米国でトランプ大統領が再任した。
その最大のブレーンであるイーロン・マスク氏は、米民主党からは影の大統領だと指摘されている。
承知の通り、マスク氏は2022年にツイッターを買収して「X」に改名し、その後ツイッター(現X)は大きく変容した。米連邦議会乱入事件の首謀者とされたトランプ氏の永久凍結されていたアカウントを復活させたり、偽情報や人権侵害対策のための人員を削減したりした。
そして今年(2025年)に入ってからは、政府効率化省のトップとして米国政府予算の大幅な削減を断行しようとしている。そこで削減されるものの中には人権に関わる重要な費目が含まれているようだ。
報道では米国はすでに国際人道援助を停止し、紛争地域では即座に人命が失われる危機に直面しているという。
米国内においても同じように各種プロジェクトへの資金拠出が停止されそうになったが、直前に裁判所が差し止めたとも伝えられている。その中には貧困層への支援や、多様性社会を拡大・維持させる機能と人員などが含まれていた可能性がある。
翻って我が国では、1月27日に報告書素案が提示されたと言われる兵庫県・斎藤知事を調査する百条委員会で、メンバーを務めていた議員がネットリンチとも呼べるような激しい誹謗・中傷・脅迫を受け、議員辞職に追い込まれたばかりか、ついに自ら命を絶つという悲惨な状況が生まれた。
他方、全国規模ではSNSを通じた詐欺や犯罪勧誘などの事案が憂慮される現状となっている。
こうした状況下で、ネット情報のファクトチェックの強化は必須であるにも関わらず、マスク氏の現Xの運営方針は「対戦型SNS」という名目でいたずらに対立を煽り、一方で投稿の収益化を喧伝することよって、偽情報や憎悪情報を蔓延させている。
ぼくは、マスク氏によるツイッター買収のころから、同氏の対応について疑問を感じ、以降、次第にツイッター(現X)の利用を控えるようになってきたが、今般のマスク氏のトランプ政権での重要ポストへの起用、およびその前後における同氏の言動について、さらに大きな憂慮を感じざるを得なくなった。
ここに至って、もはや現Xを支持することは出来ず、イーロン・マスク氏の運営方針ならびに、彼の政治家としての言動に強い抗議を示すために、ツイッター(現X)の利用を明示的に停止することとした。
現Xのアカウントは当面残しておくが、現Xの運営方針が変更されるなどの改善が見られない限り、今後も一切使用はしないので、ご理解いただきたい。
ついては、今後の発信は当のサイトなどで行うつもりなので、気になる方はチェックしていただければ幸いです。
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なお最後に、誤解の無いように付け加えるが、ぼくはマスク氏の言う検閲の排除と、表現の自由は、それ自体は絶対に守られるべきと考えている。その一点においてはマスク氏に賛同する。
しかし、その前提として、発言、発信に対して発言者、発信者、拡散者が適切な責任を負うべきであり、プラットフォーム側は当然そのための仕組みを構築し運用しなくてはならないと考える。
また、情報の受容者に「見ない権利」、「触れない権利」が確保されねばならず、これについてはネットにかかわらず、一般的にあらゆる情報や行為は、一定の条件によって「棲み分け」が行われることを原則とするべきだと思う。
インターネット上のプラットフォームは、この原則を徹底する義務を負っている。
こうした措置を講じた上でこそ、表現の絶対的自由が真の自由としてなり立つのだ。
表現の自由を人民が自ら獲得し、それを絶対に手放さずにすむように、発信者、発言者、拡散者、プラットフォームは永遠に努力し続けねばならない。ゴールはない。常に自分と自分達、社会と常識を疑い、批判し合い、議論し、更新し、また疑うことの繰り返しでしか、これは実現しない。
その前提にあるのは平等で、かつ妥協を恐れず一致点を探り続けるという民主主義思想の一般原則の遵守であり、その不断の強化であり、その普及とそれにともなう民度の錬成だろう。
困難な道だが、それを進むしか道は無いと信じる。
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