いよいよ民主党政権も終盤に来たところで、そろそろあの「政権交代」とは何であったのかを総括する時期だと思う。
そもそもぼく自身は民主党政権の誕生のずっと以前から、民主党は第二自民党であり政権を取ったら自民党政権より事態が悪化すると主張し続けてきた。しかし事態はぼくの予想をはるかに越えて悪いどころか最悪の状況に至ってしまった。
もちろん自民党政権が続いていても大差はなかったわけだが、それでも消費税の増税などが談合で何の検証もなく決まっていったのには恐ろしささえ感じる。(もっともぼくは増税派なのでなにもかも全部悪いと思っているわけでもない。ただやはり目的税としてしっかり管理し、税収が垂れ流しになるような事態にしてはいけないと考える)
なにより、いくら民主党がひどい政党だとは言っても、ここまでマニフェストを守らないとはさすがに思わなかった。結局振り返ってみれば実質的に民主党のマニフェストは何一つ実現しなかったのである。
民主党政権が成立した結果、もっとも日本の民衆にとって悪いことは、自民党を批判して追い詰められる勢力がいなくなってしまったことだ。
民主党が政権を取る前なら理想論を振りかざして自民党政治の腐敗をバサバサ切って捨てることが出来た。理想論には論理的正当性があるし民主党くらいの超巨大政党ならそれをもって自民党を追い詰め、政策を転換させられるだけの力があった。
しかしひとたび民主党が政権を取ってしまえば、民主党の化けの皮がはがれ、その実体は劣化した自民党でしかないことが満天下に明らかになってしまったのである。もはや民主党が野党に戻っても以前のようにその理想論が共感を得ることはないし、民主党自身もかつてのようなリベラルさを取り戻すことは出来ないだろう。
第三極などとマスコミははしゃいでいるが、結局は再び自民党政権が復活する。そして今度は民主党という歯止めが失われた中でさらなる居直りと腐敗が進行していくのだ。
ただ政権交代が必ずしもマイナスの側面だけだったかと言えば、そうではない。その点は正当に評価すべきである。
そのひとつは地方反乱ある。結果的に民主党政権はあまりにも弱体で各所を押さえ込む力がなかった。その結果、自民党政権末期に始まっていた地方自治体のタレント首長ブームがさらに勢いを増して、(良いか悪いかの判断は置くとして)沖縄や大阪などが中央政府に真っ向からモノを言う状況が生まれた。それは東日本大震災と原発事故を経て全国的に当たり前のことになった。
自民党中央の言いなりになっていたかつての地方政治とはもはや大きな様変わりである。
そしてそれは一般大衆にも言えることで、官邸前の脱原発デモは60年安保以来と言われたが、それもまさに民主党政権であったが故に実現したことである。強大な自民党の圧力がありとあらゆるところに張り巡らされていた時代には起こりえなかった事態である。
(もちろんこの背景には菅前首相による自身の復権に向けた思惑があったのだが、それもまた自民党政権では考えられないことであった)
さてこうした政権交代と民主党政権の「成果」と悪影響をざっと見たところで、次にそれでは政権交代とはいったいどのような現象だったのかを考えてみたい。
そもそもぼく自身は民主党政権の誕生のずっと以前から、民主党は第二自民党であり政権を取ったら自民党政権より事態が悪化すると主張し続けてきた。しかし事態はぼくの予想をはるかに越えて悪いどころか最悪の状況に至ってしまった。
もちろん自民党政権が続いていても大差はなかったわけだが、それでも消費税の増税などが談合で何の検証もなく決まっていったのには恐ろしささえ感じる。(もっともぼくは増税派なのでなにもかも全部悪いと思っているわけでもない。ただやはり目的税としてしっかり管理し、税収が垂れ流しになるような事態にしてはいけないと考える)
なにより、いくら民主党がひどい政党だとは言っても、ここまでマニフェストを守らないとはさすがに思わなかった。結局振り返ってみれば実質的に民主党のマニフェストは何一つ実現しなかったのである。
民主党政権が成立した結果、もっとも日本の民衆にとって悪いことは、自民党を批判して追い詰められる勢力がいなくなってしまったことだ。
民主党が政権を取る前なら理想論を振りかざして自民党政治の腐敗をバサバサ切って捨てることが出来た。理想論には論理的正当性があるし民主党くらいの超巨大政党ならそれをもって自民党を追い詰め、政策を転換させられるだけの力があった。
しかしひとたび民主党が政権を取ってしまえば、民主党の化けの皮がはがれ、その実体は劣化した自民党でしかないことが満天下に明らかになってしまったのである。もはや民主党が野党に戻っても以前のようにその理想論が共感を得ることはないし、民主党自身もかつてのようなリベラルさを取り戻すことは出来ないだろう。
第三極などとマスコミははしゃいでいるが、結局は再び自民党政権が復活する。そして今度は民主党という歯止めが失われた中でさらなる居直りと腐敗が進行していくのだ。
ただ政権交代が必ずしもマイナスの側面だけだったかと言えば、そうではない。その点は正当に評価すべきである。
そのひとつは地方反乱ある。結果的に民主党政権はあまりにも弱体で各所を押さえ込む力がなかった。その結果、自民党政権末期に始まっていた地方自治体のタレント首長ブームがさらに勢いを増して、(良いか悪いかの判断は置くとして)沖縄や大阪などが中央政府に真っ向からモノを言う状況が生まれた。それは東日本大震災と原発事故を経て全国的に当たり前のことになった。
自民党中央の言いなりになっていたかつての地方政治とはもはや大きな様変わりである。
そしてそれは一般大衆にも言えることで、官邸前の脱原発デモは60年安保以来と言われたが、それもまさに民主党政権であったが故に実現したことである。強大な自民党の圧力がありとあらゆるところに張り巡らされていた時代には起こりえなかった事態である。
(もちろんこの背景には菅前首相による自身の復権に向けた思惑があったのだが、それもまた自民党政権では考えられないことであった)
さてこうした政権交代と民主党政権の「成果」と悪影響をざっと見たところで、次にそれでは政権交代とはいったいどのような現象だったのかを考えてみたい。