと思う。
(もちろんカズさんたちがついててくれてはいるのだけれども)
そこにうめがきてくれたことや、あさが一番信頼している(それを亀助は知っている)新次郎が来てくれたこと。
それが嬉しかったんだと思う。
■病気ではない、けれども
「えらいこっちゃ…こら何の病だす?」
「はぁ、そら病やないんやな」
寝込むあさをみて、何かの病気を疑う新次郎。
病気ではないことにとりあえず安心するも、「病気じゃない」発言に怒るあさ。
とはいえ新次郎があさの様子から想像するのは何らかの病気だろうから、そういう認識になるのは仕方がないことだと思う。
そこで安心しての「病気じゃない」発言になるのは致し方ない。
でも「病気じゃないから大したことじゃない」というわけではない。
カズさんやあさたちが無暗に怒ったり泣いたりもせずに、「そういうことじゃないんです。大事なことなんです。もう1回言ったら怒りますよ?」と『我慢』したのはえらいと思う。
というのはあくまで私の主観なのだけれど、このへんは本当に人それぞれの価値観があるところだと思います。
現代でも難しい問題ながらも、リアリティ持って描いてくれるのは素敵。
「おおきにな!」
さっきの病じゃない発言の失態を「ありがとう」の一言で一気に取り返した新次郎、ああ新次郎。
「口すすぐだけでもよろしさかい、こらわてがいれたお茶や」
「ほれ、これやったら食べられるか」
ただのお茶じゃない。新次郎のいれたお茶。
ただのみかんじゃない。はつが届けたみかん。
こういうナチュラルな気遣い。
新次郎さんもはつも、あさのことを思ってるんだなって。
「相撲で勝負つけまひょか?」
「あかん、今はどないしても勝たれへん」
真っ先にうめの手を握ったことも。
うめの言葉に安心した表情してたことも。
「勝負は相撲で決めよう」っていうのも、あさとうめらしくてすごく好き。
つわりに苦しむあさを見てすぐに動くうめ。
きっと京都の今井家で梨江ママが悪阻で苦しむ(はつからの手紙に書いてあった)姿をを見ていたからなんだと思う。
新次郎のやる気スイッチを入れるだけの要素に見えた手紙が、こうやって生きてくるのが素敵。
(みかん送ったはつさんマジでグッジョブ)
■サトシの視線
睨みつけるサトシ。まさか、と驚く新次郎。
「サトシはいったい何者なのでしょうか」
とナレーションは言うものの、それは多分、視聴者も「あさイチ」の面々も、多分高瀬アナも想像していることで合っていると思う。
わざとらしく煽ってるともとれるけど、わかりやすく問題を提示することで、物語が進むよって示してるのがわかりやすい。
今週の伏線になるのか。
相変わらず蒔き方がうまいんだよなあ。
「俺あげな呑気な金持ちを見ると虫酸が走りますと」
「だげんが…それももう終わりたい。俺はあやつらに…この炭坑の経営ができんごとしてやるったい」
言いさし。
かすれた声。
顔について汚れ。
炭坑の暗闇を、下から照らす光。
うん、全部いい。
■しばし炭坑を後にして
治郎作「こっちんこつは俺に任せといちくれ」
カズ「どうかご無事に生まれますように」
早期の休暇に入るあさを見送ると親分一家。
惣兵衛一家ともまた違う、暖かく力強い感じ。
福太郎「姉御!気張ってな」
伊作「そうちゃ気張らなな!」
紀作「ええ子産んでくれ」
炭坑の男たちの「姉御でも倒れることがあるのか…」っていう不器用な心配の仕方もよかったが、
今回の「姉御ぉぉぉぉぉぉ!!!!!」な励まし方も、『炭坑の男』という感じがしてとてもいい。
■女子力に定評のある亀助
亀助さんは九州に残ります。
「ふゆにも亀助さんがどないに頼りになる方か、ようよう話しときますさかい」
「へ?分かりました!」
こ の 喜 び よ う で あ る 。
女子力に定評のある亀助さん。
照れて首に掛けた手拭いグシグシしちゃって……。
女子か。女子だな?
■お腹の子が教えてくれること
新次郎があさをお姫様抱っこ。
ネタてやってるのかと思ったけど、これまで2回くらいお姫様抱っこがあったので、ここで出てきても不自然じゃない。
というより、「新次郎はいざというときにはめちゃくちゃ動く」ということの伏線だったのかと思い始めてるし、
キャラクター設定がしっかりしてることにすげえなあとしか。
「体は丈夫なほうやと思てたけど、こない苦しいこともあるんやて…きっとお腹の子ぉが教えてくれたんだす。思い上がったらあかんて」
妊婦生活の心構えを語るあさ。
また後ろのうめさんがいい顔してるんだなあ…
■お前たちの判断
「今の加野屋は両替商の看板はあげてるだけで、ここからは何の儲けもあらしまへんなぁ」
正吉さんの言葉、地味に衝撃。
通貨が統一されたとはいえ、両替商がそこまで追い詰められたこと。
メインの歳入が炭坑事業ならば、現場にもう少し人員割いてもいいのではないかとは思うものの。
現代の大企業だって海外の現地駐在員は数える程度。
それに炭坑事業は、当時からしてみれば「大博打」。
炭坑で儲けはある。でも割ける人材はあさと亀助、が限界だったのかもしれない。
加野屋のビジネス面を垣間見る新鮮なシーン。
「そらまあお前たちの判断だすな」
榮三郎、新次郎、あさ、雁助に加野屋の行く末を任せる大旦那様。
アドバイスはするけどあくまで一線引いて、見守る姿勢の正吉さんの『若手人材の育て方』が素敵。
しかしな、ここ。
「これからはおまえたちで決めなさい」と聞いた雁助さんの表情が複雑過ぎてな。
場所を移して店頭に、雁助と榮三郎。
「せやけど銀行が志のあるものに金貸すなんて誰がそないな怪しい話信じます?」
「加野屋も無理して変わらんで、今のままでもっとええ術探したらええんやないかて」
雁助さんの慎重な台詞と頷く榮三郎。
かつて加野屋は大名貸し。
大名っていう名前で信頼できた。
250年それが続いて、いきなり「誰でも!志!」になったらそりゎ困惑するわな…
メタな見方だと雁助さんたち保守的にも見えなくもないけど。
当時からしてみれば2人の考え方のほうが自然だろうし、大阪商人の本音でもあるのかなとか。
■新次郎さんの行間を読む。
そんなこんなで、横で何やら真剣な顔をしていた新次郎に聞いてみた榮三郎。
「異国(帰り)の(五代とかいう)もんやなんて
金輪際(あさに)関係(持たせることなんて絶対に)あれへんて思てたけど、
(五代本人はともかく散切り頭の様な、髷油の匂いのしない)ええもんやったら取り入れなあかんしなぁ」
「えっ銀行賛成なの?」と驚く榮三郎ですが、新次郎が考えていたのはまさかそんなことではなく散切り頭のことでした。
(招き新ちゃん)
これも新次郎の脳裏に浮かんでるのは五代くんかな…五代くんかな…
しかし男らしい女性のあさと、女性らしい男性の新次郎。
歴史的なジェンダーってもんを音をたてて崩してきて、
個性丸出しにしてきた夫婦だから、
この二人の子育ては楽しみっつーか興味深いかも。
■五代くんの行間を読む。
噂をしたら、やってくるタイプの五代くん。
「一体どこに行ってしもたんやろ」
「いやいや(旦那抜きであささんとふたりきりで会えて)よかった」
「(私のあささんが)寝込んだはるて聞いて(また励まそう思ってペンギンの絵見せるついでに寝顔をみようと思って)ましたんやけど、お顔の色ももうよろしいようですな(あささんのお顔なら子供の頃から見てるからな!ばっちりだぜ!)」
「しかしなぁ。あなたが(私以外の男と結婚して、私以外の男との間の子の)母親になるなんてな」
五代くん、ああ五代くん。
■後世に何を残せるか
「子供を産み育てるという事は、ほかのどんな新しい産業興すよりもお国のためになることです」
「私は大阪経済のためにあれを再生させなあかん思てまして、今いろんな人たちの力借りて動いてるとこです」
現代だとナイーブな発言だども、富国強兵の明治の時代だし、なにせ五代友厚(いつもの妖精さんではなく)の言葉だし、スッと入る。
五代友厚にとって子供は堂島米会所ひいては大阪経済。
あさの妊娠と絡ませて『大阪経済の父・五代友厚』に繋げたのかな。
「後世に何を残せるかだけです」
人は皆いずれは死ぬってのは何かフラグかもしれない。
この言葉も『五代友厚』の生き方を強く反映しているのかもしれない。
どちらにしてもあさにまた強い影響を与えるんだろうな。
■落ち武者問題、勃発
五代くんとあさちゃんが盛り上がってますが、ちょうどいいタイミングで新ちゃん、雁助、榮三郎が帰宅しました。
「新次郎様が…榮三郎様も。番頭さんまで!」
しっかりがっつり雁助さんにも触れてるうめさんがかいらしくてもう。
で、肝心の帰ってきたお3方はというと……
見せないんかい!!
どうなってるんだい!!
と「落ち武者問題」が勃発。
「月代はどうなっとるんだ?」
「ハゲ散らかしてんのか?」
「落ち武者か?」
「なんかそれっぽいけどイケメンにみえるヅラをつけるのか?」
「落ち武者ヘアでも、ヘアメイクさんが匠の技を見せるのか?」
(というのも、髷を切って散切り頭にするには実際は2~3ヶ月ほどの期間を要するとのこと。
多くの人は一旦総髪にしてから、散切り頭へ段階を踏んだらしいです。)
てか五代くんも髪型変えてることに、あさちゃん気づいてあげて!!
(でも五代くんが幸せそうだからまあいいか)
■五代さん、普通にしていればかっこいい
本当に忘れそうになるんだけど、
五代さんは普通にしていれば(勝手にあさちゃん関係を補完しなければ)超カッコイイ。
「五代友厚は米商会所を開設。大阪経済復興に貢献していきます」
乾杯してるのはビールかしら。
太陽ワインはまだまだ先かな。
■落ち武者問題、解決します。
「やっと生えそろいましたわ」
落ち武者問題をそうかわしてしてくるとは!!
夏から秋へ時間が経ったことを示し、落ち武者問題を回避。
これで「さっぱりぽん」。
むむう、そうかわしてくるとは思わなんだ。
やるなBK。
■珍しい2人の喧嘩
珍しいふたりのケンカは、あさのお産について。
正吉は「明治は西洋医学のお医者さん」。
よのは「徳川の世だろうといつだろうとみんな産婆で産まれてきた」。
医学史の変わり目もここにあるんだよなあ。
威嚇し合うベテラン俳優www
■給湯室でのオフィスラブを…
「こないなわてに愛想尽かして、実家のある伊予のほうに帰ってしもたさかい」
旦那様たち夫婦の話から、自分が離縁に至った経緯を明かす雁介と、複雑な表情のうめ。
ほんのりビターな中年ふたりの恋愛の行方がとても気になる。
「そ…そないな顔せんといってぇな。昔々の話だすがな。もういっこも気にしてません」
「いや、そうやのうて…」
雁介さんもうめさんももっそいナチュラルに告白してるじゃん!
本人たちが気づいてないだけじゃん!
「わてはこの加野屋に生涯尽くすて決めてます」
「それやったらうちかて同じだす」
うめさんをガン見する雁介さん。
雁介さんをガン見するうめさん。
うめさんと雁介さんをガン見するふゆ。(4連の1枚目)
(ふゆちゃんの立ち聞き位置と隠れ具合がうまい)
娘さんの件に軽くショックを受け、自分自身のその気持ちに気づいて、でも話してくれたことの嬉しさもある。
そんな熟女・うめの淡い恋心の機微がもう素敵。
うめの中の人、友近さんにパチパチ。
うめさんの言いかけたことは何だろう。まさかまだ告白でもない気もする。
■見られてました
「すんまへん、すんまへん!うちお邪魔してしもて」
「先輩もあれこれ言うくせにちゃっかりしてるじゃないですか」と少し嬉しそうな、
あるいは「やっべ、見つかった」と決まり悪そうな、そんなふゆの笑顔が可愛い。
そこに偶然あさも居合わせたもんだから、もうカオス。
でもうめが「あのこと」と機転を利かせて、亀助とふゆの話に。
亀助とあさは大親友だし、あさはお鈍さんだから、もう「うめと雁助が何か話していて、それをふゆが覗いていた」ことは忘れてる。
亀助さんからのお手紙をふゆが既読スルーしていた件を話している横で、
このまぁた複雑な表情の中年2人ががもうもどかしくてもどかしくて。
■安全第一
「もううちだけの体やあれへん。それどころかうちの体でさえのうて、もうこの子の人生が始まってるのやて」
「そうだすか。あんたもう立派に生きてますのやなあ」
新次郎の「あさだけの身体じゃない」と五代さんの「子を産み育てることの意義」を、あさなりにつなげたのかな。
あさの頭の良さを感じると共に、それを支えてるのは新次郎なんだと実感する。
それにしても柔らかい照明がいい仕事してる一連のシーン。
藍之助を可愛がってた新次郎だから本当にややこが嬉しいんだろうな。
本当に早く会いたいんだろうな。
「今のうちにできることはこの子をいかに安全に出したげるかという事なんだす。つまり、安全第一だす」
正吉の推す産科医、よのの推す産婆。
どちらも間違いではないのはこの時も今も変わらない。
でもどちらだけ選ぶでもなく、お産をするのはあさ自身。
「安全第一」を選ぶ、あさの決断。
細かいんだけど診察終わってあさが「動いていいか」と聞いた時。
医者は難産になりそうなあさへの答えに一瞬考える横で、運動を薦めると答える産婆。
産科医と産婆(助産師)が、どんな仕事でどんなお産を手伝うかってのがわかる一瞬。
■義父母の願い
あさの出産を10日後に控えたその日、正吉(大旦那様)が倒れました。
「おい!あさ!」
今井のお父さんを思い出させるような強い口調で、あさを呼び止める正吉さん。
もう群馬から仁先生(花燃ゆのかと…り?)連れてきて!
会津あたりに速水先生(八重の西島秀俊)いるかもしれないし!
東京のほうに進藤先生(るろ剣の斎藤一)もいるかもしれない!
あと悠太郎さんは早く地下鉄作って!!(混ぜるな
「特にあの榮三郎な。いやいやあいつはええ子やねんけどな。気の小さいところもあるさかい…」
「私は…ドンとしたお父ちゃんのままでいたいんや。あいつらにこんな情けないとこ見せとうない…」
二度目の発作の波の最中、本当に命を振り絞るように。
「お父さん」、それから「七代目」としての強い言葉。
榮三郎は気付いたら成長してたけど、正吉やよのから愛されて育ったんだなって。
「おまえどうした」というおどけも、不安な心を表してたのかなって。
「医者でもお産婆さんでも何でもええさかい。頼むわ。
無事産んで、孫の顔あの人に見せてあげて。頼むわ!なあ!」
よのさんは知ってたんだ。
あさも少し勘付いていた。
襲名披露のあと「お父さんどこか具合悪いんですか」「さすが女の勘ですね」みたいなやりとりしてたけど、これだったのか。
姉妹の約束を思い出すシルエット。
誰かが産まれようとすると、誰かが死ぬのが朝ドラのセオリー。
はつのところに藍之助が生まれたら忠政じいちゃんが亡くなって、
あさのところにやや子ができたら、今度は正吉さんの番。
生と死どちらが先かわからんが、よのさんの願いは叶えて欲しいと思った。
■うまれた!
そんなしんみり終わった火曜の翌日。
あさの出産アバン。
新次郎、耳だけ立ち会い出産。
覗き見できなくもないけど覗き見しない新次郎が紳士なのか、それとも見る勇気がないのか。
どちらにしても障子がいい仕事してる。
シンクロする新次郎とあさ。
つられて息んだのか呼吸の荒い新次郎に「いいから落ち着け」とお菓子渡す正吉さんや新次郎の表情。
サイレントでなんだか可笑しかったww
うま
れた
!!
(´-`).。oO(発音指導に使いたいくらいわかりやすい口の形してんなあ。)
■加野屋新喜劇
加野屋新喜劇、スタンバイ用意OKです
「どうぞお待たせ申しました」
「キタ━━━(゜∀゜).━━━!!!」
新次郎、テンション振り切ってこの顔である。
ディフェンスに定評のある正吉さんとよのさん。
新次郎ああ新次郎…
「これ考え直さなあきまへんなあ」
正吉さんが出したのは男子の名前リスト。
……ん?「正蔵」?それあんたや。
「ほら、おでこと鼻筋がお父ちゃんに似てへんか?」
「へ?私!」
榮三郎に話を振られて正吉さんのガードが緩んだ隙。
赤ちゃんに近づこうとするも、よのさんの鉄壁を越えられない。
新次郎ああなんて新次郎。
■まだまだ加野屋新喜劇
「お猿さんみたいに小ちゃいのに誰に似てる似てへんもありますかいな。そろそろわてに抱っこさして…」
と新次郎ターンが来るかと思ったら、従業員ズ乱入。
よのさんは「邪魔じゃないからどうぞ」と言うものの、新次郎の顔がwww
「早見たって見たって!。よろしいだすか?!」
「ペッペッ!」
「あかん!!!!!!」
「お父ちゃん!頼みます!!
ちょっとでええさかい、あさと2人に…いやこの子と3人にしてもらわれへんやろか?」
ようやっとキレ気味の真顔から、はんなり新次郎に戻りました
■新次郎も、お父ちゃん
「ほら、お父ちゃんに抱っこしてもらいまひょね」
やっと赤ちゃんにたどりついた新次郎。
でも弥七たちまだいる。
で、障子の向こうでかのさんに「その手!汚い!」って怒られてる、多分。
障子の開け閉めや影がいい仕事してる加野屋新喜劇。
やっと抱っこできた新次郎。
言葉はないけど嬉しそうな表情。
今日の新次郎は表情変化が面白いなあ。
「新次郎様、おあさ様。本当におめでとうございました。ごゆっくり」
最後に出てくのがうめってのがいいんだよなあ。
幼い頃からあさと一緒にいて、新次郎とも一緒に九州まであさを迎えに行って、誰よりも頼りになるうめ。
■出てきてくれはりました
「これがあんたのお母ちゃんやで」
「わてがあんたのお父ちゃんや」
そういえば藍之助が新次郎のことを「お父ちゃん」と呼んでたこともあったっけ。
なんとなく惣兵衛の父性を思い出す。
「やっと会えましたな」
「よう出てきてくれはりました」
あさと新次郎のおかしな夫婦関係、妾騒動を乗り越えて、悪阻がはじまり、出産への心構え…
夫婦の様子が丁寧に描かれたから、あさの「よく出てきてくれた」にジンワリ。
■白岡千代
「この先1000年もそれからもずーっと先の方までも栄え続けますようにと願うてつけましたんやで」
「千代。あんたは千代ちゃんや。おじいちゃまがお名前付けてくれはりましたんや」
祖父母から孫へ最初のプレゼントは名前、なんて昭和臭いって言われそうだけれども。
五代さんの言葉を考えると、名前もまた後世に伝えるもの。
■おじいちゃんとおばあちゃん
「わても出たらええのに」
「私はもう出まへん」
母乳が出る出ない、と優しい冗談を言い合っている正吉と新次郎。
もしかして母乳が象徴してるものって生命力なのかなと。
正吉の病は心臓。
もう自分に子供を育てるまでの生命力はないって覚悟してるのかな……
「女の子やったら出来のええ男はんを婿養子にもらうという手がおます!」
女児ということで浮上した後継問題もすぐに解決。
大阪の商家は血筋そのものにはこだわらないって何かで読んだ気がする。
■榮三郎と雁助とあさ
「若旦さんは銀行には乗り気やないんだすのやろ?」
「今のわての力でお姉さんの意見に勝てますかいな」
榮三郎もフラグもいうか不安因子か。
榮三郎が実は気が小さいってのも納得。
「奥さん」としての役目もこなし、お世継ぎとなる千代を出産し、経営を実質支えているあさ。
しかも大旦那様の正吉からの絶対的信頼。
いくら8代目襲名の実質的な後継ぎが榮三郎だとしても、あさにはまだまだ追いつかない。
「あさにこんなにさせて大丈夫なの?」
という不安は、『あさをスーパーウーマンに描くのはやめてほしい』というものでしたが。
まさか『榮三郎への影響』という形で露呈するとは。
「お前だけはこれからもわての味方でいてくれますな」
「へぇ……もちろんだす」
雁助さんがどう立ち回るのかとても気になるんですが、目力と迫力すごいんです。
………。
誰ですか?
雁助役に、山内圭哉さん起用しよ!って決めたの誰ですか?
名乗り出てください。金一封差し上げます。
■すれちがう命
千代の顔をみながら、正吉さんが見せた一瞬の顔。
千代に出会えた喜びだろうか、あるいはお嫁にいくまで傍にはいられない悲しみなのか。
日差しは夕暮れかな。
若い命、老いた命がすれちがう瞬間なのかな。
■そのころ、おはつさんは
チャンネル銀河で再放送中の『篤姫』より。
CSのほうから出演依頼がありましたので、少し時空ワープして幾島さんからスパルタ指導を受けておりました(混ぜるな
あさやよのさんの右斜め上をかすめていく篤姫の墨芸ひどいwww
■おまけだぽん。
(時代は違えど花粉症の時期にマスクの下でよくやってるとは言いにくい)
コトリ「ナイミツニナ!ナイミツニナ!」
「今井銀行、開業へ」の新聞記事。
ルビまで歴史的仮名遣いが使われていることに猛烈に感動。小道具さんたちにパチパチ。
「(あの道楽旦那め、もう帰ってきやがって)」
本音が顔に出ちゃった五代はん。
ぬか床「呼びました?」
お面つけてもつけなくてもあまり変化のないかのさん。
【後半】
→『あさが来た』11週その2.名探偵のご活躍のあとは、昔話でもしようか。
だからもう見所ありすぎるんだよ
(怒ってるのか褒めてるのか最近よくわからない)
【後半】
→『あさが来た』11週その2.名探偵のご活躍のあとは、昔話でもしようか。
関連リンク
・『あさが来た』10週その2.姉妹の最後の夜、はつの問いかけ、新次郎覚醒!
・『あさが来た』10週その1.惣兵衛の和歌山プレゼン、五代さんの脳内祝言、NHKの本気お披露目会。
・『あさが来た』9週その2.ペンギンのように胸を張って光を浴びて。
・『あさが来た』9週その1.五代さんの憂鬱と菊さんの優しさ。
『まれ』、『あまちゃん』他、朝ドラ関係の記事はこちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ。
■朝一番に『気持ち悪い』
「んー気持ち悪い。ウヘェ」
月曜の朝一番からアバン明けにヒロインの「気持ち悪い!」カット。
こんなとこから入っても、妊婦のこういう辛さや頑張りを描いてくれてる作品はそうそうないので、悪くないなと思う。
「つわり言うのに重い軽いがあるのだすか?」
「よっこらしょ、ほらほらほら。奥さん、ほら、よいしょ」
あたふたしている亀助さが、悪阻の軽い重いを知るわけがない。
でもそこをカズさんが教えてるからいい。
あさを背中から支える男衆たちも頼もしく見えてくる。
「ややこ出来るのがこない苦しいなんて…」
「うちこのまま死んでしまうのやろか?」
あさの弱気が見てて辛そう。
横にちょこんと座ってる亀助さんが「何も出来へん」とまた辛そう。
亀助さん、そんなことないのよ。
(この日、大親友・あさを心配してあたふたしながらも、きちんとするべきことをした亀助さんトレンド入りです)
■新次郎がきた!
「駅やら馬車やら散切り頭やら、何もかもが西洋風になってしもて。えらいこっちゃ」
新次郎の脳裏に浮かんでるのは五代さんかな…五代さんかな…
「今の声は…まさか!あ、あ、あ~!!」
亀助さんのテンションのあがりっぷり。
でもそれだけ、妊娠に関してはわからないことだらけで不安だったのだと思う。
(もちろんカズさんたちがついててくれてはいるのだけれども)
そこにうめがきてくれたことや、あさが一番信頼している(それを亀助は知っている)新次郎が来てくれたこと。
それが嬉しかったんだと思う。
■病気ではない、けれども
「えらいこっちゃ…こら何の病だす?」
「はぁ、そら病やないんやな」
寝込むあさをみて、何かの病気を疑う新次郎。
病気ではないことにとりあえず安心するも、「病気じゃない」発言に怒るあさ。
とはいえ新次郎があさの様子から想像するのは何らかの病気だろうから、そういう認識になるのは仕方がないことだと思う。
そこで安心しての「病気じゃない」発言になるのは致し方ない。
でも「病気じゃないから大したことじゃない」というわけではない。
カズさんやあさたちが無暗に怒ったり泣いたりもせずに、「そういうことじゃないんです。大事なことなんです。もう1回言ったら怒りますよ?」と『我慢』したのはえらいと思う。
というのはあくまで私の主観なのだけれど、このへんは本当に人それぞれの価値観があるところだと思います。
現代でも難しい問題ながらも、リアリティ持って描いてくれるのは素敵。
「おおきにな!」
さっきの病じゃない発言の失態を「ありがとう」の一言で一気に取り返した新次郎、ああ新次郎。
「口すすぐだけでもよろしさかい、こらわてがいれたお茶や」
「ほれ、これやったら食べられるか」
ただのお茶じゃない。新次郎のいれたお茶。
ただのみかんじゃない。はつが届けたみかん。
こういうナチュラルな気遣い。
新次郎さんもはつも、あさのことを思ってるんだなって。
「相撲で勝負つけまひょか?」
「あかん、今はどないしても勝たれへん」
真っ先にうめの手を握ったことも。
うめの言葉に安心した表情してたことも。
「勝負は相撲で決めよう」っていうのも、あさとうめらしくてすごく好き。
つわりに苦しむあさを見てすぐに動くうめ。
きっと京都の今井家で梨江ママが悪阻で苦しむ(はつからの手紙に書いてあった)姿をを見ていたからなんだと思う。
新次郎のやる気スイッチを入れるだけの要素に見えた手紙が、こうやって生きてくるのが素敵。
(みかん送ったはつさんマジでグッジョブ)
■サトシの視線
睨みつけるサトシ。まさか、と驚く新次郎。
「サトシはいったい何者なのでしょうか」
とナレーションは言うものの、それは多分、視聴者も「あさイチ」の面々も、多分高瀬アナも想像していることで合っていると思う。
わざとらしく煽ってるともとれるけど、わかりやすく問題を提示することで、物語が進むよって示してるのがわかりやすい。
今週の伏線になるのか。
相変わらず蒔き方がうまいんだよなあ。
「俺あげな呑気な金持ちを見ると虫酸が走りますと」
「だげんが…それももう終わりたい。俺はあやつらに…この炭坑の経営ができんごとしてやるったい」
言いさし。
かすれた声。
顔について汚れ。
炭坑の暗闇を、下から照らす光。
うん、全部いい。
■しばし炭坑を後にして
治郎作「こっちんこつは俺に任せといちくれ」
カズ「どうかご無事に生まれますように」
早期の休暇に入るあさを見送ると親分一家。
惣兵衛一家ともまた違う、暖かく力強い感じ。
福太郎「姉御!気張ってな」
伊作「そうちゃ気張らなな!」
紀作「ええ子産んでくれ」
炭坑の男たちの「姉御でも倒れることがあるのか…」っていう不器用な心配の仕方もよかったが、
今回の「姉御ぉぉぉぉぉぉ!!!!!」な励まし方も、『炭坑の男』という感じがしてとてもいい。
■女子力に定評のある亀助
亀助さんは九州に残ります。
「ふゆにも亀助さんがどないに頼りになる方か、ようよう話しときますさかい」
「へ?分かりました!」
こ の 喜 び よ う で あ る 。
女子力に定評のある亀助さん。
照れて首に掛けた手拭いグシグシしちゃって……。
女子か。女子だな?
■お腹の子が教えてくれること
新次郎があさをお姫様抱っこ。
ネタてやってるのかと思ったけど、これまで2回くらいお姫様抱っこがあったので、ここで出てきても不自然じゃない。
というより、「新次郎はいざというときにはめちゃくちゃ動く」ということの伏線だったのかと思い始めてるし、
キャラクター設定がしっかりしてることにすげえなあとしか。
「体は丈夫なほうやと思てたけど、こない苦しいこともあるんやて…きっとお腹の子ぉが教えてくれたんだす。思い上がったらあかんて」
妊婦生活の心構えを語るあさ。
また後ろのうめさんがいい顔してるんだなあ…
■お前たちの判断
「今の加野屋は両替商の看板はあげてるだけで、ここからは何の儲けもあらしまへんなぁ」
正吉さんの言葉、地味に衝撃。
通貨が統一されたとはいえ、両替商がそこまで追い詰められたこと。
メインの歳入が炭坑事業ならば、現場にもう少し人員割いてもいいのではないかとは思うものの。
現代の大企業だって海外の現地駐在員は数える程度。
それに炭坑事業は、当時からしてみれば「大博打」。
炭坑で儲けはある。でも割ける人材はあさと亀助、が限界だったのかもしれない。
加野屋のビジネス面を垣間見る新鮮なシーン。
「そらまあお前たちの判断だすな」
榮三郎、新次郎、あさ、雁助に加野屋の行く末を任せる大旦那様。
アドバイスはするけどあくまで一線引いて、見守る姿勢の正吉さんの『若手人材の育て方』が素敵。
しかしな、ここ。
「これからはおまえたちで決めなさい」と聞いた雁助さんの表情が複雑過ぎてな。
場所を移して店頭に、雁助と榮三郎。
「せやけど銀行が志のあるものに金貸すなんて誰がそないな怪しい話信じます?」
「加野屋も無理して変わらんで、今のままでもっとええ術探したらええんやないかて」
雁助さんの慎重な台詞と頷く榮三郎。
かつて加野屋は大名貸し。
大名っていう名前で信頼できた。
250年それが続いて、いきなり「誰でも!志!」になったらそりゎ困惑するわな…
メタな見方だと雁助さんたち保守的にも見えなくもないけど。
当時からしてみれば2人の考え方のほうが自然だろうし、大阪商人の本音でもあるのかなとか。
■新次郎さんの行間を読む。
そんなこんなで、横で何やら真剣な顔をしていた新次郎に聞いてみた榮三郎。
「異国(帰り)の(五代とかいう)もんやなんて
金輪際(あさに)関係(持たせることなんて絶対に)あれへんて思てたけど、
(五代本人はともかく散切り頭の様な、髷油の匂いのしない)ええもんやったら取り入れなあかんしなぁ」
「えっ銀行賛成なの?」と驚く榮三郎ですが、新次郎が考えていたのはまさかそんなことではなく散切り頭のことでした。
(招き新ちゃん)
これも新次郎の脳裏に浮かんでるのは五代くんかな…五代くんかな…
しかし男らしい女性のあさと、女性らしい男性の新次郎。
歴史的なジェンダーってもんを音をたてて崩してきて、
個性丸出しにしてきた夫婦だから、
この二人の子育ては楽しみっつーか興味深いかも。
■五代くんの行間を読む。
噂をしたら、やってくるタイプの五代くん。
「一体どこに行ってしもたんやろ」
「いやいや(旦那抜きであささんとふたりきりで会えて)よかった」
「(私のあささんが)寝込んだはるて聞いて(また励まそう思ってペンギンの絵見せるついでに寝顔をみようと思って)ましたんやけど、お顔の色ももうよろしいようですな(あささんのお顔なら子供の頃から見てるからな!ばっちりだぜ!)」
「しかしなぁ。あなたが(私以外の男と結婚して、私以外の男との間の子の)母親になるなんてな」
五代くん、ああ五代くん。
■後世に何を残せるか
「子供を産み育てるという事は、ほかのどんな新しい産業興すよりもお国のためになることです」
「私は大阪経済のためにあれを再生させなあかん思てまして、今いろんな人たちの力借りて動いてるとこです」
現代だとナイーブな発言だども、富国強兵の明治の時代だし、なにせ五代友厚(いつもの妖精さんではなく)の言葉だし、スッと入る。
五代友厚にとって子供は堂島米会所ひいては大阪経済。
あさの妊娠と絡ませて『大阪経済の父・五代友厚』に繋げたのかな。
「後世に何を残せるかだけです」
人は皆いずれは死ぬってのは何かフラグかもしれない。
この言葉も『五代友厚』の生き方を強く反映しているのかもしれない。
どちらにしてもあさにまた強い影響を与えるんだろうな。
■落ち武者問題、勃発
五代くんとあさちゃんが盛り上がってますが、ちょうどいいタイミングで新ちゃん、雁助、榮三郎が帰宅しました。
「新次郎様が…榮三郎様も。番頭さんまで!」
しっかりがっつり雁助さんにも触れてるうめさんがかいらしくてもう。
で、肝心の帰ってきたお3方はというと……
見せないんかい!!
どうなってるんだい!!
と「落ち武者問題」が勃発。
「月代はどうなっとるんだ?」
「ハゲ散らかしてんのか?」
「落ち武者か?」
「なんかそれっぽいけどイケメンにみえるヅラをつけるのか?」
「落ち武者ヘアでも、ヘアメイクさんが匠の技を見せるのか?」
(というのも、髷を切って散切り頭にするには実際は2~3ヶ月ほどの期間を要するとのこと。
多くの人は一旦総髪にしてから、散切り頭へ段階を踏んだらしいです。)
てか五代くんも髪型変えてることに、あさちゃん気づいてあげて!!
(でも五代くんが幸せそうだからまあいいか)
■五代さん、普通にしていればかっこいい
本当に忘れそうになるんだけど、
五代さんは普通にしていれば(勝手にあさちゃん関係を補完しなければ)超カッコイイ。
「五代友厚は米商会所を開設。大阪経済復興に貢献していきます」
乾杯してるのはビールかしら。
太陽ワインはまだまだ先かな。
■落ち武者問題、解決します。
「やっと生えそろいましたわ」
落ち武者問題をそうかわしてしてくるとは!!
夏から秋へ時間が経ったことを示し、落ち武者問題を回避。
これで「さっぱりぽん」。
むむう、そうかわしてくるとは思わなんだ。
やるなBK。
■珍しい2人の喧嘩
珍しいふたりのケンカは、あさのお産について。
正吉は「明治は西洋医学のお医者さん」。
よのは「徳川の世だろうといつだろうとみんな産婆で産まれてきた」。
医学史の変わり目もここにあるんだよなあ。
威嚇し合うベテラン俳優www
■給湯室でのオフィスラブを…
「こないなわてに愛想尽かして、実家のある伊予のほうに帰ってしもたさかい」
旦那様たち夫婦の話から、自分が離縁に至った経緯を明かす雁介と、複雑な表情のうめ。
ほんのりビターな中年ふたりの恋愛の行方がとても気になる。
「そ…そないな顔せんといってぇな。昔々の話だすがな。もういっこも気にしてません」
「いや、そうやのうて…」
雁介さんもうめさんももっそいナチュラルに告白してるじゃん!
本人たちが気づいてないだけじゃん!
「わてはこの加野屋に生涯尽くすて決めてます」
「それやったらうちかて同じだす」
うめさんをガン見する雁介さん。
雁介さんをガン見するうめさん。
うめさんと雁介さんをガン見するふゆ。(4連の1枚目)
(ふゆちゃんの立ち聞き位置と隠れ具合がうまい)
娘さんの件に軽くショックを受け、自分自身のその気持ちに気づいて、でも話してくれたことの嬉しさもある。
そんな熟女・うめの淡い恋心の機微がもう素敵。
うめの中の人、友近さんにパチパチ。
うめさんの言いかけたことは何だろう。まさかまだ告白でもない気もする。
■見られてました
「すんまへん、すんまへん!うちお邪魔してしもて」
「先輩もあれこれ言うくせにちゃっかりしてるじゃないですか」と少し嬉しそうな、
あるいは「やっべ、見つかった」と決まり悪そうな、そんなふゆの笑顔が可愛い。
そこに偶然あさも居合わせたもんだから、もうカオス。
でもうめが「あのこと」と機転を利かせて、亀助とふゆの話に。
亀助とあさは大親友だし、あさはお鈍さんだから、もう「うめと雁助が何か話していて、それをふゆが覗いていた」ことは忘れてる。
亀助さんからのお手紙をふゆが既読スルーしていた件を話している横で、
このまぁた複雑な表情の中年2人ががもうもどかしくてもどかしくて。
■安全第一
「もううちだけの体やあれへん。それどころかうちの体でさえのうて、もうこの子の人生が始まってるのやて」
「そうだすか。あんたもう立派に生きてますのやなあ」
新次郎の「あさだけの身体じゃない」と五代さんの「子を産み育てることの意義」を、あさなりにつなげたのかな。
あさの頭の良さを感じると共に、それを支えてるのは新次郎なんだと実感する。
それにしても柔らかい照明がいい仕事してる一連のシーン。
藍之助を可愛がってた新次郎だから本当にややこが嬉しいんだろうな。
本当に早く会いたいんだろうな。
「今のうちにできることはこの子をいかに安全に出したげるかという事なんだす。つまり、安全第一だす」
正吉の推す産科医、よのの推す産婆。
どちらも間違いではないのはこの時も今も変わらない。
でもどちらだけ選ぶでもなく、お産をするのはあさ自身。
「安全第一」を選ぶ、あさの決断。
細かいんだけど診察終わってあさが「動いていいか」と聞いた時。
医者は難産になりそうなあさへの答えに一瞬考える横で、運動を薦めると答える産婆。
産科医と産婆(助産師)が、どんな仕事でどんなお産を手伝うかってのがわかる一瞬。
■義父母の願い
あさの出産を10日後に控えたその日、正吉(大旦那様)が倒れました。
「おい!あさ!」
今井のお父さんを思い出させるような強い口調で、あさを呼び止める正吉さん。
もう群馬から仁先生(花燃ゆのかと…り?)連れてきて!
会津あたりに速水先生(八重の西島秀俊)いるかもしれないし!
東京のほうに進藤先生(るろ剣の斎藤一)もいるかもしれない!
あと悠太郎さんは早く地下鉄作って!!(混ぜるな
「特にあの榮三郎な。いやいやあいつはええ子やねんけどな。気の小さいところもあるさかい…」
「私は…ドンとしたお父ちゃんのままでいたいんや。あいつらにこんな情けないとこ見せとうない…」
二度目の発作の波の最中、本当に命を振り絞るように。
「お父さん」、それから「七代目」としての強い言葉。
榮三郎は気付いたら成長してたけど、正吉やよのから愛されて育ったんだなって。
「おまえどうした」というおどけも、不安な心を表してたのかなって。
「医者でもお産婆さんでも何でもええさかい。頼むわ。
無事産んで、孫の顔あの人に見せてあげて。頼むわ!なあ!」
よのさんは知ってたんだ。
あさも少し勘付いていた。
襲名披露のあと「お父さんどこか具合悪いんですか」「さすが女の勘ですね」みたいなやりとりしてたけど、これだったのか。
姉妹の約束を思い出すシルエット。
誰かが産まれようとすると、誰かが死ぬのが朝ドラのセオリー。
はつのところに藍之助が生まれたら忠政じいちゃんが亡くなって、
あさのところにやや子ができたら、今度は正吉さんの番。
生と死どちらが先かわからんが、よのさんの願いは叶えて欲しいと思った。
■うまれた!
そんなしんみり終わった火曜の翌日。
あさの出産アバン。
新次郎、耳だけ立ち会い出産。
覗き見できなくもないけど覗き見しない新次郎が紳士なのか、それとも見る勇気がないのか。
どちらにしても障子がいい仕事してる。
シンクロする新次郎とあさ。
つられて息んだのか呼吸の荒い新次郎に「いいから落ち着け」とお菓子渡す正吉さんや新次郎の表情。
サイレントでなんだか可笑しかったww
うま
れた
!!
(´-`).。oO(発音指導に使いたいくらいわかりやすい口の形してんなあ。)
■加野屋新喜劇
加野屋新喜劇、スタンバイ用意OKです
「どうぞお待たせ申しました」
「キタ━━━(゜∀゜).━━━!!!」
新次郎、テンション振り切ってこの顔である。
ディフェンスに定評のある正吉さんとよのさん。
新次郎ああ新次郎…
「これ考え直さなあきまへんなあ」
正吉さんが出したのは男子の名前リスト。
……ん?「正蔵」?それあんたや。
「ほら、おでこと鼻筋がお父ちゃんに似てへんか?」
「へ?私!」
榮三郎に話を振られて正吉さんのガードが緩んだ隙。
赤ちゃんに近づこうとするも、よのさんの鉄壁を越えられない。
新次郎ああなんて新次郎。
■まだまだ加野屋新喜劇
「お猿さんみたいに小ちゃいのに誰に似てる似てへんもありますかいな。そろそろわてに抱っこさして…」
と新次郎ターンが来るかと思ったら、従業員ズ乱入。
よのさんは「邪魔じゃないからどうぞ」と言うものの、新次郎の顔がwww
「早見たって見たって!。よろしいだすか?!」
「ペッペッ!」
「あかん!!!!!!」
「お父ちゃん!頼みます!!
ちょっとでええさかい、あさと2人に…いやこの子と3人にしてもらわれへんやろか?」
ようやっとキレ気味の真顔から、はんなり新次郎に戻りました
■新次郎も、お父ちゃん
「ほら、お父ちゃんに抱っこしてもらいまひょね」
やっと赤ちゃんにたどりついた新次郎。
でも弥七たちまだいる。
で、障子の向こうでかのさんに「その手!汚い!」って怒られてる、多分。
障子の開け閉めや影がいい仕事してる加野屋新喜劇。
やっと抱っこできた新次郎。
言葉はないけど嬉しそうな表情。
今日の新次郎は表情変化が面白いなあ。
「新次郎様、おあさ様。本当におめでとうございました。ごゆっくり」
最後に出てくのがうめってのがいいんだよなあ。
幼い頃からあさと一緒にいて、新次郎とも一緒に九州まであさを迎えに行って、誰よりも頼りになるうめ。
■出てきてくれはりました
「これがあんたのお母ちゃんやで」
「わてがあんたのお父ちゃんや」
そういえば藍之助が新次郎のことを「お父ちゃん」と呼んでたこともあったっけ。
なんとなく惣兵衛の父性を思い出す。
「やっと会えましたな」
「よう出てきてくれはりました」
あさと新次郎のおかしな夫婦関係、妾騒動を乗り越えて、悪阻がはじまり、出産への心構え…
夫婦の様子が丁寧に描かれたから、あさの「よく出てきてくれた」にジンワリ。
■白岡千代
「この先1000年もそれからもずーっと先の方までも栄え続けますようにと願うてつけましたんやで」
「千代。あんたは千代ちゃんや。おじいちゃまがお名前付けてくれはりましたんや」
祖父母から孫へ最初のプレゼントは名前、なんて昭和臭いって言われそうだけれども。
五代さんの言葉を考えると、名前もまた後世に伝えるもの。
■おじいちゃんとおばあちゃん
「わても出たらええのに」
「私はもう出まへん」
母乳が出る出ない、と優しい冗談を言い合っている正吉と新次郎。
もしかして母乳が象徴してるものって生命力なのかなと。
正吉の病は心臓。
もう自分に子供を育てるまでの生命力はないって覚悟してるのかな……
「女の子やったら出来のええ男はんを婿養子にもらうという手がおます!」
女児ということで浮上した後継問題もすぐに解決。
大阪の商家は血筋そのものにはこだわらないって何かで読んだ気がする。
■榮三郎と雁助とあさ
「若旦さんは銀行には乗り気やないんだすのやろ?」
「今のわての力でお姉さんの意見に勝てますかいな」
榮三郎もフラグもいうか不安因子か。
榮三郎が実は気が小さいってのも納得。
「奥さん」としての役目もこなし、お世継ぎとなる千代を出産し、経営を実質支えているあさ。
しかも大旦那様の正吉からの絶対的信頼。
いくら8代目襲名の実質的な後継ぎが榮三郎だとしても、あさにはまだまだ追いつかない。
「あさにこんなにさせて大丈夫なの?」
という不安は、『あさをスーパーウーマンに描くのはやめてほしい』というものでしたが。
まさか『榮三郎への影響』という形で露呈するとは。
「お前だけはこれからもわての味方でいてくれますな」
「へぇ……もちろんだす」
雁助さんがどう立ち回るのかとても気になるんですが、目力と迫力すごいんです。
………。
誰ですか?
雁助役に、山内圭哉さん起用しよ!って決めたの誰ですか?
名乗り出てください。金一封差し上げます。
■すれちがう命
千代の顔をみながら、正吉さんが見せた一瞬の顔。
千代に出会えた喜びだろうか、あるいはお嫁にいくまで傍にはいられない悲しみなのか。
日差しは夕暮れかな。
若い命、老いた命がすれちがう瞬間なのかな。
■そのころ、おはつさんは
チャンネル銀河で再放送中の『篤姫』より。
CSのほうから出演依頼がありましたので、少し時空ワープして幾島さんからスパルタ指導を受けておりました(混ぜるな
あさやよのさんの右斜め上をかすめていく篤姫の墨芸ひどいwww
■おまけだぽん。
(時代は違えど花粉症の時期にマスクの下でよくやってるとは言いにくい)
コトリ「ナイミツニナ!ナイミツニナ!」
「今井銀行、開業へ」の新聞記事。
ルビまで歴史的仮名遣いが使われていることに猛烈に感動。小道具さんたちにパチパチ。
「(あの道楽旦那め、もう帰ってきやがって)」
本音が顔に出ちゃった五代はん。
ぬか床「呼びました?」
お面つけてもつけなくてもあまり変化のないかのさん。
【後半】
→『あさが来た』11週その2.名探偵のご活躍のあとは、昔話でもしようか。
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