とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

BBC Music Arvo Part 生誕80歳特集号(9月号)を読んで(聴いて)。

2015年12月05日 | クラシックCD

(付録のCD)

 先にBlogで述べたように、エソラ池袋のHMVにBBC Musicのバックナンバーの在庫があり9月号のアルボ・ペルトの特集号があった。9月29日のNHKプレミアムシアターで彼の80歳記念新作「アダムス・パッション」が放映され、その記憶が頭にあったことから衝動買いした。しかし私にはこの記事でペルトに対する認識に変化があったかと問われても、答えられない。正直ペルトの音楽が理解できるほど聴いていない。むしろNHKで見た「アダムス・パッション」は拒絶反応だ。私がペルトの音楽を受け入れられるのは聴いた曲では「鏡の中の鏡」だけだ。この曲でペルトに興味を持ったが、BBCmusicも付録につけたCDはその線に沿った曲を集めている。それこそ、西洋文化の基礎をなすキリスト教での讃美歌の調べが基調となった曲で構成されてある。音の高低も強弱も幅が少なく、日本での御詠歌に近い調べは、心の鎮静剤的な響きで「癒し」になる。そんな耳障りの良い曲ではあるが、これはせいぜい10分程度が限度の曲だ。したがって、NHKでの放映された「アダムス・パッション」にしても、付録に収録された「アダムの嘆き」については、30分の長さは「散漫な響き」に聞こえる。

 以前NHKでペンデレッキー生誕80歳記念コンサート(myBlog 2014年2月5日)で述べた時と同様のことが頭をよぎった。80歳で新曲を発表することはとても凡人のできる技ではない。しかしだからと言って、その曲が代表作といえる曲かと問われれば私は「否」だ。そして思うことはポーランド人のペンデレッキー、エストニア人のペルトに共通するのは、祖国がソ連の抑圧下のおかれた60年代に12音技法で創作の花が咲いたのだが、結果は宗教音楽を12音で表現して、「ルカ受難曲」で世界の注目を浴びたペンデレッキーに対して同じく12音技法で、交響曲等を書きソ連の弾圧を受けたペルトとが、グレゴリオ聖歌の技法を持って世界に受け入れられた、両者の相違が面白い。だが、ソ連崩壊後の創作活動には、両者に後世に残る名曲はあるのだろうか?現時点での私の評価は、私が聴いた1991年以降の作品にはない。

 (私の手持ちCD)

(1978年作):鏡の中の鏡)癒し系音楽の典型、彼の代表作だと思う。BBCMusicに入っていないのは版権の問題なのか?

(1966年作)のロストロポービッチに検定したチェロ協奏曲、(1971年作)ミーメ・メヤルビ(パーヴォ・ヤルビの父)にささげた交響曲3番等12音技法時代の作品が聴ける。エネルギーは感じるものの感動はない

(1985年作)作曲のテ・デウム:200年記念バチカンコンサートのLive:このCDはシャルパンティエ、モーツァルト、ヴェルディ、ペルトと各世紀の代表的なテ・デエムを記念演奏会として取り上げたものだが、正直20世紀を感じない作品に仕上がっている。

 

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