とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

シェリングのベートーヴェンのバイオリン協奏曲をN響アワーの録画を観て

2014年05月25日 | クラシックDVD/CD

 退職して、カミサンからは常日頃、「自分のごみは整理して死んでね」と露骨に言われ、すでに単身赴任中に書籍、大量のオープンデープとオープンデッキはとっくに処分され、CDがあればLPはいらないでしょうとばかり第一弾の矢が飛んできた。LPはCDより音がよいとばかりに防戦し、24bit96kHzへのPCオーディオ化を試み延命したが、最近ではレーザーディスク、ビデオの処分要求の第二弾が飛んできた。LDはプレイヤー自体が市場から消えたことから、退職後すぐにDVDとダブるものは処分、その他はBD-DL5枚に移し替えたが終了した。しかし、ビデオは量が多く、機械的な移し替えができず、1本毎に見ると其の画像に引き込まれてしまいなかなか進まない。そんな物の一つに「N響アワー」の録画があった。

 先日は1984年来日のヘンリック・シリングとN響とのベートーヴェンのバイオリン協奏曲に釘付けになった。録画はETV40周年記念と称して過去に放映されたものの再放送だった。したがって私は録画したときが初めてだった。正直あまり印象に残らず忘れていたというより、すでにシェリングの名演奏はCD,DVDで所持していて、今更N響でもあるまいとの潜在意識のなせる技だった。65年のCD,68年のDVDは上り坂の時代のエネルギーに満ちた演奏で、特にCDの演奏は手持ちの中でもスケール感の大きい構成がしっかりとした演奏で、イッセルシュテットの指揮も見事で私の一押しで、オケとの四つ相撲の名演奏だ。しかしN響との演奏は、終始、自然体。それでいながらスケールは大きく、音の広がりもあり美しい。まさに歴史に残る演奏だと思った。

私の手持ちあれこれ

DVDではシェリングは音も映像も貧弱だが、アンチェル最後のチェコフィルとのプラハの春の歴史的価値がある。掘り出し物はグルミヨーとドラティーのベートーベンだ。画像は古いがここで聴くベートーベンはドラティーのサポートが見事で、私の好きな指揮者マルケヴィッチに近い音楽作りがなされ、きっちりとした土台の上にグルミヨーの美音が響く、それが自然に融け合い心地よい

 

 LPでは シェリングの演奏を受け、手持ちのLPをこれを機会に24bit96kHzにPCオーディオ化した。そうした中で、学生時代に最初に手にしたオイストラフとガウクのLPはとにかくベートベンのヴァイオリン協奏曲が聴きたくて当時ステレオで最安値だった850円のバーゲンで入手した。正直バイオリンは左手、オケは右手に分かれて聞こえ不自然な録音に不満を感じたが、私の最初の1枚だった。これはPCオーディオでも変わることが無い。そんなわけでサラリーマンになりすぐに求めたのがシゲッテイとドラティー盤だった。これは其の年に亡くなったシゲティの追悼記念盤だったが、オイストラフの後だけにバイオリンの音が汚く聞こえたが、ドラティの力量に負うのか構成感の取れた演奏で、これがベートーベンの音楽なのだろうと理解した。改めて今思うことは、ドラティーと言う指揮者の凄さを見なおした。何しろグルミヨーとシゲッティーの両極端の音を同じベートーベンの土台を作って取り込んでしまう力量は只者ではないと思う。

CD時代になって、ミュンシュが好きなゆえにミュンシュ集めの中で手にしたのがハイフェッツだ。これは最速だと思ったが、後でミトロプーロスとの共演を入手したがそれはなお早いテンポで、ハイフフェツのなせる技だと知った。とにかくミュンシュの爆演の最たるものだろう。こんなに熱い演奏はない。私の一番好きな演奏だ。どちらの盤もブラームスの協奏曲が抱き合わせで、このブラームスもすごい。とにかくこのような演奏はいまだこれ以外に聴いたことがない。

 

かつて某レコード雑誌でどちらも折り紙ツキの名演と言われ、購入したが、正直ヨッフムのステレオ、フルトベングラーのモノ録音はドイツ正統派というところなのだろうが、私には「おもしろくない」演奏だ。英紙ペンギンガイドではシュナイダーハン+ヨッフム+BPO盤はロゼッタマークの超推薦盤だが?

日本ではマイナーなウト・ウギの演奏だが、上記の演奏よりは素直に聞ける教科書的演奏

人様に推薦できるのは、やはりシェリングとイッセルシュテットの演奏だろう、バイオリンの甘味な音を好むのならオイストラフになる。

おまけ、カデンツァの作曲者クライスラーの自作自演盤、ウト・ウギのオールドバージョン盤的なジノ・フランチェスカッティ盤

 



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