妄想ジャンキー。202x

人生はネタだらけ、と書き続けてはや20年以上が経ちました。

ドキュメンタリー『桜の花の咲く頃に』

2005-12-09 22:23:06 | テレビ
『桜の花の咲く頃に』


北海道の最果て・別海町に生きる若者を追ったフジ系列のドキュメンタリーです。
第1回日本放送文化大賞グランプリ受賞作品であり、平成17年日本民間放送連盟賞最優秀賞をダブルで受賞したドキュメンタリー作品。

撮影クルー2人のうちのひとり、企画演出を手掛けたのは横山隆晴氏。
『白線流し』『小さな留学生』『ドキュメンタリー北の国から』などの名作を手掛けた方です。

ドキュメンタリーの主役は、別海町立別海高校の高校3年生と、それを見送る教師。

最愛の父をなくしながらも、バレー部全国優勝を目指す少女。
吹雪の中新聞配達を続ける少年。
漁師への夢を諦めない少年。
予備校も塾もない町から北大を目指す少女。
10年間別海高校で授業を続ける教師。
別海を出て東京で英語の勉強をする少女。
親の反対を押し切って酪農の大学へ進学する少年。
週末夜行バスに飛び乗って遠い札幌の講習へ通う教師。


父を事故で亡くしてもバレー部の主将を勤め、全国大会まで出場した女の子の話。
東京の体育館で行われた決勝戦。
北海道代表の別海高校は惜しくも敗退。
その瞬間に彼女が泣き崩れて。
父親の遺影が写って。

長い受験生活。予備校も塾もない。
看護学校を目指すが、滑り止めの私立など受験はできない。
1校、2校・・・。
合格通知の速達。
彼女の笑顔。

別れの春に流れる涙と沸き起こる拍手。
やがてくる新しい季節。

「こんなに意思が強く頑固な人を見たことがない」
「今だけは譲れないときだ」
「つらいこともありましたけど、楽しかったです」
「3年間最高だった」
「光を当てられて輝くんじゃなくて、自分から輝く」

オホーツクの大自然と、あまりに短い夏。
過疎化の進む酪農の里。

淡々と、淡々と時が刻まれ、そこに映像作品としての作り込みはあまり見られません。
しかしそれが胸を打ちました。

この胸に流れる熱いもの、何かに似ているなあと考えた時、それは『北の国から』でした。
もちろん『北の国から』はドラマで、『桜の花の咲く頃に』はドキュメンタリーという大きな前提の違いはあります。
違いはありますが、どちらの作品も画面いっぱいに映るのは北国の大自然、そして主人公は北の大地でひたむきに生きる人々です。

北の大地にふんばっている人達がいる。
純粋な笑顔と涙。
私も頑張ろう、と力がこみ上げてくる。

そっと背中を押してくれる、優しい応援歌みたいなドキュメンタリー。
そんな作品にまた出会えるといいな。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 秋の帰り道。 | トップ | やりたい放題JK »

コメントを投稿

テレビ」カテゴリの最新記事