とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

ザンデルリング/ドレスデンフィルのベートーヴェンの7番に脱帽

2015年07月05日 | 所沢ミューズ

 今日は久しぶりに、ベト7とブラ1のそれこそリズム感とメロディーメイクのオーケストラの実力測定プログラムのコンサートに出かけた。気になったお客の入りはこの時期としてはまあまだろう。でも今日の演奏ならはSold outになってもおかしくない出来だったのだが?

最初のベートーヴェンは楽器配置がいわゆる古典配置だ。指揮者に向かって 1Vn、ーVc-Va-2vn 1Vnの後ろにCbの弦楽器配置、そしてティンパニーは最右手に2つのドラム。演奏が始まるや、1VnがVcとCbの支えを受けた上に躍動する。そしてティンパニーが乾いた響きを奏でる。これまで耳にしたことのないベートーベンの響きだ。家に帰って、すぐに古楽演奏の7番を聴いた。ハノーバーバンド、フィリップ・ヘレヴェッツとロイヤルフランダースフィル、ヤルビとドイツカンマーフィルブレーメンそのいずれもと違い問題ならないくらいドレスデンフィルの響きが素晴らしく、かつ躍動感のある演奏だ。しかも木管楽器ののソロパートがうまい。正にティンパニーに導かれた木管の響きはワグナーが「舞踏への聖化」と呼んだにふさわしい演奏だった。演奏を聴くまでは正直ドイツの2軍オケぐらいの先入感でいたがこの7番は素晴らしかった。若い人も多く、指揮者のミヒャエルも親父のクルト・ザンデルリンクのイメージとは正反対の「かっこが良い」スマートな指揮ぶりで、今後に注目したい。

 休憩をはさんで後半のブラ1はベト7の素晴らしさで期待が膨らんだが、こちらは結論から言えば、演奏が荒く親父を超えるには大分距離を感じた。休憩時間に舞台では楽器配置の大移動がなされ、通常配置に戻されたのだが、その分1Vnの技量が全面に出て来て、弦楽器の「艶」が足りないと思った。ベト7には乾いた響きがふさわしいかったが、ブラ1にはしっとりした艶のある響きがほしかった。その点では親父のクルト・ザンデルリンクとドレスデン歌劇場管弦楽団の演奏にはまだ大分隔たりを感じた。 アンコールはすぐに大太鼓の演奏者が出てきて、ハンガリアン舞曲でもやるのかと思っていたら、ウイリアムテル序曲でびっくりした。これまたリズム感の躍動する素晴らしさと迫力を感じ、このオケと指揮者の良さは躍動感のある音楽と理解してお開きになった。弦楽器には日本人と思しき人も交じり、若手が多く今後に期待はできそうだ。ベト7の素晴らしさで元が取れたコンサートだった。

 私の手持ちと推薦盤

推薦はNo.11の1986年来日時のNHK録画版。この躍動感を超える演奏はいまだ未聴。私の好きな演奏は塗りつぶし枠。No10-12&No16-17。クライバーの汗だくの指揮ぶりに対して、比較すると面白いのが下記の演奏

No.22 ほとんど動かない指揮ぶりで、片手の上下運動で全曲を終えるがそれでもリズムの躍動感のある演奏が可能なことを証明している。

No.2 時計のようなリズム感。なぜか正反対なクレンペラーの第九のおまけに付けた7番が皮肉で面白い。(クリックするとおおきくなります。)

ブラームスの1番

推薦はNo.20 ブラームスの1番をすでにこのBlogで2009.10.27付けで掲載してますので参考にしてください。

ベームは音だけのが良い。映像は音楽を邪魔する。カラヤンも同様で映像は醜悪ですらある。反面サバリシュの映像からはいかに弦楽器から艶を引き出すかが見てとれるのが面白い(No.30-31)

No.28 親子の差が歴然とする演奏。もっともオケの違いも大きいものと思うのだが。



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