とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

リヒテルのモーツァルト ピアノソナタの映像

2008年08月07日 | Weblog
リヒテルの1989年3月29日のロンドンバービカンホールでのライヴのDVDを購入した。

ステージに歩み出ると、ライトは消され、手元と譜面を照らす光の中でK.282のソナタから始まった。1音が鳴るやその音の柔らかい響きに、まず驚いた。こんなにも柔らかな響きのモーツァルトをこれまで聴いたことが無かった。
モーツァルトのソナタはK.545,K.310と続いた。これまでいくつものCDで聴いてきた。内田光子、グルダ、ハスキル、クラウス。でもこれほどまでにやわらかい響きは無かった。暗闇の中からリヒテルの演奏する手が映し出される。そして出てくる音は今まで味わったことの無い至福の音楽だ。そしてこれもモーツァルトだと思った。
このDVDはモーツァルトの後にショパンのエチュードが続く。ショパンになると一点して切れ味鋭い音が暗闇の舞台から響く。
モーツァルトの響きもショパンの響きもリヒテルの指先から湧き出てきた。リヒテルの音の多彩さにまた感動した。


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