とりとも雑楽帳

狭山丘陵の里山歩きとクラッシク音楽の鑑賞日記です。

武満徹没後10周年

2006年10月24日 | Weblog


私は取り立てて武満の作品が好きだと言うわけではない。むしろCDの所有は写真にあるのですべてだ。しかもこのうちの3枚のCDは今年にタワレコの記念企画によるものだ。したがって武満の作品像をあれこれ言う資格はないのは百も承知で述べると、武満の音楽は秋を感じる。
もちろん代表作のNovenber Steps なりViola Conの副題でもある”A String around Autumn" のように作者自身が秋を銘じたものに引きずられてはいるが、所持するCDはいずれもが春の先行きの明るさのイメージはない。ましてや真夏の強烈な日差しを受けた健康美は聴かれない。しかしながら真冬の暗い孤独のそこにひきずられる音も無い。やはりかれの響きは秋の夕暮れの清涼さを感じる。
所持するCDの中でのお気に入りはBISの創立30周年記念の30CDに選ばれた紀尾井シンフォニエッタの作品集だ。どれも凝縮された音の響きがすばらしい。武満の音楽はウェーベルンの音楽の延長線にあると思うのだが、日本の楽器を使わない音楽の方が私は日本を感じる。その意味でも尾高と紀尾井のコンビの作る音像はインターナショナルに受け入れられるだろう。
もう1枚思いがけずにすばらしいCDを入手した。A.デービスとBBC交響楽団との”From Me Flows What You Call Time”だ。30分を要する武満としては大曲だが、彼らは客観的に書かれた楽譜を淡々と演奏している。出てくる音は乾いているが音ひとつひとつはきれいだ。このCDにはウォルトンの交響曲1番が尾高の指揮で収められている。両者を聞けば武満の感性が段違いに優れているのが解かる。イギリスは食べ物だけでなく音楽も感性を刺激しない。(ビートルズは例外かな)





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