とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

所沢フィル、第35回定期演奏会を所沢ミューズで聴く

2014年06月29日 | 所沢ミューズ

 今日は梅雨の合間の晴れ間がのぞいた。午後からミューズに所沢フィルのこの時期恒例の「所沢市管弦楽祭」と称する定期演奏会を聴きに行った。配られたプログラムの巻頭の市長と教育長の祝辞と管弦楽祭が結びつかないのは、役人の「大人の知恵」のなせる業か?それはともかく無料ということもあって、我が年相応の人でいっぱいになったが、わがミューズの定席のてっぺん後方は最近のコンサートはすべて無料・有料にかかわらず独り占めだった。

 帰宅するとカミサンから「どうだったた」と感想を求められたが、私の感想は今回は「タダだから」としか答えられなかた。

 無料で聴かせてもらって、批評めいたことは避けたいが、これは指揮者の責任なのだろうが、所沢ミューズのレジデンスオーケストラの地位を得たのならミューズの音響の良さを生かした演奏にしてほしかった。今回選曲はルスランにしてもブラ2にしても管と弦の対比、溶け合いが命の曲だと思うのだが?ミスは許せても、音の響きはゆるせない。反面ホルン協奏曲のソロの響きは会場全体に美しく響き渡っていたのだから、各パートごとのバランスが的確に取れていたならもっと素晴らしい響きが聴けたと思う。

私の推薦盤 

1.序曲ルスランとリュドミラ序曲

 マルケヴィッチとコンセールラムルー管弦楽団の1960年の録音。録音は古いが教科書的な演奏で、この曲の持ち味である刻むリズム感が素晴らしい。オーケストラのゴージャスな響きを求めるならまだキーロフ歌劇場時代のマリンスキー劇場とゲルギエフの演奏は当日の演奏の完成形の姿かも。

 

2.リヒャルトシュトラウスのホルン協奏曲第1番

 推薦というよりこれしか所持していないが、ペーター・ダムのホルンとドレスデン管弦楽団の響きが見事なまでに溶け合っている。 

3.ブラームスの交響曲第二番

 私にとって作曲家ブラームスは、モーツァルトに次いで好きな作曲家だ、中でも交響曲は50曲作ったモーツァルトと4曲しか書かなかったブラームスとで所持するメディアの数は同じくらいでブラームスの交響曲は好きだ。

 ブラームスの交響曲は1番を春に見立て4番の冬で終わる四季に見立てることも、また1番を青春ととらえ2番を壮年、3番を熟年4番を黄昏と市井の人そのものの人生に見立てることもできる。

 

 当日の演奏は、私の好きな指揮者シャルル・ミュンシュの灼熱の日差しの中での涼風が通り抜ける夏を感じた。

⑳盤はボストン交響楽団とのLIVEのDVDで、楽団員が各々のスタイルで、特にUpで映し出されるコントラバスの奏法の隣り合わせの奏者のフランスvsドイツ奏法の違いやバイオリン奏者の弦の寝かせかたのバラバラな様子が面白く破たん寸前で引き戻すミュンシュの指揮ぶりが観てて楽しい。⑱盤ではアンサンブルが破たん直前でたびたび渇を入れるかの様に床をドーンとたたき突き進むとてもスリリングな演奏で、一期一会のライブ録音の醍醐味が味わえる。ただし万人向きではない。

一般論からは、DVDでは⑫のクライバーCDでは②のバルビローリーとどちらもウィーンフィルとの演奏が高原の日差しに照らされた木陰の中で吹く風に身を任す様な演奏が心地よい。しかしこれは当日の演奏の対極の表現だろう。



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