とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

朝一の電話

2010年12月18日 | Weblog
 朝起きて洗面所にいるときに携帯が鳴った。取りに戻ると鳴り止んだ。携帯の発信先を見るとオフクロの入居している老人ホーム。不吉な予感。慌てて電話をする。なかなかでない。再度ダイアル。誰もでない。直接オフクロのフロアー担当者に電話すると、オフクロが信頼を寄せているIさんが電話口にでられた。取り込み中の気配がする。「いま救急車を呼んでいるところでこれから西大宮病院へ搬送する」とのことだった。ホームには兼ねてよりオフクロにもしもの事が起きたときには、西大宮病院への搬送を依頼していた。
 そして私も着替えをして、電車で急いだ。カミサンにはいつでも動ける体制で自宅待機を頼んだ。
 急ぐゆえ秋津で武蔵野線に乗り換えた。悪い時は重なるもので、武蔵野線は人身事故でストップ。あわてて、叔母に救援を頼んだ。大幅に遅れ病院に着くと、玄関に叔母とホームの所長さんが待機されていた。表情から命に別状がないことを知り一安心したが、叔母から主治医のT先生がみてくださり「肺炎」との報告をうけた。また午後にCT検査をするので、現在は仮の病室にいるとのことだった。入院手続の書類を渡され、叔母はホームにオフクロの入院衣類一式と洗面道具を取りに所長さんを乗せ戻った。
 カミサンへ連絡を入れると息子が先約の予定をキャンセルしてカミサンを乗せて取り敢えず病院に向かうとのことだった。
 検査の間病室ロビーのTVを何気なく見ていると、NHKの「坂の上の雲」で、正岡子規の臨終のシーンだった。病室に戻ったオフクロは少し疲れが出ていたが意識はしっかりしていた。
 時間をおいて先生の説明があるというのでナースステーションに呼ばれたが、T先生ではなかった。聞くとT先生は急患のたいおうに追われているとのことであった。
 結果はある程度覚悟はしていたが、CT画像を見ながらの説明はショックだった。高熱は直接的には風邪により引こおこさえたものだが、原因は肝硬変の末期症状とのことだった。ナースステイションそばに病室を移され、当面は推移を見守るとの結論だった。
ちょうど説明が終わった時点でカミサンと息子が到着した。16号で来たが、所沢ー大宮が途中工事による混雑で1時間半かかったとのこと。孫の顔を見るなりオフクロは元気になり多弁になった。オフクロには孫が30でも孫なのだ。ある意味年寄りには孫の顔が薬でもある。この光景を見ると年寄りが「オレオレ詐欺」にかかる理由が素直に判る気がした。息子が来てくれて気持ちが楽になった。
 帰りは叔母の家にお礼の挨拶に寄り、そのまま16号で川越まで出た。伊佐沼あたりからの山並みと富士山の夕日が美しかった。そこから息子は来るときの混雑を避け所沢ー川越線に入った。久しぶりに通過した道路脇は家が建てこみ、屋敷林の景観が失われていく姿が夕焼け空が覆っていた。
 正直心身ともに疲れた1日だった。
 




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