7月16日土曜日本来ならばカミサンの実家のお盆の墓参りだが、カミサンが朝、歯が痛いと言い出し直ぐに歯医者に予約を入れ墓参りは明日に延期。時間が出来たので、所沢ミューズに電話を入れ、今日のコンサートのチケットを手配すると、2時から当日券の販売とのこと。
そんな事で、所沢ミューズで初めてのオルガンコンサートに出かけた。
以前ブログでも書いたが、バブル時代に日本各地にパイプオルガン付きのコンサートホールが出来たが、実際にオルガンを使用する機会がなく、パイプにホコリがつまりその処理に莫大なお金がかかったそうだ。
わたしもオルガンコンサートはそんな状況に陥ったA県A市のAホールで聞いて以来20数年振りになる。
このコンサートはメルカールトがミューズのホールオルガニスト就任コンサートだった。コンサートタイトルも「バッハとパリ」と題してステージにスクリーンがしつらえ、メルカールトの解説で、スクリーンに絵、写真を映し出し、時代背景を踏まえた曲の解説付きのコンサートだった。たどたどしい日本語ではあったがとても分かりやすかった。
しかし「何時もどおり」と言って良いのだろうか客の入りは惨めすぎるくらい少なかった。1-2階席のみの販売だが、私は定席の3階の1番後ろに行った。B席500円。
出だしのバッハのトッカータとフーガ二短調の響きがホールいっぱいに響き、我が席は最高の音響を味わえた。
演奏者自身の編曲によるフォーレのペレアスの組曲も、ドビッシーの牧神の午後も多彩なパイプオルガンの音色とミューズの音の響きの良さを存分に楽しめた。これで500円はまさにお得なコンサートだった。
家に帰り久しぶりにオルガン曲を、おさらいのつもりで聴いてみた。最初にヘルムート・ヴァルヒャのトッカータとフーガを聴いた。 このLPはアルヒ-フレコード創立25周年記念盤で、大切にしてきたLPで何年ぶりにに聴いたのだろうか。メルカールトの流麗なそしてダイナミックな演奏に比べ、ゴツゴツした古色蒼然としたバッハだがこれはまた古きよき時代のバッハと言えよう。
トン・コープマンの演奏はCD6枚組でバッハオルガン曲集に収められたものだが、テンポの良い歯切れの良い演奏で音が飛び跳ねているような演奏だ。しかしどんなに素晴らしい演奏だとしても、今日のホールの響きは我が家のオーディオでは大海に投げた一粒の砂の波紋に等しい。
フランクのコラールNo3は録音に定評のあるドリアンレコードの全集の中のもの。Jean GuillouはこのCDが初めてで経歴は知らない。比較するだけのものが無いが、演奏はメルカールトのほうがロマンティックだった。
BWV147の「主よ、人の望みの喜びよ」からはデュフレの編曲で演奏されたが、Lpはバッハの原曲で、1973年12月に筑摩書房より発刊された全12巻の「ルネッサンス・バロックの音楽」の1つだ。当時の筑摩書房の教養主義そのものの見本のようなものでLpはアルヒーフ・解説は服部幸三、皆川達夫の権威者であった。
今思えば、細切れ、抜粋をいくら味わっても、本当の味は賞味出来ないので、それが何の教養かと思えなくも無いが、当時としてはこの全集が売れたことがニュースだった。
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