とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

所沢ミューズでゲルギエフ&マリンスキー歌劇場管弦楽団を聴く その2

2017年12月12日 | 所沢ミューズ

 

私の手持ち

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3枚のCDでデュティーユのメタボール含む彼の交響曲全曲と管弦楽の主要作品が聴ける。指揮者ハンス・グラーフはモーツアルテウム管弦楽団と、マリア・テーポ、エリックハイドシェイクとのMozartのピアノ協奏曲20番の超名演を残したあと、この全集のCDを出した後の消息が定かでないが、いずれにしてもこのCDはデュティーユの管弦楽作品をまとめて聴くにはこれしかない。

私の大好きな指揮者シャルル・ミュンシュの音源集めに購入。オネゲル、ルーセル、デュティーユとフランス近・現代作曲家の作品を集めたもので、ボストン交響楽団をやめてフランスに帰国後の録音。いずれも、爆演のミュンシュが影を潜め、至極真っ当な、らしくない演奏だがこの曲の唯一の録音。

 ①これはスイス・イタリア語圏放送局所属のルガーノに本拠を置くオーケスストラの演奏会中心のライブ録音CDで、値段の安さ、(10枚組CDが1000円前後)と巨匠のLIVEが聴けることから、何組か所持している。このCDはウト・ウギの折り目正しい演奏が聴けるが、私は、ハスキルとグルミヨーのMozartのK.488が、1000円でLive録音が聴きたくて購入したおまけ。

指揮者バルビローリの歴史的録音を集めた10枚組の廉価版、だがここでのバルビローリの役目は、偉大なソリストのオケ伴指揮者としての録音だ。その中でもこのハイフェッツとの演奏は、白眉。36歳のすでに国際スターだったハイフェッツの技巧がさえわたり、録音の悪さを吹き飛ばすが、その後⑥が初期ステレオ録音が出たことで、役割は消滅した。

チコフスキーコンクール優勝から10年。国際的スターとしての凱旋公演、これはミョンフンの演歌的伴奏が私は引いてしまう。

バイオリンのシェリングがかすんでしまう、ミュンシュの爆演。ヴァイオリン独奏付き交響曲。

1980年シベリウス、1982年チャイコフスキーコンクール優勝後に亡命し、このCDにより国際舞台に再登場した記念碑的録音。世界のオザワの国際的なベストセラーになった名盤。オザワの優れたサポートから繰り出される透明度のある音色は、今もってこれを凌駕するものはないと思うほど美しい。

 Theis is the Heifetz このCDは、超精密機械のごとくオケとソロが一体となっての演奏。ライナー指揮する当時のシカゴ交響楽団の力量のすごさも驚くが、やはりハイフェッツの技巧のすごさを感じる演奏。また②の演奏から戦前、前後のエレクトロニクスの進化の見本が聴ける。

⑦と⑧は同じ音源。⑦は当時のソ連時代のTV放送技術の遅れが如実に表れた代物。音声と、映像がアンバランスで、オイストラッフの生演奏が見られるだけのDVD。

映像の汚さがない分だけ、音楽に集中できるが、さほど感銘は受けなかった。

約10年前のテルミカーノフとサンクトペテルブルグフィルと演奏会本日の演奏との差は

 樫本大進と山田和樹の日本人のホープが来日オケを使っての共演。教科書的演奏で私には物足りなかった。

 

ワグナー「パルシファル」より第一幕への前奏曲

 

 ①2011年のバイロイト祝祭劇場のLive。舞台そのものは近時のバイロイト音楽祭の専売特許化した読み替え演出が、どうしょうもない方向に行き、演出が音楽を邪魔するが、特に前奏曲でも演出が出しゃばり、訳の分からぬ演技を子役に無理強いをするが、ワグナーの指示通り目をつぶれば、ジョルダンの透明感のある響きがバイロイトの独特の地底から湧き上がる響きが美しい。前奏曲だけであれば評価はできる。

正に半世紀前の、「歴史的録音」今でも「レコードXX」なる雑誌での、「歴史的名盤」としているものだが、私はこの宣伝文句と「PHILIPS GREAT  RECORDINGS 50」のふれこみにWagnerianとしてのくすぐりを受け大枚を投じたが、正直購入後、全曲を通しで聴いたことは数えるほどだ。「絵のないオペラはおぺらでない」。前奏曲だけでも、①とは真逆でそもそもこの人の響きは美しくない。これを某雑誌のかつての評論家は「ドイツ精神あふれる演奏」と評した。

都内から、所沢に越してきたときにBS放送が始まり、当初はアンテナを立てていたが、あまりにも雷が多く、あわてて、ケーブルテレビのサービスが開始されるや即J-COM所沢に加入した。 当時Sky-Aは早朝・深夜にクラシック番組が流れていた。もちろん仕事の関係で早朝深夜に聴いたわけでなくタイマー録画しDVDに焼いた。その中にこのDVD同様にお宝映像が数多くあった。これはのちに正規のDVDとして市販されたが、今では忘れられた指揮者となったエーリッヒ・ラインスドルフが素晴らしい指揮者であった証拠の映像だ。パルシファルの舞台から彼の編曲による、まさに50分弱にまとめた1曲の交響曲のごとき作品に仕上げ、当時の南西ドイツ交響楽団をそれこそベルリンにも匹敵する濃密で豊かな響きを生み出した演奏だ。映像の粗さは時代ゆえに仕方ないが、音がモノラルなのが悔やまれる。

全曲オペラ?としては、最後まで付き合える演出と音楽だ。むしろ前奏曲での評価ではなく全曲オペラとして鑑賞できる。特にマイアー、サルミネン、ハンプソンと役者がそろい舞台が楽しめる。これはなぜ正規の市販品が出なかったのか疑問だ。

ベルリンフィル創立125種年記念演奏会をベルリンのケーブル工場内で行った5月1日ユーロ創立記念日のヨーロッパコンサート。画面を見ると非音響的な場所で、よくこれだけの音が拾えたと、音楽以外で感心させられた。それだけ

音は5.1チャネルでないが、また映像は、4:3の古いTV画面だが、私の手持ちの中では、前奏曲も、全曲においても、唯一受け入れられるもの。歌舞伎の言うところ勧進帳的な、歴史を踏襲した演出と伝統工芸的な、「古さ」がなぜ悪いと言わんばかりの信念があふれる舞台に納得できる出来栄え。Deagostiniの規格の中では、いくつか拾い買いをしたがその中でも一番と思う。

1959年、半ば引退していたワルターをステレオが開発されたことから、商売になると読んだCBSが、高齢のワルターのために居住地のハリウッドに、音楽家を集め、コロンビア交響楽団なるものを作り録音したもの。メンバーの不ぞろいをCBSの放送技術を駆使して編集したもの。私のクラシック音楽にのめりこむきっかけは、ステレオレコードとして当時「運命+未完成」ベストセラーLPの購入からだ。ユダヤ人のワルターが、ナチスによりウィーンを追われ、亡命先の地でナチスが神格化したワグナーを演奏するのはどうゆう心境だったのだろうか?このCDは、パルシファルを除くと、ワグナーのロマン派としての作品が主流でそれはワルターの感性にマッチした音楽となっている。

このCDは著作権切れの音源を集めたもので、したがっていずれもがモノラル録音だが、いづれも1926-1935年の放送音源だと思われるが、それなりに聴くことができる。ちなみにパルシファルの前奏曲は1927年録音ながら、AMラジオの音程度には聴ける。

 

 スイス・イタリア語圏放送局所有のLive録音。1958年に好きな指揮者カレル・アンチェルが西側に初めて紹介された、記念碑的な演奏会の録音。ドボルザークの新世界と抱き合わせで、どちらも歴史的名盤といえるが、録音はモノラル。

当時はわが国では「幻の名指揮者」と騒がれたが、正直、だらけた演奏に思え、昔も今も私はあまり評価はしていないし、日本の評論家がこぞって絶賛した「精神性」が今もって理解できないでいる。指揮ぶり格好もよいものではない。

 ②とは真逆で、感性あふれ、モノクロ映像でありながら音楽の色彩が豊かで、カラー映像のような錯覚すら覚える。曲ごとの解釈の相違が明確に聴ける名演Live。オケの表現力も素敵な素晴らしい演奏。その姿が見られるのもうれしい。わたしの超推薦版

③ウィーンシェーンブルグ城コンサートのライブ。本日の実演が数段優。色彩感が感じられず、ゲルギエフらしくない演奏。オケが悪い。

映像でないのが悔やまれるが、録音を含め色彩感豊かで、私の手持ちのCDの中では推薦盤。

強弱のメリハリが明確で、荒削りの迫力ある演奏は魅力に富む。原曲のニュアンスをストレートに出した演奏でラベルの色彩が薄れた演奏。

ロシア人クーゼビツキーの残したボストン交響楽団との遺産。それだけの価値

 私の大好きな指揮者マルケヴィッチの(旧)日本フイルとのLIVE。当時のフジTVの録画がいかにも時代物の映像だが、映像で見られるのはファンとしてはありがたい。

フルトヴェングラーの後任として候補にあがり、1953年ー54年の間にたびたびベルリンフィルに招かれたときにグラモフォンが商業録音として、まとめてLPとしてマルケヴィッチを売り出したもの。曲の組み立て、音の色彩感は作曲家の目線で捉えた名盤だが、mono録音。ただし古さは感じない。

第二次大戦中は反ナチパルチザンとして、戦後はイタリアでのコミュニストとして政治にかかわったことから、商業録音界からは敬遠されたが、当時の東ドイツでのゲバントハウス管弦楽団との商業録音。我が国では話題にも上がらなかったが、「ロシア人作曲家」としての目線と、ラベルの管弦楽編曲を原曲面を強調した演奏でジュリーニ盤の対極にある演奏。私の一押し。

⑨と同時期の録音で、ベルリンフィルとの定期演奏会の翌日後にLive放送用の演奏会録音テープをもとにしたもの。録音の音そのものは⑨に劣るがLive感をあまり感じないのがマルケヴィッチの才能か?

フランスでの子供コンサート(小学生ぐらいが対象)Live。オケとロックバンドとが交互に演奏するのを子供たちが「ノリノリ」で聴いている表情が素晴らしい。音楽はおまけ

 

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