失うのは怖いけど、会うのも怖い
近未来。原因不明の突然変異により、人間の身体が徐々に動物と化していく奇病が蔓延していた。さまざまな種類の“新生物”は凶暴性を持つため施設で隔離されており、フランソワの妻ラナもそのひとりだった。
ある日、新生物たちの移送中に事故が起こり、彼らが野に放たれてしまう。
フランソワと16歳の息子エミールは行方不明となったラナを捜すが、次第にエミールの身体に変化が起こり始める。(「作品資料」より)
人間の体が動物に変異していくという病が広がる世界を描いたSFスリラー。
変異した者を〝新生物〟と呼んでいたが、〝けだもの〟と呼ぶ者たちもいる。
妻のラナが病気にかかり、治療のため南フランスへ移り住むフランソワと息子のエミール。
治療とは言うが、隔離である。
しかし、嵐によって新生物を移送していた車が事故に遭い、新生物たちが解き放たれる。
フランソワはラナを捜そうとするが、そんな中エミールの体に変化が起こり始める。
特異な設定で面白かったが、そこに描かれるのは自分たちとは違う者に対する恐怖と偏見。
そして愛する者が変異してしまった者の苦悩が描かれる。
体が変異し始めたエミールはそれを何とか隠し、やがて新生物たちと交わることでやすらぎを感じるようになる。
新生物に対し偏見と恐怖を持つ者たちが、新生物に対しどのような行動を取るのか、そしてエミール、新生物の運命が気になる展開であった。
フランソワはラナを見つけることが出来るのか。
そして変異していくエミールに対してどのような決断をするのか。
展開が気になり、惹き込まれる話であった。
最後は爽やかさも感じるラストであったな。
/5
監督:トマ・カイエ
出演:ロマン・デュリス、ポール・キルシェ、アデル・エグザルコプロス、トム・メルシエ、ビリー・ブラン、サーディア・ベンタイブ、ナタリー・リシャール
於:シネ・リーブル池袋
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