昨日は、午前中は、地元山口公民館での、文化祭に、我が「菩提樹田んぼの会」がブースを出していることから、その店番に出ていた。本来あらば、午後の終了後の、会場のかたずけをしなければならないのだが、文化祭の日程が決まる前にチケットを購入した。また、2014年にこの四重奏団の結成50周年、および解散コンサートを同じミューズで行ったのだが、チェロ奏者F.ドレシャルが亡くなったが、新たにE.パシュコが加わり再結成された日本公演ということで、 是非とも聴きたかった。
(2014年11月22日付けのBlog有り)
開演が3時ということで昼飯は所沢で食べようと昼前に、文化祭会場をお先に失礼し家に戻り、出かけた。最近は、所沢の商店街をぶらつくことは、ミューズの行き来以外はなくなってしまった。プロペ通りで「親父の一人飯」は「てんや」の季節の天丼が私の定番だったが、プロペ通りに店が亡くなっていた。外食産業の栄枯盛衰の激しさを痛切に感じたが、プロペ通りでは、私の2ndチョイスがない。プロペ通りには旨い蕎麦屋がないのだ。仕方なく「大戸屋」にゆく。池袋の大戸屋は神田神保町の「いもや」と並んで、大学時代からの半世紀年前に出会った店だ。大戸屋は昔の面影は池袋店でも微塵もないが、心の中にはお世話になった店の屋号はしみついている。そんなことで久しぶりに大戸屋に足を運んだ。そして所沢航空公園の秋の日差しを浴びてミューズまで歩いた。
会場の入りは悪くはないが、空席は目立つ。行楽日和もあるが、どうも気のせいかミューズの客は我ら老人ばかりで若い人の姿が見えない。むしろ空席にするくらいならば、当日の空席を18歳以下および音大生向けに半額券を出すとかして、若い人に開放するべきだと思うのだが。ミューズのチケット販売も、冊子等もお役所仕事で無駄が多いし、つまらぬ経費の使い過ぎだ。むしろNetを使って、効率化を図り若い人に来てもらえる環境を作るべきだろう。
最初の曲目はMozartのK.458。好きなMozartだけに注文は多いが、よく言えば過不足ない、正攻法の演奏。悪く言えば特色のない、平凡な演奏。でもこの団体の、持つ引き継がれた伝統なのか。
(私の手持ち)=画像をクリックすると大きくなります。
スメタナ四重奏団(Lp):日本コロンビアが世界に先駆け手掛けた最初のクラシックのデジタル録音レコード。サラリーマンになってお金が少し自由になったたこともあり、発売と同時に買った。最初のMozartの弦楽四重奏。今もってお気に入り。録音はデジタルだが、Lpゆえになぜかアナグロ良さが感じられる。これはスメタナ四重奏団の持つ、ある種素朴な気負いのない淡々とした演奏の中に、バランスの取れた4人の技量が生かされた演奏で、現在では、このアナログを再度24bit96kHzにデジタル化してPCオーデイオとして聴いている。バックミュージックとしては良い意味で平凡な=バランスの取れた演奏は最高に良い。
アルバンベルク四重奏団:アルバンベルク四重奏団のいわばデビュー盤、購入当時は、こんなMozartがあるのか!と思ったほど衝撃を受けた。K.387のNo14からK.590のNo23までの後期四重奏を4枚のCDに収めたもので、スピード感あふれる演奏と激しい強弱のアクセントのつけ方に、聴いたときはびっくりしたが、今ではたまらない魅力を感じるが、とても聴いていると興奮するので、バックミュージックにはならない。私の一押し。
値段の安さと、ケッヘル番号つぶしのため購入した、弦楽四重奏、五重奏の8枚組全集。今日の演奏に近い、とにかく温かみのある演奏で、あまり個性を出さずに素直に音楽を語る、その素朴な演奏が心地よい。
2番目の曲目はドボルザークのアメリカ四重奏:出だしから口ずさみしたくなるような、ドボルザークのメロディーの美しさが堪能できた演奏。いつ聞いても、どんな演奏家でも、(極端に言えば音痴な人の鼻歌でさえも)ドボルザークのメロディーの美しさは、認めざるえない。その意味では、個性を強力に押し出す演奏ではない、今日のウィーン四重奏団の演奏は、心地よかったが、反面悪く言えば平凡に聞こえた。でも私はドボルザークが好きだ。この作曲家のメロディーの美しさは、何物にも代えがたい要素だ。
(私の手持ち)
その意味では、メロディーの美しさを、素朴に伝えてくれるスメタナ四重奏団の演奏は、抱き合わせのJ.スークが第1バイオリン、J.フッフロが第一チェロで演奏した弦楽6重奏曲が素晴らしく、ドボルザークの弦楽器の奏でるメロディーの素晴らしだが堪能できる。私のお薦め。
なぜか、日本での録音で日本人の手による録音でありながら、輸入盤として購入したヤナーチェック四重奏団の演奏。ドヴォルザーク、ヤナーチェック、スメタナのボヘミアの作曲家の代表作、アメリカ、クロイツエル、わが生涯を1枚に収めたお得盤であり、どれも録音、演奏ともに素晴らしいのだが、あまり話題にならずオランダのマイナーレーベルの廉価版で購入した。正直どれも素晴らしく、録音もよい。現在は市場にないのでは?。市場から消えてしまうのは惜しい。
このCDも抱き合わせのピアノ5重奏が素晴らしい。ジュリアードの乾いた響きが、私には若干気になるが、演奏そのものは優れたもので、特にピアノ5重奏は魅力だ。
1968/09/10のアスコーナ音楽祭でのLive。イタリア四重奏団が、MozartのK.421、ドボルザークのアメリカ、ラヴェルの四重奏曲とそれぞれ、3曲の名弦楽四重奏曲を見事なまでに弾き分けた名演奏。弦楽四重奏曲の時代の変遷が味わえる。
3番目はシューベルトの死と乙女だ。正直私はあまりシューベルトは好きではない。歌曲の持つメロディーの素晴らしは否定しないが、交響曲にしろ室内楽にしても、構成力は無きに等しいような、曲にはなじめない。ドボルザークはシューベルト以上にメロディーの美しさを有しながら、交響曲にしろ、室内楽にしても構成力有している。その中ではこの「死と乙女」は例外的に、しっかりした構成力を備えているので、シューベルトの曲では聴いている曲だ。今日の演奏会では、この曲をラストにしたのは、2014年11月22日のフェアウエルコンサートのラスト曲を踏まえてのことなのだろうか?。
だが出だしで、チェロが調弦をしくじり音程を外し、やり直しスタートとなった。プロでもあることなのだろうか。ちょっと気がそがれた。そのせいなのか、何か聞く方がだらけた気分になってしまった。
(私の手持ち)
シューベルトの室内楽選集の中の1枚で交響曲の全集は聴く気になれないが、室内楽はそれなりに聴いてみたいと廉価版のBRILLIANTレーベルの室内楽選集を購入した中の1枚Brandis Ouartetの演奏で、むしろ意識的に構成力を強めた演奏に思えるほどに枠組みのしっかりした演奏で、私はこの演奏ならば推薦できる。
1982/03/19 スイス・ルガーノでのLive スメタナ四重奏団 正直シューベルトのメロディアスな美しさは認めるが、構成力は乏しい。
NHK-BSで放映された,東京上野の旧岩崎邸で録画収録された、タカーチ弦楽四重奏団のLive。映像も録音も素晴らしい。最近このような放映がお目にかからないのはNHKのお家の都合なのだろうか。つまらぬ大河ドラマと下らない番組が、BSの番組枠から音楽がどんどん削られていく。そしてニュース番組は自民党の顔色だけを窺い、皆様のNHKが自民党のNHkになりつつある。海外との共同制作の音楽番組(オペラ)の再放送をもっと多くしてほしい。
(蛇足) 同じくBSで放送されたアルバン・ベルク四重奏団が若手弦楽四重奏をレッスン風景を交えたモンサンジュの監督のドキュメンタリーが放映されたがこれも素晴らしかったのだが、再放送はなされていない。私は幸い、BDに録画していたのだが、これも是非とも再放送して欲しいし、NHK自らがこのような音楽番組を制作してほしいのだが。
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