とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

談志の芝浜

2010年12月16日 | Weblog
 15日昼飯にいつもどおり蕎麦を食べに神保町の「青邨」に行った。これまたいつもどおりに東京堂に雑誌の立ち読みに入ると「談志」の写真が貼られた立川談志 落語CDムックがあった。しかも演目が芝浜だった。即買った。



買って直ぐにしまったと思った。以前小学館から出たCDムック「昭和の名人」古今亭志ん朝を買った時、落語は一人芝居、絵の無い落語は価値が半減するのを知った。DVDの世の中CDを聞く度に絵の無い事を悔やんだのだ。
しかもBSベスト オブ ベストのNHKの特集「立川談志」を見た後だった。番組の内容は天才落語家立川談志が「芝浜」を演じられなくなった、老いとの葛藤を追ったドキュメンタリーだった。
CDの中の談志は昭和57年の国立での芝浜だった。2007年のNHKの特集とは30年の隔たりがある.CDの中の談志は正に昇坂、歯切れの良さ、声の張り、テンポの良さは話に引き込まれる。だからこそ、談志の絵がないもどかしさを感じた。
 NHKの中の談志は真逆だった。寄席芸人談志と古典芸能家談志の葛藤疲れが画面いっぱいに出ていた。談志の悲劇は志ん朝の桜花のような散り際をみてしまっい、枝雀の狂気の美を見送ったことにあるのだろう。
 暗譜で指揮が出来ないと言って引退したトスカニーニのように、談志も古典芸能家を引退して、元の寄席芸人談志にもどり、1杯引っ掛けて、末広にでも出て欲しいと思いながらCDを聴き終えた。

 付録に抱き合わせされた「源平盛衰記」はニュースを読み返すよりも、田中角栄当時の世相が強烈によみがえる歴史を感じた。

 このところ池袋演芸場の独演会の通知がゴミになり1年以上、寄席に出かけていない。出囃子が恋しくなってきた。





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