とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

昔聴いたモーツァルト クラウス,ブリュショルリ

2007年12月29日 | LPレコード
昨日で仕事は御用収め、今日は朝雨音に目覚める。予報からも鳥見には不適とあきらめ、レコード芸術新年号を拾い読み。付録のレコードブックは最初の1976年度版から保存しているのだが(途中転勤引越しのドサクサで85,86年度版が不明となった。)年年新規の録音が少なくなり、焼き直しのCDばかりが目立つようになった。しかし昔聴いた懐かしい名前が復刻されて何か昔のクラスメイトに出会ったような気持ちになる。
そんな一つにモニーク・ドゥ・ラ・ブリュショルリのモーツァルトのコンチェルトに出会った。

大学時代にはマーラーやバルトークに夢中になる中で、何故かモーツァルトの短調の曲に魅力を感じVoxレコードでブレンデル、クリーンのNo20,24のピアノ協奏曲をきいていたがコロンビアレコードから1000円盤のブリュショルリの20番と23番のLPが売り出され購入し一時は夢中で聴いたが、その後就職し少しお金に余裕ができたので、すぐにクララ・ハスキルとマルケビッチの20,24番の短調の組み合わせを買い求めたことからお役御免になってしまった。今年復刻CDを購入し改めて聴いてみると、20番はやはりハスキルの響きに魅力を感じるが、23番はある種ノー天気なオーケストラの響きが曲にあっている。その明るい大雑把な響きに、活を入れ込むようなブリュショルリのピアノがびしびし決まりスカッとしたテンポで流れるのもいいもんだと思った。むしろ貧弱な音の23番しか残せなかったハスキルの代わりの名盤と思える。
裏表紙の広告に没後20周年「リリー・クラウスの芸術」として来年早々に彼女の録音がまとめて発売されると載っていた。もう20年もたったのかと、35年前にこれまた就職してすぐに彼女の弾くモーツァルトのLP3枚組みのソナタ選集を購入したことを思い出した。彼女のソナタが自分としてははじめてのモーツァルトのピアノソナタだった。トルコ行進曲とかソナタの断片は中学の時に名曲集で聴いていたが、まとめて聴いたのはこの時が始めだった。当時は彼女の弾くモーツァルトは定番だったが、自分にはなじめない演奏だった。内田光子の全集が出たときに迷わず買い求め、以後このLPを聞くことは無かったが、広告に刺激され改めてLPを聴きなおしたが、音が硬く自分の求めるモーツァルトの音からは程遠く感じられた。彼女の音からはむしろヴァンガード盤で出たバルトークのハンガリー民謡から、子供のための音楽が納められたCDがふさわしいと思った。


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