とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

オネゲルの交響曲(1)

2007年03月25日 | LPレコード
セルジュ・ボドとチェコフィルのコンビによるLPだった。1968年は政治の季節だった。プラハの春は戦車に踏みにじられた。チェコフィルの音は終楽章の不安に終わる三つのレを予言のように奏でた。ジャケットのイラストとのアンバランスが際立った。
私自身もベトナム反戦運動から学園闘争とこの「不安な時代」の政治に入り込んでいった。その年、マルケビッチのLpとアンセルメとスイスロマンドの来日コンサートの券を交換して生まれて始めての外来オケを聞いた。Lpで聴く音とかけ離れた音に失望した。むしろ聴きなれた日フィルの音の方がきれいだと思った。
しかし翌年アンセルメが死んだ。その追悼として自身が自身の音楽観を語ったLPがオマケに着いたオネゲルの3,4番の交響曲が売り出された。何か因縁めいたものを感じ、メモリーとしてバイト先で社員割引を利用させてもらい購入した。実演には不満を持ったが、このLPではクリアーな音の響きが安物のステレオでも充分に聞き分けられた。
大学4年間はオネゲルのこの2枚のLPのペシミズムな演奏に魅せられた。


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