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『新・映像の世紀』4集、未公開映像で明らかになる秘密と嘘。

2016-01-25 16:06:08 | テレビ
先日1月24日(日)、NHK総合で放送された『新・映像の世紀』、第4集「世界は秘密と嘘に覆われた」のネタバレ感想です。

第4集。秘密と嘘に覆われて、憎しみを生んだ、嘘の時代。





何を信じていいのか分からなくなる時代。




※あくまで個人的な感想です。
 「うわあ」とか「ひゃあ」とか「はあー」とか言ってる視聴者のつぶやきです。
 一部閲覧注意のキャプチャ画像があります、ご注意ください。




関連リンク

「新・映像の世紀」シリーズ

『新・映像の世紀』第6集、「映像に託された意味」が問われる「新しい映像の世紀」
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■CIA



「ソビエトの秘密警察KGBは史上例を見ない邪悪な組織です。
 我々CIAにはしかるべきモラルがあります。
 私の知る限り、CIAは誘拐や暗殺はやっておりません」


ウォール街の弁護士だったアレン・ダレス長官がKGBを語る。
彼が率いるCIAは「私の知る限りCIAは誘拐や暗殺はやっておりません」と。



■核戦争


 
「ソビエトは、原爆は4年後に、水爆は3年でアメリカに追いついた」

大戦中、すでに原爆開発のアメリカの秘密基地(ニューメキシコ州、ロスアラモス)にもスパイは潜んでいた。
盗み出された最高機密、原子爆弾の設計図。
ソビエトの原爆実験は1949年、水爆実験は1955年。




大戦中からのスパイ戦の話が少し触れられましたが、多分これの話でしょうね。



第二次世界大戦末期、原爆開発をめぐり、米独ソ日で熾烈な諜報戦・スパイ戦が展開された。
その実態はこれまで長い間謎に包まれてきた。
しかし今回発掘された史料や関係者の証言などから、世界を股にかけた暗闘の驚くべき全貌が浮かびあがる。


「KGB記録による再現映像」で、「日曜洋画劇場か」って思うくらい超豪華な再現ドラマ。
あと「……え?脚本家誰?」って言いそうになった。
個人的に2015年のNスペの中じゃ5本の指に入るNスペです。
(詳しくはこちら→NHKスペシャルの感想まとめ。スパイ戦、兵馬俑、三内丸山などなど。



■元売れない俳優、元FBIのスパイ、そして




赤狩りの格好の場となったのはハリウッド。

そこでいきなり脚光を浴びた売れない俳優、ロナルド・レーガン。
驚くほど赤狩りに協力的だった
その正体はFBIのスパイ。



「ハリウッド俳優組合の記録映像」
「政府を批判するものを密かに監視、FBIに密告した」



右側がレーガン、中央がウォルター・ピジョン議員。



■エイジャックス作戦


「スターリンが去ったその年、アメリカはひそかに海外の政権転覆を狙った秘密工作を進めていた」
「ターゲットはイランだった」



 
「イランは主権国家として、当然の権利を行使しているだけです」


モサデク政権自体は共産主義政権ではなかったものの。
ソビエトの支援を受けたイラン共産党がここぞとばかりに支持をした。

そこではじまるエイジャックス作戦。
モサデク政権を倒す秘密工作。


 

 

「アメリカはイランが共産化し、石油がソビエトに奪われることを恐れた。」



スターリン死後の世界。
アメリカが秘密工作を行っていた先は、イラン。
英国諜報機関と共謀。
共産化するモサデク政権を転覆させる。


エイジャックス作戦。

うーわー……
なんで他の国のことに口出すん…と思いつつも、でもそれが歴史なのだと。
これは映画でも小説でもない、脚本家はいない、現実に起きていたことなのだと。

それから26年後、か。



■監視社会


異常な監視体制が敷かれる東ドイツ。
その中心を担うのがシュタージ。


 

「西ドイツの親戚に連絡を取っただけでひそかに監視される女性。」


このへんの話は、マスターキートンかMONSTERにもあったような気がします。(どうだったかな)
とにもかくにも監視社会。
やだなあ。



そんな監視記録の公開のあと。

「密告者が夫であったことを知った」
「密告した者もされた者も心を病み、親子・兄弟・友人の人間関係を破壊した」



監視記録の情報公開によって破壊された人間関係。
公開なんてしなければよかった。
そもそも監視なんてしなければよかった。




■キューバ危機




キューバに誕生した共産政権。
アメリカの武力侵攻を恐れたカストロが、ソビエトのフルシチョフに援助を求める。
そのキューバに送り込まれたスパイ。

 

ソビエト軍参謀本部大佐のオレグ・ペンコフスキー。

しかしKGB側もその正体に気付いていて、ペンコフスキーを泳がせた状態でアメリカの動きを探ろうとする。


そして核ミサイルが発見、準戦時体制、海上封鎖、暗黒の土曜日…

メンタル弱かったら胃に穴開いてそうな時代だ。



■あとは大統領の攻撃を待つばかり


そのころ沖縄では。

 

 

沖縄に持ち込まれた1300発の核弾頭、32基の核ミサイル。
射程距離内にソ連と中国がある。
あとは大統領の攻撃を待つばかりだった。




「東側」に先制核攻撃をしかけようと進言したのは、カーチス・ルメイ。

カーチス・ルメイ……よく聞く名前。
東京大空襲を指揮、名古屋空襲、大阪空襲、原爆投下などなど。
……でまあ色々とあるんですが、一番びっくりなのはこの方、1964年に当時の航空自衛隊から勲章もらってるの(このとき第1時佐藤内閣)


上げるほうも上げるほうだけど、もらう方ももらう方だし……

なんだかなあ……






■危機回避


ご存知の通り、第三次世界大戦は回避されます。


「アメリカが今後キューバへの武力侵攻をしないという条件で、両国は合意にこぎつけていた」

「大統領が危機に冷静に対処できたのは、ペンコフスキー文書のおかげだ。世界の運命を左右する決断に、機密情報がこの時ほど威力を持ったことはない」




こえええ。
そらへんのホラーよりミステリーよりこえええ。




■ベトナム戦争…?


「戦争の悲惨さを伝えるためにこれから遺体の映像が出てきます」


というテロップが左下に表示されました。
そのとおり、目を覆いたくなる光景が続きます。



うん、これは……。

……でも待って。

すごいな、このベトナム戦争。

テト攻勢も、ダナン上陸も、北爆も、トンキン湾事件もない。


時間の都合上、とはわかるんだけども。
冷戦下におけるスパイ戦とキューバ危機が見ごたえあっただけに、ベトナム戦争はわけてほしかったなあという印象。



ちなみに旧版では「ベトナムの衝撃」とまるまる1集使ってます。

「ベトナム戦争は、戦争の生々しい映像がテレビで伝えられた初めての戦争でした。
 人々は茶の間で、ほとんどその日のうちにその日の戦闘を見ることが出来たのです。」


という冒頭、山根さんのナレ。
そういう意味で『映像の世紀』が一気に現代に寄る集だったんですね。



(→旧版「映像の世紀」はこちら:【一挙再放送】明けましておめでとう『映像の世紀』、おせち料理だよぶっつづけ放送【一部閲覧注意】



■そのころ沖縄では。




米軍の極秘訓練。
沖縄県民をベトナム兵と見立てた戦闘訓練が行われていた。



ひっでえ話。
なんなんそれ。
実弾使ってないとかそういうもんだいじゃないだろうが。


沖縄に核ミサイルが配備されていたキューバ危機。
沖縄県民がベトナム兵になりきった訓練が行われたベトナム戦争。


ところでこの『新・映像の世紀』第4集、地上波本放送の1月24日。
沖縄県宜野湾市で市長選挙が行われ、その開票速報が画面上部にテロップで出ました。
辺野古移設をめぐる「代理戦争」と目されたこの市長選、当選したのは現職の佐喜真淳氏。
このテロップとあわせて考えると、すごく胃が痛くなる話です。





■そしてCIAが生み出したもの


FBIがキング牧師に、自殺を勧める手紙を送りつけるというこの異常さ。

キング牧師は「長生きしたい」と言っていたその真意は、こんなゲスいところにあったのでしょうか。

もっとゲスいのが



アフガニスタン紛争の際にアメリカが支援し、CIAが訓練したムジャヒディン。
後に同時多発テロでアメリカを恐怖に陥れる若き日のウサマ・ビン・ラディンがいた。




ここで冒頭を振り返ると


「我々CIAにはしかるべきモラルがあります。私の知る限り、CIAは誘拐や暗殺はやっておりません」


CIAにはじまり、CIAに終わる。嘘と秘密の世界

陰謀論好きってわけじゃないんですが。
もう庶民感情で言うと
「言ってることとやってること、しっちゃかめっちゃかじゃん!」と。



でもそれって、2016年でも大差ない。



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そういえば。

「そのころ日本は」がびっくりするほど削がれてますよね。
時間の都合?構成的なあれ?

まあ、新発見映像や山田ボイスなどなかなかよくなってきたので、深い意味はないと信じたい。


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