とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

2021.10.30 ブロムシュテット&N響を聴きに所沢ミューズに

2021年10月31日 | 所沢ミューズ

 2021年1月9日に、ミューズ恒例のNew Year consertを聴きに行って以来のオーケストラコンサートに行ってきた。コロナ下の規制措置とはいえ、ブロムシュテット氏の年齢を考慮すれば日本の地で彼の音楽を聴くのは最後のような思いだった。それはまた、彼の師であり私の一番好きな指揮者であった、イーゴリー・マルケヴィッチも日本での最後の演奏会もまたNHK交響楽団だった。

 そんな思いもあり、チケット発売日7月3日に予約入れ、それこそ一番ミューズで条件の良い場所を確保し、この日を待ち望んだ。その間、コロナの鎮静化を願う日々だった。私の席からは全体の観客の入りは計れないがステージバック席の空席がわずかだったことからすれば大入りだったのだろう。

 最初の曲は、彼の故郷スウェーデンの作曲家ステンハンマルのセレナード、私には初めて聞く曲だった。この曲とメインの「運命」の組み合わせからも、彼のN響とこの日の聴衆に対するメッセージに思えた。正直ステンハンマルのセレナードは、今後も聴きたい曲としてこのCDを買うかと言われても答えは「No thank you」。しかし運命は違った。最後の音が消えた時に、私も立ち上がった。ホールに響く万雷の拍手がこの日の演奏会を物語っていた。ミューズの響きはNHKホールと比べものにならない、むしろ私にはサントリーホールよりは上(所沢には自慢するものはこのホールしかありません)と思っている。その響きが理想的にN響の音を引き出していた。久しぶりに響きと余韻を堪能した。

 中学生の時に叔母に連れられて、確か大町楊一郎指揮の東京フィルハーモニーだったと記憶するが生演奏で最初に聴いたBeethovenの交響曲だ。そして親父がステレオ装置を買い込んだ時に最初に買った30cmステレオLPレコードが、ブルーノ・ワルター指揮する「運命&未完成」だった。以来今日までに、LP➡オープンテープ➡カセット➡CD➡DVDと媒体は変遷しても、手元に26種の数が残っている。私にとっては BeethovenのSymNo.5は私の音楽の原点でもある。

しかし今日の演奏は早い話、どんな旨い「レトルト料理でも生にはかなわない」ましてや一流シェフの料理は別物のたとえ道理に、今日の演奏はそれこそ超の付く別物料理だった。思えば大学時代にデモを抜け出し旧NHKホールで聴いたブロムシュテット氏の師匠でもある、イーゴリー・マルケビッチの演奏会の興奮をまた思い出した。半世紀の時空を超えて、感動の記憶がよみがえった。

 私にとっては、「No Music No Life」 音楽っていいな~~~~~。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿