とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

デュティユーの管弦楽

2007年10月07日 | Weblog
2007年9月7日にサイトウキネン松本がNHKでLIVE放送された。その中にデュティユーの曲が2曲含まれ、内1曲「Le temps L'horloge」が初演された。演奏前にリハーサル風景の録画があったが、その中で最終稿のスコアーが一部届かない場面が写された。
正に初演の場の巡り会いだ。
しかし正直なところルネ・フレミングの美しい声にも関わらず、曲そのものの魅力は感じられない。なぜか平凡で散漫な感じがした。しかし90歳を超えた人間の創作の執念ともいえる情熱にただ敬服した。
CDコレクションでは1987年に交響曲No.2をミュンシュとフランス国立管弦楽団のディスク・モンターニュ盤のLive録音を最初に手にした。次にエラート盤でメタボールを同じメンバーのを手にした。これらはいずれもシャルル・ミュンシュを聞きたくて入手したもので、2番はミュンシュが初演したことを知った。デュティユーに興味を持ったのは昨年ARTE NOVAからハンス・グラーフとボルドーアキュテーヌの組み合わせで3枚にまとめられた廉価版のCDを見つけたことによる。ザルツブルグのイメージの強いグラーフがフランス物を手がけたことに多少の違和感を感じたが演奏はなかなかなもので、作品を客観視した分析的な演奏は曲にも合い透明感のある響きが好ましい。作品もオネゲルの響きを引き継いで各演奏者の力量を引き出させる音色が魅力的だ。その点から交響曲は面白く色彩豊かなそして打楽器を多用したリズムの扱いが面白い。特に2番ではオーケストラ奏者の力量が問われ各楽器がそれぞれソリスト的な演奏を要求され、二流オケと思っていたボルドーの演奏能力の高さに脱帽した。

グラーフを聴いた後で改めてミュンシュを聴くと時代と録音にもよるが透明感のよさはグラーフに上げるが、初演者の意気込みかミュンシュの2番には爆発的な迫力を感じた。メタボールに関しては、グラーフのやや教科書的な演奏に曲がマッチしていると思う。いずれにしてもメシアンとは違った凝縮された構成力のある作品は耳になじみわかりやすい作品である。もっと演奏されても良いと思う。


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