ホルスト・シュタイン氏が亡くなられた。N響の指揮者として、サバリシュ、スイトナーとともにドイツ音楽を楽しませてくれた。
私の手持ちは以下の通り、数は少ないがどれもがすばらしい出来だ。
・モーツァルト:歌劇『魔笛』全曲(歌唱:ドイツ語)
ザラストロ:ハンス・ゾーティン タミーノ:ニコライ・ゲッダ パミーナ:エディット・マティス パパゲーノ:ウィリアム・ウォークマン
夜の女王:クリスティナ・ドイテコム 弁者:ディートリ・フィッシャー=ディースカウ モノスタトス:フランツ・グルントヘーバー、他
合唱:ハンブルク国立歌劇場合唱団 管弦楽:ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ホルスト・シュタイン
製作:ロルフ・リーバーマン
監督:ヨアヒム・ヘス
収録:1971年
70年代のドイツでの普段着のオペラを楽しませてくれるDVD。しかしコレは映画で顔ぶれは豪華だ。ここでのシュタインの音楽はオペラを知り尽くしたものの音だ。楽しいオペラそのもの。
ベートーベン ピアノ協奏曲全曲
フリードリヒ・グルダ
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ホルスト・シュタイン(指揮)
F.グルダを好サポート。おそらくこの全集のベストと思う。ここでのシュタインは目立たないというか自然な流れで、グルダを邪魔しない。グルダはシュタインの音楽に乗ってテンポ良く全曲を終える。すばらしいの一言。
1997/12/10 ウィーンムジークヘラインホール
・メンデルスゾーン・海の静けさと航海
・ピアノ協奏曲 No.1
・シューマン交響曲3番「ライン」
ホルスト・シュタイン(指揮)
ウィーン交響楽団 Pf Jasminca Sancul
バーゲンの平台で見つけた拾い物。普段もこんなコンサートがウィーンでは聴けるのかと思うとうらやましい。
NHKの放送を録画していた中で、3本が残っていた。
1986/09/22 バンベルク響との最初の来日。ドイツ音楽を前面に出したプロだった。当時は昭和女子大人見記念講堂が良く使われていた。C.クライバーもベームも歴史的名演がなされた。
このときのシュタインは彼らの「おはこ」を披露した。モーツァルトのジュピターは素朴な暖かい表現。後半のブラームス2番は大河のような大きな流れができて一気に終楽章に進むすばらしい演奏だ。日本人の演奏者が多いのにも驚いた。しかしこの時はまだBS放送ではなく荒い画面だった。
1990/08/05 ザルツブルグ音楽祭 R.シュトラウス 歌劇「カプリッチョ」
ホルスト・シュタイン(指揮) ウィーンフィル アンナ・トモワ=シントウ テオ・アダムほか
R.シュトラウスの歌劇の中では、とっつきにくいオペラ。正直繰り返し見るものではないし台本自体に面白みは無い。ただ最後のオペラで戦時下の中での作曲者の遺言に聞こえる。シュタインの棒だから音楽が流れてなんとか最後まで付き合える。
1990/04/28 サントリーホール ブラームス ピアノ協奏曲 No.1 交響曲 No.1
ホルスト・シュタイン(指揮) バンベルグ交響楽団 エリザベート・レオンスカヤ
この年バンベルグ響との2度目の来日、ブラームスメインのツアーだった。当時ヴァイオリンを習っていた息子とヴァイオリン協奏曲を聴きに行った。このプログラムは、レオンスカヤのロマンティックなブラームスがすばらしい。また1番の交響曲はどこにも特色は感じられないのに感動するのはなぜなのか不思議な響きだ。
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