昨日(6・19)所沢ミューズにバッハの無伴奏チェロ組曲を聴きに行った。正直バッハを聴きに行く状況ではなかった。一家風邪でダウン状態だった。私だけが歩ける状態だったが、私も咳込みがひどかった。カミサンからは演奏会場での咳込みはマナー違反だからと止められた。しかしどうしても聴きたかった。2009年9月27日に初めてこの日と同じホールで彼のバッハを聴いた。この時はBlogで述べた通り私にはあまり良い印象は持てなかった。その前に聴いたミッシャ・マイスキー(2008/10/13付けBlogあり)のバッハに圧倒された後でかれの演奏が平凡に思えたからだ。それから7年たった。イケメンの容姿からCDのリリースも多く彼のバッハがどう変化したかも聴きたかった。カミサンの反対を押し切って出かけた。まずは所沢駅前のマツキヨに入り咳止め薬を求めた。すぐそばの100円ショップで厚手のタオルを仕込んだ。
会場は1階席はほぼ埋まり、そこそこの入りだった、同時に大ホールでは所沢フィルの無料演奏会が開かれており(正直こちらも聴きたかった。サンサーンスの3番のオルガン交響曲がメインだった)それを思えば客入りは上々だった。
1番の出だしが奏でた音は気負いもなく淡々とした流れだった。期待した「何か」はなく正直かたすかしを食った「素直」な音だった。私の席はL12でこのホールでは最良と思える場所だが、音そのものは端正な音だが、迫力はない。4番も、3番、5番と続くも音の多彩さはあまり感じられず、彼の容姿同様に、音には破たんがなく淡々としたよどみのない流れで演奏会は終わった。しかしアンコールは素晴らしかった。これは予想だにしなかった「出来事」だった。アンコールでチェロを抱えて出てきた彼がメモを読み上げた「これから私の友人を紹介します。」と。現れたのは、見慣れぬ楽器をもって現れた3人とのコラボレーションで奏でられた音楽は、私には未知の世界の音楽だった。この音楽には感動した。タンバリンに似た楽器、そしてアフリカ原住民の奏でる太鼓それに日本の琵琶を極小型にした楽器から繰り出された音は多彩な音色と迫力で圧倒された。
会場を出た時は正直バッハは消えていた。ヨーヨ・マがシルクロードの民族音楽とコラボレーションしたが、同じことがケラスにはサラセン・オスマン文化とのコラボを結びつけたのだろうか。
(私の手持ちあれこれ)
No1 シギスヴァルト・クイケンの演奏によるヴィオロンチェロ・ダ・スパッラという復刻版の古楽器による演奏。小型化したチェロを首からぶら下げて演奏するもので、物珍しさはあるがチェロの朗々とした響きは感じられない。No.3モノラル録音ながら、圧倒的な迫力で迫る雄大な演奏私の全曲を通しての推薦版 No.4映像による全曲盤だが、期待したほどではなかった。それでも1番は素晴らしい。No.5好き嫌いは別としてこの曲のスタンダードとして聴く価値ありの演奏。私は好きではない。No.6私が初めて全曲を聴いた曲(FM東京オリジナルコンサート)後日CD化され買い求めた。気品に満ちた」バッハNo.7若くして世を去った天才チェリストの遺品。去るもの日々にうとしの感が残る。
No.8 FM東京オリジナルコンサートの放送をカセットに録音したもので後日WAVに変換し聴いているが、これをなぜCD化しないのか不思議に思うほどの名演奏だ
Suite No.1とほぼ同じ評価 No.3のロストロの演奏が聴く者にだらけた印象を残す。
No.6のナバラの演奏に迫力を感じる
No.5のロストロの演奏はDVD版のNo.3とは別物で、雄大で迫力のある素晴らしい演奏だ。
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