とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

タワレコのIntoxicateを読んで、サティが聴きたくなった。

2015年07月24日 | LPレコード

先日、野暮用で新宿に出た。要件はすぐに終わり昼飯時間、一人飯の新宿での定番はメトロ食堂街のつな八の天丼。行列覚悟で行くとすぐにに座れた。食べ終わり帰宅のため大江戸線で練馬に出るつもりで歩くと、Intoxicateを最近読んでいないことに気づき、西口に出て、タワレコに上がった。タワレコもすっかりご無沙汰して、店のレイアウトが変わり面食らった。今回のIntoxicateも表紙は桂米朝の追悼で裏表紙とトップ記事がエリック・サティとその時代。まさにこの雑誌?の編集者は表題どおりにIntoxicate=酔っ払って編集しているのだろう。ここがこの雑誌の好きなところだ。ただ落語は好きだが、上方落語だけは、聴かない。唯一例外が亡くなった枝雀だ。革命家が好きなのだ。その意味でもエリック・サティは枝雀同様に、世界をひっくり返すことはできなかったけれど、時代に棹さした革命家だろう。

家に帰り裏表紙の、ピカソ、コクトーに加えてデイアギレフがプロデュースしたパラードを聴いた。

 (クリックするとおおきくなります。)

このLPレコードは大学に入りほどなくして、サークルで知り合った友人からサティが話題になった。しかし私は、それまで1度も聴いたことがなく会話に入れなかったことから、すぐに聴いてみたいと、LP捜しに走ったが、先立つお金がなく、輸入廉価盤を求め当時としては最安値LP1000円のバーゲン品を探し出した。しかもこれは大当たりの素晴らしい出来で、45年経過した今もって最良の録音に思える。パラードの特徴といえる、タイプライター、サイレン、ピストル、飛行機の爆音が迫力と明瞭さで響き、曲自体の、1916年の第一次世界大戦最中の喧騒とした世上の雰囲気をスタジオ録音だからなしえたと言える見事さだ。今回24bit 96kHzにしてデジタル化したがとても1960年代の録音とは思えない。

裏面に収められた舞台付随の音楽「ソクラテス」は一転して、教会音楽、パリ音楽院でのアカデミックな素養を持った彼の洗練されたメロディーが流れる。、反アカデミズム、反ロマン主義を貫いたかれの音楽のいわばアカデミズムとロマン主義の頂点に立つ曲だろう。このLpはサティの両面を見事に収めている点でも素晴らしいLPだと思う。(CD化されたが現在では廃番になっているようだ)

(その他の私の手持ち)

 バラードのみ

イゴーリー・マルケヴィッチ指揮

(ケルン放送交響楽団 1952年Live)演奏会Liveゆえか、この曲の特徴であるタイプライター、サイレン等がオーケストラの楽器に置き換えられ、曲の本質が損なわれている。このCDは抱き合わせのベルリン放送交響楽団との幻想交響曲に価値あり。

(フィルハーモニア管弦楽団 1954年スタジオ録音)彼の養父であるデアギレフの影響か、彼の初期の録音曲は、「春の祭典」をはじめ、養父がスポンサーとなった曲が中心でパラードもしかりだが、これもスタジオ録音ながら、肝心の音は楽器が奏でて興味半減 しかしこのCDでは、作曲家マルケヴィッチを天才と認めていたバルトークの舞踏組曲の録音がモノながら素晴らしい。

(北ドイツ放送交響楽団 1960年Live) サイレン・ピストルは聴こえるがその他は楽器がかなでる。このCDにはサティのほかドビッシーの海、ラベルのダフニス、ルーセルのバッカスと20世紀フランス音楽の代表作をドイツのオケで見事なまでに分析している。出てくる音の違いが面白い。

(ルイ・オーリアコンブ=パリ音楽院管弦楽団)サティの毒を取り除いたバックミュージック。サティの名曲集的なとりあえずサティを聴くには持っていて便利

パラード+ソクラテス(全曲)+馬具をつけて他

(ルイ・フレモー=ルクセンブルグ放送管弦楽団)独奏、室内楽、管弦楽、声楽と各ジャンルのサティの特色を取りまとめたCD。

パラード+馬具をつけて他

(ミシェル・プラッソン=トールーズ管弦楽団)オーケストラの名曲を1枚に収め、録音も良くお勧め。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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