とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

パヴァロッティーを偲ぶ

2008年01月06日 | クラシックCD
入院中もそうだが、時間があるときしかオペラをゆっくり楽しめない。今度の年末年始は家にいたので時間ができた。2007年に三大テナーの一人パヴァロッティーが死んでしまった。三大テナーではダントツでドミンゴが好きなので、パヴァロッティーの手持ちの映像は多くない。彼の持ち歌を聴くには彼のデビュー30周年コンサートがいい。ここでの彼はオープニングのトスカ「妙なる調和」から始まり彼の当たり役のアリアを披露してボエームの「冷たい手」で終わり、最後は参加者の乾杯の歌でガラコンサートは閉じる。彼の美声がたっぷりと味わえる。ここでは映像の意味はあまりないが彼の絶頂期とは言えないまでも彼の良さが十分楽しめる。
彼の絶頂期のものとしては、「リゴレット」を見た。しかしここでは「女心の歌」しか見せ場はない、リゴレットとモンテローネの二役を演じたヴィクセルの影に隠れてしまっている。余談だがリゴレットもプッチーニのジャンニスッキャチの「私のお父さん」同様アリアだけが一人歩きし、ストーリーとのギャップが大きいオペラだと思う。
最後にメトロポリタンの「道化師」を見た。このプロダクションの主役はテレサ・ストラータスだ。この時の彼女は「外套」でドミンゴを相手にし、一晩で二大テナーと四つ相撲を演じた。あの小さな体で大男を相手に負けない声を出すのだからすごい。
彼女とドミンゴとのスカラ座での道化師との比較で言えば、彼女の声の出来はスカラが上だが、バヴァロッティーとの演技ではメトに軍配を上げる。またこの映像がなぜ日本で評判にならなかったのかが不思議でならない。
今回は見なかったが女性陣の豪華さで、パヴァロッティーが脇に押し出されてしまった「イドメネオ」も彼の全盛期の声が聞こえる。いずれにしても時代を築いた者が去っていった寂しさが残る。


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