こんにちは、バイーアの怪人メストリ・ルア・ハスタです。
それよりのう、アレ持っとらんか、ほら、アレじゃよ。
なんじゃ持っておらんのか、つまらんヤツじゃのう。
嘘です!!
まあ、ルア・ハスタの欲しがっているアレというのが何なのかはどうでもいいとして、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
くれぐれもインフルエンザにかからないように免疫力つけて無事にこの冬を乗り切りましょう(←我が身が一番心配)。
そんな店休日にもぜじろぐを更新する店主ゼジ、この意気込みは本物でしょうか。本物であってほしい!
さて、1月にして早くもサンバタウン的2011年ベストアルバムにランクインしそうな作品をご紹介します。
あくまでサンバタウン的だけどね!
それはマリア・ベターニア主宰のキタンダレーベル(ビスコイト・フィーノの息がかかってます)からリリースされた、大御所パウロ・セーザル・ピニェイロの新作、Capoeira de besouro(カブトムシのカポエイラ)という一品。
これはものすごいです。バイーア州は今すぐP.C.ピニェイロに感謝状を贈呈すべきでしょう。
もともとは作詞家として揺るぎない地位を得ているパウロ・セーザルですが、これまでの彼のリーダー作も渋いサンバ寄りでツウ好みのものが多かったと記憶しています。
しかしサンバタウンが試しに恐る恐る調達した彼の新作のテーマは、なんとカポエイラ。
どうやらビゾウロ・マンガンガーという伝説の人物へのトリビュート作品であるとのこと。
(残念ながらこのマンガンガーなる人については店主はあまりよく知りません)
作詞家である彼がバイーアの伝統芸能カポエイラを採り上げたというだけではありません。
その演奏陣たるや、ビリンバウ(グンガ)はメストリ・カミーザ。アバダーの首領であります。
この時点で日本全国のカポエイリスタはチェック必須決定。
そしてギターはマウリシオ・カヒーリョ。
カヴァキーニョはパウロ・セーザルの奥方ルシアーナ・ハベーロ(12, 14, 15曲目に参加)。
パンデイリスタはセウシーニョ・シルヴァ。
そして派手ではないけれど今リオで引っ張りだこ状態のパウリーノ・ヂアスが重厚なパーカッションプレイを披露しています。
ブラジルの伝統音楽に興味がある方ならば、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
「ああ、カポエイラのCD?伝統文化いいよね。ビリンバウの音もなんか渋いよね。けどメロディ不在だし。歌とかコーラスとか、はっきりいって調子っぱずれだし。CD1枚通しで聴くの正直ツラいわな。あれに弦楽器とか入ってアレンジちゃんとやったらめちゃカッコいいバイーア音楽になりそうなのに。もったいないよねー」
すみません、それはワタシです。
そしてこれが正にそういう「弦楽器とか入ってアレンジちゃんとやった」作品なのです。
それから皆さん。パウロ・セーザル・ピニェイロについてこんな偏見は持っておられませんか?
「ああ、パウロ・セーザル?歌詞いいらしいよね。バックもショーロ系のミュージシャンとか揃えてさ、とにかく渋いサンバだよねえ。けど正直言ってあの人ダミ声じゃん?歌も取り立てて上手いってわけでもないし。続けて聴くのもけっこうシンドイけど、あまり悪く言うとツウの人から説教食らいそうだし、ここはひとつ見て見ぬフリを・・・」
すみません、白状しますがそれもワタシです。みんなもこの際だから隠さずホンネ言おうよ。おれ勇気出して言ったんだからさあ。
それでですね(コホン)、これが驚いたことに、パウロ・セーザルの歌がかつてないほどにめちゃめちゃカッコいいのです。
あのダミ声(失礼!)が、野性味溢れるカポエイラの世界に溶け込み、見事なまでのオトコ臭さを演出しております。
それはなぜかといいますと、おそらくこれまでの「歌の力量」に関する評価が
巷のMPB歌手 VS パウロ・セーザル
という構図による比較ではなく、
巷のカポエイラのメストリたち VS パウロ・セーザル
という土俵の上での勝負になっているからではないかと店主は見ております。そりゃ相手になりませんわね。こうなると見事パウロ・セーザルの頭上に栄冠は輝きます。いやあびっくりしたなーもう。
更にはブラジルきっての和声感覚の持ち主であるマウリシオ・カヒーリョの7弦ギター。時に不協和音すら交えながら魅惑的なテンションコードを駆使した演奏は、カポエイラの深遠なる世界をこの上ない美しさで表現することに成功しています(これ聴き込んだらギターでバイーアのリズムほぼ刻めまっせ)。
メストリ・カミーザらビリンバウ演奏陣の叩き出す、São Bento Grande, São Bento Pequeno, Cavalaria, Santa Maria, Barravento, Angola Dobradaといったカポエイラのスタンダードリズムパターンとともに展開してゆく歌と演奏は、これぞバイーア文化のエッセンス。ビリンバウやパンデイロ、アタバキの演奏メンバー数を練習時に確保できないカポエイラ団体の皆さん、このCDをかけながらホーダしてみませんか。きっと尋常じゃないくらい気ン持ちええですよ。約束します。
アルバム後半部から俄然盛り上がを見せるサンバ・ヂ・ホーダにふつふつと湧き上がる興奮を感じない方にバイーアファンを名乗って欲しくはないとさえ思わせる、そんな感動をふんだんにたたえたパウロ・セーザル・ピニェイロの新作をどうぞお聴き逃しなく!
(イカすぜ大御所!)
それよりのう、アレ持っとらんか、ほら、アレじゃよ。
なんじゃ持っておらんのか、つまらんヤツじゃのう。
嘘です!!
まあ、ルア・ハスタの欲しがっているアレというのが何なのかはどうでもいいとして、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
くれぐれもインフルエンザにかからないように免疫力つけて無事にこの冬を乗り切りましょう(←我が身が一番心配)。
そんな店休日にもぜじろぐを更新する店主ゼジ、この意気込みは本物でしょうか。本物であってほしい!
さて、1月にして早くもサンバタウン的2011年ベストアルバムにランクインしそうな作品をご紹介します。
あくまでサンバタウン的だけどね!
それはマリア・ベターニア主宰のキタンダレーベル(ビスコイト・フィーノの息がかかってます)からリリースされた、大御所パウロ・セーザル・ピニェイロの新作、Capoeira de besouro(カブトムシのカポエイラ)という一品。
これはものすごいです。バイーア州は今すぐP.C.ピニェイロに感謝状を贈呈すべきでしょう。
もともとは作詞家として揺るぎない地位を得ているパウロ・セーザルですが、これまでの彼のリーダー作も渋いサンバ寄りでツウ好みのものが多かったと記憶しています。
しかしサンバタウンが試しに恐る恐る調達した彼の新作のテーマは、なんとカポエイラ。
どうやらビゾウロ・マンガンガーという伝説の人物へのトリビュート作品であるとのこと。
(残念ながらこのマンガンガーなる人については店主はあまりよく知りません)
作詞家である彼がバイーアの伝統芸能カポエイラを採り上げたというだけではありません。
その演奏陣たるや、ビリンバウ(グンガ)はメストリ・カミーザ。アバダーの首領であります。
この時点で日本全国のカポエイリスタはチェック必須決定。
そしてギターはマウリシオ・カヒーリョ。
カヴァキーニョはパウロ・セーザルの奥方ルシアーナ・ハベーロ(12, 14, 15曲目に参加)。
パンデイリスタはセウシーニョ・シルヴァ。
そして派手ではないけれど今リオで引っ張りだこ状態のパウリーノ・ヂアスが重厚なパーカッションプレイを披露しています。
ブラジルの伝統音楽に興味がある方ならば、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
「ああ、カポエイラのCD?伝統文化いいよね。ビリンバウの音もなんか渋いよね。けどメロディ不在だし。歌とかコーラスとか、はっきりいって調子っぱずれだし。CD1枚通しで聴くの正直ツラいわな。あれに弦楽器とか入ってアレンジちゃんとやったらめちゃカッコいいバイーア音楽になりそうなのに。もったいないよねー」
すみません、それはワタシです。
そしてこれが正にそういう「弦楽器とか入ってアレンジちゃんとやった」作品なのです。
それから皆さん。パウロ・セーザル・ピニェイロについてこんな偏見は持っておられませんか?
「ああ、パウロ・セーザル?歌詞いいらしいよね。バックもショーロ系のミュージシャンとか揃えてさ、とにかく渋いサンバだよねえ。けど正直言ってあの人ダミ声じゃん?歌も取り立てて上手いってわけでもないし。続けて聴くのもけっこうシンドイけど、あまり悪く言うとツウの人から説教食らいそうだし、ここはひとつ見て見ぬフリを・・・」
すみません、白状しますがそれもワタシです。みんなもこの際だから隠さずホンネ言おうよ。おれ勇気出して言ったんだからさあ。
それでですね(コホン)、これが驚いたことに、パウロ・セーザルの歌がかつてないほどにめちゃめちゃカッコいいのです。
あのダミ声(失礼!)が、野性味溢れるカポエイラの世界に溶け込み、見事なまでのオトコ臭さを演出しております。
それはなぜかといいますと、おそらくこれまでの「歌の力量」に関する評価が
巷のMPB歌手 VS パウロ・セーザル
という構図による比較ではなく、
巷のカポエイラのメストリたち VS パウロ・セーザル
という土俵の上での勝負になっているからではないかと店主は見ております。そりゃ相手になりませんわね。こうなると見事パウロ・セーザルの頭上に栄冠は輝きます。いやあびっくりしたなーもう。
更にはブラジルきっての和声感覚の持ち主であるマウリシオ・カヒーリョの7弦ギター。時に不協和音すら交えながら魅惑的なテンションコードを駆使した演奏は、カポエイラの深遠なる世界をこの上ない美しさで表現することに成功しています(これ聴き込んだらギターでバイーアのリズムほぼ刻めまっせ)。
メストリ・カミーザらビリンバウ演奏陣の叩き出す、São Bento Grande, São Bento Pequeno, Cavalaria, Santa Maria, Barravento, Angola Dobradaといったカポエイラのスタンダードリズムパターンとともに展開してゆく歌と演奏は、これぞバイーア文化のエッセンス。ビリンバウやパンデイロ、アタバキの演奏メンバー数を練習時に確保できないカポエイラ団体の皆さん、このCDをかけながらホーダしてみませんか。きっと尋常じゃないくらい気ン持ちええですよ。約束します。
アルバム後半部から俄然盛り上がを見せるサンバ・ヂ・ホーダにふつふつと湧き上がる興奮を感じない方にバイーアファンを名乗って欲しくはないとさえ思わせる、そんな感動をふんだんにたたえたパウロ・セーザル・ピニェイロの新作をどうぞお聴き逃しなく!
(イカすぜ大御所!)
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