NHKでのTV観戦。NHKの放送は、ラグビーを知らないアナがしゃべりすぎで、しかも選手の顔も名前も知らないゆえにたびたびでかい声を出して間違いを叫ぶ見苦しさが不快だが、解説は薫田さんでさすが、図解もわかりやすく的確なコメントだった。
試合は早稲田のノーホイッスルトライで先行し、面白い予感でスタートした。しかし実力では帝京が上回り、ボール支配で圧倒し、前半は12-7で帝京。試合も緊張感もあり久しぶりの良い決勝戦でお互いの持ち味が出ていた。
後半は立て続けに帝京大の連続トライ、しかもターンオーバーからの自陣からのまわして繋いでの見事なトライ。このトライこそ岩出監督の帝京大ラグビー部のすばらしさだと思った。これが他校との選手育成の差を感じた。大事な試合にジャパン選手の中村を12番に下げ1年の松田を10番に起用ししかもその選手が活躍したトライだった。34-10、おそらく岩出監督はこれで勝利を確信したのだろう。選手を大幅に入れ替えた。したがってその後の早稲田のがんばりは想定外だったのでは。
早稲田のがんばりはある意味早稲田の伝統のDNAだろう。後半の後半追い上げの主役は、花園でのスタープレイヤー?では無く入学後の這い上がり組だった。ここ五年間、帝京大との差は、選手のフィットネスの差と9-10番の司令塔の差だろう。
花園での経験がある種悪影響だろう。人より先にラグビーの知識を詰め込みそれから抜け出せない。基本であるボール持ったら人より前に、相手が来たらタックルで前に倒す。いずれも「前に」が抜けている。早稲田の強さの伝統はボールをすばやく動かすことだが9-10番がそのテンポを作り出せていない。花園組での成長が見られたのは金、布巻選手ぐらいだろう。
勝てば官軍かもしれないがそれにしても5連覇の岩出監督は見事だった。ここ5年間の選手インタビューでの言葉も、予行練習ができていたのではと思うくらいまともな言葉でNHK向きの発言ができていた。これまで高校での有力選手、外人部隊導入で連覇できても、後が続かなかった。それらはおごりからきた選手の不祥事からだった。5年間の帝京大の流れは、選手のまとまりも、構成もバランスがとれ、スター選手に頼らないそれこそチーム一丸となったプレイができている。
5年後のワールドカップラグビー日本開催に向けては、国内での盛り上がりを起こすためにも他大学、とりわけ、明治、同志社大学の奮起を期待するのだが、財政面、大学知名度を持ってすれば、なぜ帝京大を越えられないのかが不思議でならない。
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