とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

雨の日はオペラ 映画「アリア」を見る。

2014年03月03日 | クラシックDVD

アバドの訃報を知ったときに、アバドの演奏で好きだった、「ヴォツェック」を観るため、久しぶりにLDを取り出した。画面サイズは4:3の旧式だが画像はVHSより経年劣化もなく各段にきれいだったことから、このところ、家を出られないときは、手持ちのLDを観ながら、BDにDVDサイズでダビングすることにしていた。50GBのBDだと1枚に13-5枚のLDがダビングできる。わがレコード棚でのLDの占めるスペースは結構あるのでいずれ処分も考えねばとの思いもある。またLDプレイヤーの部品保証期限もとっくの昔に過ぎていることから、プレイヤーが正常に動く間に完了させたいと思った。

LDはDVDと違って、LPとCDと同様にレコードジャケットに思い出が浮かぶ。ただLPと違って、ジャケットの画像は、中身の映像が使われるケースが大半で、レコードジャケットほどにはオリジナルな価値がないのは事実なのだが、30cm四方のサイズが、なぜかなつかしい雰囲気をかもしだす。

そうした中で所持するLDの過半はオペラ、とくにモーツァルトのオペラが中心だが、そうしたLDの中に「アリア」と言う、純粋に映画のために、10人の監督が10曲のオペラのアリアを題材に映画を作ったLDを久しぶりに観た。監督のインスピレーションと味付けの妙が面白い映画だが、映画館での映画そのものは見過ごし、LDで初めて観たのだが、今見ても面白い。

とくにゴダールが手がけたリュイの「アルミードとルノー」は、彼の才気がほとばしる作品で、スポーツジムにフランス・バロックの調べが流れ、突如全裸の美女が現れる発想が度肝を抜く。しかし当時の日本ではヘアー・ヌード(現在はでは死語か?)は禁止でLDは修正されている。DVDでの現在の市販品はどうなっているのだろうか、といらぬことを考えてしまった。 また「仮面舞踏会」ではヴェルディは史実に基づいて作ったオペラだが、当時の情勢がそれを許さず、上演のために時代、場所をかえて、仮名手本忠臣蔵同様の上演をしたのだが、このアリアでは史実の国王暗殺場面で演じている。ただアリアを歌っている歌手が、音源提供がRCAのため、かならずしもベストではないが、歌そのものも楽しめる。

10作目が「道化師」で終わるが、これはカールソーの舞台を再現したもので、たしかにこれ以外の表現があるだろうかと思える、映像と歌のシンクロだと思う。

リサイタルの映像でアリアを聴くよりかは、アリア1曲から膨らむイマジネーションがたのしめ、実際のコンサートでもこのような試みがなされても面白いのではと思いつつ、観終わった。 



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