大晦日にカミさんのおふくろさんが、救急搬送されて入院した。「肺炎」との診断を受けたが、主治医が不在で2日の日に再度診断説明を行うとのことで、新年を迎えた。その前にカミさんは子供たちに、このことを知らせお正月の団らんは取りやめ、2日の結果を待って再度連絡するとした。
子供たちのために用意した正月料理を、新春の朝は会話も弾まず、二人で食べた。そのときカミサンは女の直感ともいうべき感じで、「肺炎といわれたが、ちょっと違うのでは?」と言った。おふくろさんとの会話が、呂律が回らず、意味不明の言葉が繰り返されたのがおかしいといった。
私の「鴨雑煮」も正直子供たちががつがつ食べてこそうれしいが、鶏肉嫌いのカミサンに拒絶され一人で食べてもうまくはなかった。その日は病院からも緊急電話はなく一日は終わった。
2日 面会時間は13時からで、先生の診断結果を聴きに、カミサンひとりで出かけ、私は連絡役として残り、カミサンの報告を待った。この日はそれこそ記憶が薄れるほどの久しぶりに正月ラグビーの「早明戦」を見たが、電話が気になりあまり集中できなかったが、両校の持ち味がでて久しぶりにお正月気分を味わった。勝敗は私が予想したとおりに僅差で明治が勝った。早稲田の組織力を明治の個々の選手の運動能力が上回っていた。それでも両校の持ち味が十分に出た良い試合だった。第二試合が始まってもカミサンからは連絡がなかった。関西リーグの試合は見ていなかったことから、天理大の強さは驚きだった。私自身は明治vs帝京の決勝で、帝京10連覇を明治が阻止するシナリオを描いたが、開始早々の天理大のパワフルな攻撃で吹き飛んだ。
試合途中でカミサンが連絡なしで戻った。聴けばオフクロさんの病名は「心不全」だった。カミサンの親父さんも緊急搬送後数日後に「心不全」でなくなった。その経験からかカミサンは、わたしに今後のシュミレーションをいろいろ尋ねたてきた。二人でいろいろ話した。子供たちにも連絡し娘は3日に、息子は4日に病院に来れるとの返事を受けた。
3日 この日の朝飯は遅めになった。二人で今日は病院で何を確認するかを話をしていた時に電話が鳴った。担当の看護士さんから「至急来てください」との連絡だった。顔を見合わせた。二人ともとっさに食事を残し着替えた。カミサンが「タクシー呼んで、こんな時に慌てて事故でも起こしたら話にならない」と叫んだ。電話ですぐに西武タクシーを呼んだが出ない。東京タクシーを呼ぶと、「小手指駅前からの時間ですが少々かかりますが?」というが頼んだ。この間が非常に長く感じた。来たタクシーの運転手は女性だったが、プロはプロだ、地元の私も利用したことのない裏道をうまく使いいつもの渋滞場所をスルーして、北秋津駅に出た。普段ならば、西武線の秋津駅とJRの北秋津駅の乗り換えの乗降客で混雑する道路が陽か比較的すいていた。思ったよりも早く病院に着いた。すぐにナースステーションに出向くと、看護士さんも早くたどり着いたことに驚いた様子だった。すぐに担当医と病室に入ると、すでに血圧は60を切るのが目前だった。
先生ははっきりと「もう打つ手はございません、ご家族の方のご連絡を急いでください」と言われた。カミサンはすぐに姉と妹に連絡を入れた。慌てて家を出たことから、実家の鍵を忘れてきたことに気づき、私が取りに戻った。しかし戻ったときはすでに亡くなっていた。 享年96歳。死に目に立ち会ったのはカミサンだけで、我が娘も、姉も妹も間に合わなかった。病院からはできるだけ速やかに退去してほしいと言われ、入居していた老人ホームに連絡を入れるとともに、葬儀社に連絡を取り、今後の日取りを打ち合わせするため、カミサン姉妹と我が娘は都内の実家に戻った。
私は自宅に戻りカミサンとの連絡は、娘が中継役となりLineの家族連絡を使い息子も含め情報共有した。
本日(4日)遺影写真を作成するため、カミサンは入居していた老人ホームへ行った。そしてこれまでの御礼と、今後の手続きの進め方を打ち合わせを行い、とりあえずの遺品を我が車で運んだ。息子が、横浜から戻ってきた、正月は2日間体調を崩し寝正月だとのことで、6日の葬儀に参加はできるとのことで、家に置いてある喪服を取りに戻ったとのこと。ただ葬儀翌日には海外出張の日程が入っているので、6日はすぐに戻るとのことだった。息子も娘のLineをチェックしていたと見え、葬儀場の場所も時間も知っており、Lineの家族用を見ると、娘と息子の間では頻繁に連絡を取っていた。今日はカミサンと私で、Lineの便利さを再認識し、娘・息子の関係にコミットしようとLineの利用をを再認識した。
いずれにしても、我が家にとっては、2019年の幕開けは「悲しみ」からのスタートだが、96歳という年を考えれば死の直前まで娘との会話ができた生活を送れたことは、大往生の人生だったと思えるだろう。今年の年末には家族が笑いであふれる年越しができるようにしたいと改めて今日から2019年の「リ・スタート」としたい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます