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あなたから一番遠いブログ

自分が生きている世界に違和感を感じている。誰にも言えない本音を、世界の片隅になすりつけるように書きつけよう。

政権交代とは何だったのか(1)

2012年10月20日 18時51分05秒 | Weblog
 いよいよ民主党政権も終盤に来たところで、そろそろあの「政権交代」とは何であったのかを総括する時期だと思う。
 そもそもぼく自身は民主党政権の誕生のずっと以前から、民主党は第二自民党であり政権を取ったら自民党政権より事態が悪化すると主張し続けてきた。しかし事態はぼくの予想をはるかに越えて悪いどころか最悪の状況に至ってしまった。

 もちろん自民党政権が続いていても大差はなかったわけだが、それでも消費税の増税などが談合で何の検証もなく決まっていったのには恐ろしささえ感じる。(もっともぼくは増税派なのでなにもかも全部悪いと思っているわけでもない。ただやはり目的税としてしっかり管理し、税収が垂れ流しになるような事態にしてはいけないと考える)
 なにより、いくら民主党がひどい政党だとは言っても、ここまでマニフェストを守らないとはさすがに思わなかった。結局振り返ってみれば実質的に民主党のマニフェストは何一つ実現しなかったのである。

 民主党政権が成立した結果、もっとも日本の民衆にとって悪いことは、自民党を批判して追い詰められる勢力がいなくなってしまったことだ。
 民主党が政権を取る前なら理想論を振りかざして自民党政治の腐敗をバサバサ切って捨てることが出来た。理想論には論理的正当性があるし民主党くらいの超巨大政党ならそれをもって自民党を追い詰め、政策を転換させられるだけの力があった。
 しかしひとたび民主党が政権を取ってしまえば、民主党の化けの皮がはがれ、その実体は劣化した自民党でしかないことが満天下に明らかになってしまったのである。もはや民主党が野党に戻っても以前のようにその理想論が共感を得ることはないし、民主党自身もかつてのようなリベラルさを取り戻すことは出来ないだろう。
 第三極などとマスコミははしゃいでいるが、結局は再び自民党政権が復活する。そして今度は民主党という歯止めが失われた中でさらなる居直りと腐敗が進行していくのだ。

 ただ政権交代が必ずしもマイナスの側面だけだったかと言えば、そうではない。その点は正当に評価すべきである。
 そのひとつは地方反乱ある。結果的に民主党政権はあまりにも弱体で各所を押さえ込む力がなかった。その結果、自民党政権末期に始まっていた地方自治体のタレント首長ブームがさらに勢いを増して、(良いか悪いかの判断は置くとして)沖縄や大阪などが中央政府に真っ向からモノを言う状況が生まれた。それは東日本大震災と原発事故を経て全国的に当たり前のことになった。
 自民党中央の言いなりになっていたかつての地方政治とはもはや大きな様変わりである。
 そしてそれは一般大衆にも言えることで、官邸前の脱原発デモは60年安保以来と言われたが、それもまさに民主党政権であったが故に実現したことである。強大な自民党の圧力がありとあらゆるところに張り巡らされていた時代には起こりえなかった事態である。
(もちろんこの背景には菅前首相による自身の復権に向けた思惑があったのだが、それもまた自民党政権では考えられないことであった)

 さてこうした政権交代と民主党政権の「成果」と悪影響をざっと見たところで、次にそれでは政権交代とはいったいどのような現象だったのかを考えてみたい。

それは違うだろ

2012年10月20日 18時09分11秒 | Weblog
 いわゆる「遠隔操作ウィルス事件」で神奈川県警と横浜地検が「誤認逮捕」された19歳男性に謝罪したとの報道があった。神奈川県警の担当者は「本人は不当逮捕に怒っていた。誤認逮捕を謝罪した」という主旨のことを言っていた。
 あきれてしまった。
 これは絶対に違う。ここまで来てまだ問題をすり替えようとしている。もはや怒りを通り越してあきれかえるばかりである。

 誤認逮捕はあってはならないとは言っても人間がやることである以上まちがえることはある。これは過失である。
 しかし今回の問題は、本人がやっていないと言っているのに無理やりウソの自白をさせたことにこそあるのだ。これは自白のでっち上げ、つまりは証拠の偽造であって、まぎれもなく犯罪行為である。
 神奈川県警は違法な取り調べをして犯罪的立件をし、横浜地検はそれを検証することもなく犯罪行為に荷担したのである。

 警察は事実をごまかすな! 隠蔽するな! 脱(反)原発デモの参加者の行動をこっそり監視し跡をつけ回しているヒマがあったら、もうちょっとインターネットの勉強でもしろ!
 こういう事態がまかり通っていたら、違法ダウンロード法などという悪法がが適用され始めた現状ではさらにえん罪が増えるに違いない。警察が市民を監視する社会ではなく市民が警察を監視する社会を作っていかなくてはならない。


ボケボケの政治家。本当に悪いのは?

2012年10月20日 00時06分29秒 | Weblog
 昨日行われた民自公の党首会談は野田総理が解散の時期を明言するとかしないとか、いや言った言わないとか、まあまったく無内容な応酬をして予定通り(?)決裂に終わった。
 田中法務大臣も一昨日初めてになるはずの国会答弁をフけて、昨日は病気入院という今どき陳腐なドラマでさえやらないようなひどい終わりを迎えたようだ。

 つくづく日本は平和だなーと思わざるを得ない。
 もちろん平和なのは政治家の頭の中だけだけれど。

 憂国の士を気取っているアベちゃんも、こんなに世の中が大変なときなのに実際は平和ボケボケだ。右翼なんだから右翼らしくこんなときは「挙国一致でがんばろう」くらい言ったらどうなんだろうか。もっとも「挙国一致」というのは「あなたと一緒にがんばります」という意味ではなく「すべて俺の言いなりになれ」という意味だから、野党に身をやつしたアベちゃんが言うはずもない台詞だが。

 政治家がボケているのはある意味では安心しきって高をくくっているからだし、別の意味では切羽詰まった危機感に駆られているからである。
 安心していると言うのは、いずれにせよ日本の民衆は「民主主義」制度の枠組みから逸脱するはずがないと思っていると言うことであり、またそうであればマスコミが第三極とかいくら煽ったところで結局はどのみち自民と民主が議席の大半を取るだろうと考えていると言うことだ。
 一方しかしながら政治家は、飯のタネとしての政治家という職業に対する永遠の就活を続けなければならないし、国会議員という特権身分を守り、さらには特権身分中の特権身分たる「与党議員」の座を獲得するために文字通り命がけで戦い続けなければならない。
 ここは政治が停滞しようが、地震や戦争が起ころうが、最優先でやらなければならない戦いに没頭するしかないのである。

 マスコミはマスコミでステロタイプの「政治家が悪い」「官僚が悪い」といった大衆受けする批判を繰り返すばかり。口先では「マスコミの責任」などと言いながら、政治家同様なんの責任も取る気はなさそうだ。

 一番悪いやつはいったい誰だ?
 それはこうやって政治家や官僚やマスコミに責任をなすりつけて、自分だけが被害者のような顔をしている私やあなた、つまり日本の民衆であり有権者である。
 選挙で投票しさえすれば「民主主義」の主体になった、責任を果たしたと思い込んでいる「善人」たちである。
 政治家や官僚やマスコミが反省していないと言うのであれば我々は真摯に反省したことがあるか? 自己批判、自己否定したことがあるか?

 解決の糸口は我々自身が本気で真剣に苦痛を厭わず自分自身と向き合い対決したときに初めて、見えてくるのだろうと思う。