
この花は散っているのか、散らしているのか
大正時代の京都。20歳の新進女優・長谷川泰子は、17歳の学生・中原中也と出会う。どこか虚勢を張る2人は互いにひかれあい、一緒に暮らしはじめる。
やがて東京に引越した2人の家を、小林秀雄が訪れる。小林は詩人としての中也の才能を誰よりも認めており、中也も批評の達人である小林に一目置かれることを誇りに思っていた。中也と小林の仲むつまじい様子を目の当たりにした泰子は、才気あふれる創作者たる彼らに置いてけぼりにされたような寂しさを感じる。
やがて小林も泰子の魅力と女優としての才能に気づき、後戻りできない複雑で歪な三角関係が始まる。(「作品資料」より)
女優、長谷川泰子、詩人、中原中也、文芸評論家、小林秀雄。
3人の男女が織りなす愛を描いたドラマ。
中原中也は知っていたが、長谷川泰子、小林秀雄については知らなかったな。
大正時代を舞台に、まず京都で中也と泰子が出会い、一緒に暮らし始める。
天才詩人である中也と感情を剥き出しにするような泰子は、時として取っ組み合いの喧嘩をしたりするが、愛し合っているよう。
2人は東京へやって来るが、そこに小林秀雄が現れ、秀雄も泰子に惹かれていく。
泰子は中也の元を離れ、秀雄と暮らすようになるが、泰子の精神が狂い始める。
多分泰子は中也のことが好きなんだろうなとは思うが、秀雄からも愛されることを望んでいるよう。
また中也と秀雄はお互いを認め合う存在であり、泰子はそこに嫉妬を感じるようである。
3人の危うい恋模様、否、恋模様というにはもっと情念のようなものを感じさせる愛を描き、3人の行く末がどうなるのか気になるところ。
泰子という女性は付き合いにくい感じであり、秀雄はそれが故、離れてしまったんだろう。
ある意味、文学者たちの狂気を見たようで、惹き込まれる話であった。
中原中也の運命は知っていたが、長谷川泰子は明治44年に生まれ、平成5年に亡くなったよう。
4元号を生きた人だったんだな。
/5
監督:根岸吉太郎
出演:広瀬すず、木戸大聖、岡田将生、田中俊介、トータス松本、瀧内公美、草刈民代、カトウシンスケ、藤間爽子、柄本佑
於:TOHOシネマズ池袋
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