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年末のクラシック音楽界ではベートーベン第9が恒例だが、私の音楽体験では年末はバイロイト音楽祭の「ニーベルングの指輪」なのだ。
新物好きだった親父が中学のときにステレオ装置を買った。そのときチューナーに試験放送が始まったばかりのFMチューナーがついていた。FMアンテナを庭に建て最初にバイロイト音楽祭を聞いたのはベームのトリスタンだった。
高校に入学した祝いに、当時一番安かったソニーのモノラルのテープレコーダーを英語の勉強用にと買ってくれたが、趣旨に反しもっぱらFMのエアーチェックに利用した。だがテープが高く、秋葉原のガード下の露店で放送局の放出中古テープを買い求め、5インチテープを9.5の低速録音でエアーチェックをした。そのときに聴いたカール・ベームの「ニーベルングの指輪」が私のワグナー音楽の原点になった。
就職してからは、サラリーマンの身ではオペラ全曲のレコードはまだ高価で、年末のNHK-FMのバイロイト音楽祭の放送を楽しんでいた。
そんな折に原点だったベームの指輪がLP化されたが、全曲は当時の月給では手の出ない価格で、ハイライト版しか買えなかった。ただ年末のバイロイトの放送は、その後も、テープレコーダーはティアックの4トラステレオ、アカイのオートリバースと進化しFM放送のエアーチェックは続いた。
バブル崩壊後、外資系のCDショップの安売りバーゲンで当時1万円で全曲が売り出された。すぐに飛びついた。ハイライト版を24bit-96kHzで落とし比較したが、所詮ハイライトは細切れ肉、ステーキの味わいは得られない。機会あるごとに今年も出張中の車中、病院での待ち時間等ザウルスに落とし込んで聞いている。
サバリッシュ=バイエルンオペラ、日本がバブルの絶頂にあった1989年、NHKが総力挙げてHiVisonで生撮りしたものだ。まさにバブルがなしえた遺産だろう。私はBS放送されたものを当時出始めていたがDVDの時代になり消えてしまった D-VHSと言うデジタルビデオテープに録画し、それをDVDにダビングしている。版権の関係か?海外でのDVDはないようで、国内販売のDVDはLDの焼き直しのようだ。英紙 グラモフォンのリング特集(2007-Vol.85)では映像部門でLDとして扱っている。コメントは結構手厳しくコロもベーレンスも盛りをすぎているが、ドイツでのファミリーメンバーの総出演としている。
確かにベーレンスの声にはつやがかけるし、コロの演技も漫画だがロバート・ヘイルのヴォータン、クルト・モルのファフナー、フンディングはすばらしい。ペンギンガイド(2009)では星3つではあるが廉価版のためかキーマークがつきトップ推薦版になっている。
今年買い求めた拾いもののリング。何しろ全曲DVD7枚7000円だった。CDより安くしかもバイロイト版だ。
英紙 グラモフォンのリング特集(2007-Vol.85)で映像部門での推薦版、ちなみに録音部門はヤノフスキー=ドレスデンオペラだった。
またペンギンガイド(2009)ではレイヴァイン=メトと同じく星4つの推薦版。
ブリュンヒルデを歌うアニ・エバンスがすばらしい。私は1994年のプロムスでの尾高忠明の指揮によるブリュンヒルデをCD(BBC MM131)で聴いて感動したが、映像つきはいっそうすばらしい。
リング全曲の手持ちは上記3種だけだがリングは個々が独立しても楽しめるし、個別には何種か手持ちがある。またハイライトもある。機会があればまた触れたい。
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