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自分が生きている世界に違和感を感じている。誰にも言えない本音を、世界の片隅になすりつけるように書きつけよう。

ガーシー議員とNHK党への疑問

2023年02月25日 11時24分18秒 | Weblog

 ガーシーという国会議員がいるそうだ。
 「そうだ」と言うのは、ぼくは彼のことを断片的にしか知らないからだ。知っている人は良く知っているのだろうが。
 国外にいるため議員に当選してから一度も国会に登院せず、本会議での陳謝をするようにという処分が下った。まあ軽い処分だが、もし陳謝しなければ次は除名という話もある。ぼくにはそれが適切なのかどうかわからない。どういう政治家なのか知らないのだから。

 ただ彼は名誉毀損で刑事告訴されているという。日本に帰ってくると逮捕される恐れがあるから帰れないという。ただし国会議員には不逮捕特権がある。今は国会開会中だから帰ってきてもすぐに逮捕されるわけでは無い。

 彼の態度や処分を巡っていろいろな意見が飛び交っている。多くはガーシー議員に否定的だ。
 それでも一部に彼を擁護したり、処分に疑問を呈したりしている人もいる。それは健全なことだと思う。しかしそうした意見の中にはどうもしっくりこない、違和感を感じるものもある。

 まず、国会に登院しない議員は他にもいる、もしくは出る可能性があるという議論だ。確かにしばしば病気を理由に欠席する議員はいる。また身体障がい者も登院が難しいというケースもあり得るだろう。
 だがガーシー議員の国会欠席は病人や障がい者と同じなのだろうか。病気や障がいは不可抗力だ。物理的な問題なのだ。一方でガーシー議員は自分の意志で帰国せず登院もしない。ガーシー議員の不登院に正当性があるとしても、これは別のカテゴリーの問題で同列には語れないと思う。
 もちろん現実には「仮病」で雲隠れする議員も多い。これは許されることでは無い。これもまた別の問題として何らかの対応が必要だとは思うが。
 国会に出てきても居眠りしている議員がいるとガーシー議員は言うが、出て来ないより出てきて醜態をさらす議員の方がずっとマシだ。少なくとも国民はそれをその議員の政治姿勢を評価する判断材料にすることが出来る。

 不逮捕特権への考え方にも大きなズレがある。
 国会議員の不逮捕特権は政治弾圧に対する保護措置として存在する。時の権力を批判する議員を口封じのために行政府が逮捕したりできないように、この権利がある。
 ガーシー議員は立候補の理由として、この不逮捕特権を得ることが目的であるかのように言っている。つまり彼の主張は自分が政治弾圧されているということになる。
 果たしてYouTuberとしてのガーシー氏の「暴露」は政治活動であるのか。政治活動であるなら、それはどのような政治的利益を国民に与えてくれているのか。それを彼はちゃんと説明できるのか。
 不逮捕特権は政治弾圧に対抗するものであるから、当然一般刑事事件には適用されないと考えるのが妥当であり、過去にも国会が議員の逮捕を許諾した例はある。
 一部に、どうしてもガーシー議員を登院させたいのなら国会が逮捕許諾しないと確約すれば良いという意見もあるが、これは転倒した議論だ。国会は別にガーシー議員に登院して欲しいとお願いしているのではない、登院するのが義務だと迫っているのだ。国会がガーシー議員に頭を下げる筋合いは全く無い。

 少数派の国会議員を排除するなという意見もある。
 それは確かにそのとおりだが、ガーシー議員は少数派なのだろうか、というより、そもそもどういう政治活動を行っているのだろうか。
 少数派が国会議員になる意味は、議員活動を通じて少数意見を述べ、論戦し、多数派意見に抗していくことにある。初めから議会に参加しないと表明している議員とは一体何なのだろうか。彼が議員になる理由はどこにあるのだろうか。議会に行かないなら、今わざわざ議員になる必要は無いのではないか。
 議員にならない政治活動家は山ほどいる。本当に必要な政治行動が議員活動であるとは限らない。デモや集会、署名活動、言論活動など、やるべきこと、やれることはたくさんある。
 ガーシー議員はすでにYouTuberとして有名であり、自由に意見を述べ、論戦し、多くの人に広く伝えることが出来ているのだから、国会議員にならなければ自分の意見が世の中に届かないという立場では無い。
 国会に出られないのなら、なぜ国会議員であろうとするのか、明確な説明をする必要がある。

 少なくとも、信念を持って政治活動をやっていると言うのなら、法律的な壁はあるかもしれないが国会議員としての歳費は返上するくらいのことは言うべきだろう。
 また彼を比例区の候補として擁立したNHK党の立花党首も、初めから彼に登院しなくて良いと言っていたそうだから、ガーシー議員の分の政党交付金は受け取らないと言うべきだ。
 そうでなければ、ただカネが欲しいから選挙をやっていると思われても仕方ない。それは民主主義政治の否定であり、有権者を冒涜した許されざる行為である。


(ちなみに、NHK党が地方議会に多くの候補を擁立するのは政党交付金を得るためだという告発もある。)
”「立花党首から言われたことに開いた口が塞がらなくなった」NHK党のアイドル議員が離党した理由 ”
https://news.yahoo.co.jp/articles/4b049a4c6b44f90b27325de7722cb6c875c2e693?page=2


 立花党首はガーシー議員が除名されたら、繰り上げで別の幹部を議員にするのだそうだが、その議員もまた登院させないと言っている。まったく理解に苦しむ。ガーシー議員には、それが正当かどうかはともかく、逮捕される可能性があるという理由があるから不登院は分からないでもないが、何でもない議員を登院させないとはどういうことか。
 国民は理由無く働かない国会議員に歳費を払わなくてはならないのか。ふざけた話だと思う。

 なんであれ、ガーシー議員とNHK党は、こうした疑問に対し明確な説明するべきで、それが国会議員、国政政党の責務だと思う。


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