とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

日本人のコンチェルト

2008年03月07日 | クラシックCD
デンオンの旧録が1000円シリーズで邦人作曲家のCDが売り出された。NAXOSのシリーズが好評なこともあり本家本元も武満以外のCDが売り出されることは良いことだ。
矢代秋雄のピアノ、尾高尚忠のフルート、吉松隆のファゴットの協奏曲の納められた1枚は素直に楽しめた。矢代についてはNAXOS盤にもあるが、初演者の演奏のDENON盤が良い。何れもが変に日本調を強調することなくインターナショナルな世界に溶け込んだ名曲と思う。


ただ最近手にした間宮芳生、外山雄三、三善晃のヴァイオリン協奏曲を集めた1枚は複雑な気持ちを持った。戦後からテイクオフした日本が文化を世界発した時期1958,1963,1965に作曲されたものだがその表現した「日本的」方向だ。中でも外山のアプローチは戦前の右翼的、また戦後の社会主義国のナショナリズムの高揚に供するアプローチを臆面も無く前面に出しているのには半ばあきれた。これを許したのがこの時代なのかと思った。日本人なら誰もが判る民謡の旋律を、最初はアサヒカメラの投稿ヌードのごとく芸術の装い、次には週刊誌のヌードのごとくそして最終楽章はエロ本のごとく露悪的に日本民謡をこれでもかと鳴らすのは60年代の時代表現として何を言いたかったのだろうか。彼のラプソディーはN響の海外公演のアンコールピースとして作曲されたとのことでご愛嬌で済むがこの協奏曲はひどいと思った。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿