とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

追悼 ヴィシネフスカヤ

2012年12月13日 | クラシックCD


 12月11日 ウィシネススカヤさんが亡くなられた。
我がオフクロと同世代が次々とフェイドアウトしていく時になった。

 特に彼女の声が好きだったというのではない、むしろ私の手持ちのソプラノ歌手の中では少ないほうだが、ロシアのソプラノ歌手としては最初に耳にした声だった。
 残念なことに生の声に接したこともなければ、舞台姿の映像も見ていない。
 ブリテンの戦争レクイエムが今年初演からの50周年だが、手持ちのLDは音は初演者での演奏だが映像は曲に合わせたフィルム映画を付け足したもので、歴史的な意味は何もない。しかしこの曲自体が第二次世界大戦の戦没者の追悼の曲ということで、ドイツ=フィッシャー・デウスカウ、英国=作曲者ブリテンの指揮、ロンドン交響楽団、ソ連=ヴィシネフスカヤにより演奏されている。
・ブリテン:戦争レクイエム op.66

ガリーナ・ヴィシネフスカヤ(ソプラノ)
ピーター・ピアーズ(テノール)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
ハイゲート・スクール少年合唱団

メロス・アンサンブル
サイモン・プレストン(オルガン)

ロンドン交響楽団&合唱団
ベンジャミン・ブリテン(指揮)

録音:1963年[ステレオ]



 これも音は名盤のほまれ高い、下記の『ムツェンスク郡のマクベス夫人』だが、映像は別で、刺激的な場面を中心に作り替えた映画だ。正直著作権問題にならなかったのだろうか。音楽よりも18禁場面が刺激的で音楽は何処かに置き忘れされたシロモノだが、ココでの彼女の声は全盛期なのだろう。

・ショスタコーヴィチ:歌劇『ムツェンスク郡のマクベス夫人』全曲
 カテリーナ・イズマイロヴァ:ガリーナ・ヴィシネフスカヤ
 セルゲイ:ニコライ・ゲッダ
 ボリス・イズマイロフ:デミテール・ぺトコフ
 ジノヴィ・イズマイロフ:ヴェルナー・クレン
 シャビー:ロバート・ティアー
 アクシーニャ:タル・ヴァルヤッカ
 ソニェートカ:ビルギット・フィンニレ
 軍曹:オーゲ・ハウグランド
 教師:マーティン・ヒル
 僧侶:レナード・ムロス
 老いた服役囚:アレクサンダー・マルタ
 職工/役人:レスリー・ファイソン
 荷役人:スティーヴン・エマーソン
 執事:ジョン・ノーブル
 御者/第1の職工主任:コリン・アップルトン
 第2の職工主任:アラン・バイヤーズ
 第3の職工主任:ジェイムズ・ルウィントン
 警官:オリヴァー・ブルーム
 酔客:エドガー・フリート
 歩哨:デイヴィッド・ビーヴァン
 女の服役囚:リンダ・リチャードソン
 アンブロジアン・オペラ・シンガーズ(コーラス・マスター:ジョン・マッカーシー)
 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
 ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(指揮)

 録音時期:1978年4月
 録音場所:ロンドン、アビー・ロード第1スタジオ
 録音方式:ステレオ(セッション)
 2002年デジタル・リマスター



 ココではロシア人の心がマルケヴィッチの編曲による管弦楽伴奏が薬味となって直接的に届き同じ曲だが、ロンドン交響楽団とのLiveとソ連交響楽団との録音の違いがでて、私にはロンドンとのLiveが好ましい。




 これは以前にもブログで述べたが、正にマルケヴィッチ編曲のヴェルディーのレクイエムだ。ペトロフの重低音の響きに鋭く突き刺さるヴィシネススカヤのソプラノが60年代の東西冷戦最中の時代背景が生んだ異色のレクイレムだ。
 私の手持ちは必ずしも彼女の代表作では無いだろうが、ソ連時代のロストロさんの妻として政治に翻弄された時代のヒロインであった彼女の歌声は歴史的な意義は失われないだろう。合掌


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