とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

アバド追憶 雨(雪)の日はオペラ ヤナーチェックの死の家から、ベルグのヴォツェック

2014年02月09日 | オペラ

2014年2月8日は、まさに気象庁の予報どおりの大雪になった。したがって気象庁の警告通り家に閉じこもりオペラを聴くことにした。

アバドの追憶を込め、いまだDVD化?されていない手持ちのLDを持ち出した。

 ・ヤナーチェク:歌劇『死者の家から』全3幕

1992.8ザルツブルク

(クリックできます。)
 ウィーン国立歌劇場合唱団
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 指揮:クラウディオ・アバド

 演出:クラウス・ミヒャエル・グリューバー

 アレクサンドル・ゴリャンチコフ:ニコライ・ギャウロウ
 マリエイヤ:エルズビエタ・シュミトカ  シシュコフ:モンテ・ペテルソン
 ルカ(フィルカ):バリー・マッコーリー  スクラトフ:フィリップ・ラングリッジ
 シャプキン:ハインツ・ツェドニク  大男の囚人:ボイダル・ニコロフ
 小男の囚人:リヒャルト・ノヴァク 

 この時期のアバドは、前年にウィーンの音楽監督を辞任し、ベルリンフィルのシェフ2年目の年で同年1月にはいずれまた紹介したい、サントリーホールでのムローバとのブラームスのVn Conの名演を残してくれた年で、ロンドン、ミラノ、ウィーン、ベルリンのいわば音楽市場でのグランドスラムを達成した時期だ。先入観からも悪いわけがない。正直これは名演だと思う。演出が平凡との批評も多々あるが、ヤナーチェックの意図には外れてなし、むしろ「ドストエフスキー」の原作には適していると思う。また後述のシェローの演出の暗さに比べ、話自体が暗い中、意匠に黄色、全体の照明を明るくした演出も面白いと思った。そして何よりも、20世紀音楽をこれほどまでに美しく仕上げた演奏は数少ない。歌手のレベルもそろい、横長の祝祭劇場を効果的に使った舞台もひょうかできる。

最近ザルツブルグ音楽祭のセットに組み込まれたCDを見かけたが、DVDはどうなっているのだろうか。


「私の手持ち比較DVD]

ヤナーチェク:『死の家から』全曲
シェロー演出、ブーレーズ指揮
2007年エクサン=プロヴァンス音楽

 政治犯の囚人:オラフ・ベーア
 ダッタン人の少年囚:エリック・シュトクローサ
 殺人犯:ステファン・マルギータ
 司令官 :イエジー・スルジェンコ
 耳の突き出た囚人:ハインツ・ツェドニク
 頭の弱い囚人:ジョン・マーク・エインズリー
 大男の囚人 :ペーテル・シュトラーカ
 小男の囚人 : ヴラディーミル・フメロ
 アルノルト・シェーンベルク合唱団
 ジョルディ・カザルス(合唱指揮)
 マーラー・チェンバー・オーケストラ
 ピエール・ブーレーズ(指揮)

 演出:パトリス・シェロー

 先にも述べたが、舞台全体が暗く、まさにラーゲリでソルジェニーツィンイワン・デニーソヴィチの一日をヤナーチェックの音楽を借りて表現したといってよいだろうか。「暴力とSEX渦巻く煉獄」とでも表現すべき舞台は正直「美」はない。

それが現実だと言わんばかりの演出は舞台の暗さが拍車をかける。正直何度も繰り返して見たいとは思わないが、ブーレーズのいつもながらの精緻な音楽には驚かされるし、アーノルド・シェーンベルク合唱団のこれまた精緻な演奏にはびっくりマークだ。これぞ20世紀音楽の神髄か?でも私はアバドをとる。

 

「ヴォツェック」については下記My Blogを参照してください。

2007/07/22のMy Blog

http://blog.goo.ne.jp/yyamamot7493/e/4a758f60b18f90ce929dd9f255916be9



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