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バイエルン国立歌劇場でバレエ「チャイコフスキー序曲」を観る

2023年11月01日 | オペラ・バレエ

ミュンヘン旅行中にミュンヘン市内にあるバイエルン国立歌劇場(Bayerische Staatsoper)でバレエを観劇した。費用は1人63ユーロ。日本でこの歌劇場のサイトから直接チケットを購入した。

現地滞在中に観られるプログラムを事前にネットで確認したところ、オペラは嫁さんが観ても楽しめるものがなく、バレエを観ることにした。バレエはセリフがないので誰でも楽しめるメリットがある。8時開演と海外のオペラの開演時間は日本より1時間遅い。

今夜の演目は「チャイコフスキー序曲」という聞いたことのない演目だ、3部構成のバレエ。

振付:アレクセイ・ラトマンスキー
音楽:チャイコフスキー

バイエルン国立バレエ団のアンサンブル
バイエルン州立管弦楽団

演奏時間は以下の通り案内されている。

午後8時~午後8時30分:エレジーとハムレット
(30分休憩)
午後9時~午後9時25分:テンペスト
(20分休憩)
午後9時45分~午後10時20分:ロミオとジュリエット

歌劇場のホームページで調べると独語の作品解説はあるが、Googleで翻訳した日本語はイマイチなのだが、それを抜粋して説明すると、

「アレクセイ・ラトマンスキー(振付)は、抽象的なバレエのために、人生のさまざまな段階でコンサートで演奏するために作曲したチャイコフスキーの序曲を選びました。内容に関しては、すべての音楽作品はウィリアム シェイクスピアの戯曲「ハムレット」、「テンペスト」、「ロミオとジュリエット」に基づいています。ラトマンスキーのチャイコフスキー序曲では、序曲の後に序曲が続き、すべての始まりの後には新たな始まりが続くことを意味します。チャイコフスキーがバレエの夜に聴くオーケストラ作品の総称として選んだ「幻想序曲」は、その輝かしい性格により、それ自体をファンタジー、つまり古典音楽の役割についてのファンタジーであるとみなすバレエの理想的なテンプレートとなっています。」となっている。

上に示した時間割を見ると、どうもシェイクスピアの3つの作品についてチャイコフスキーが作曲した幻想序曲があり、それに弦楽セレナーデ第3楽章エレジーを加えて、それらを元に3部構成でバレエの振付けをした作品と思われる。そして、出演者は1幕ごとに全員交替するようなので人数が多くなるため、ここでは記載省略する。

我々の席は平土間(Parkett)の後ろの方の列の舞台に向かって中央やや右寄りのところ、ステージはよく見えるところ。実際に観劇して、気付いた点などを書いてみよう。

  • 座席に入る通路は左右にしかなく、中央を通る通路がなかった。だから真ん中あたりに座っている人は中に入るのに一苦労だ。
  • 左右の通路から中の方の座席に入る人が来ると、既に座っている人は全員立ち上がって通してあげている。これがこちらの礼儀なのだろうが、素晴らしいと思った。自分より内側の人が全員揃うまで座ろうとしない人もいた。
  • 今までの経験だと座席中央にある通路を進んで行くとオーケストラピットの前まで行けて、ピットの内側が見られるが、ここはそれができなかった。真ん中の通路がそもそも無いからだし、左右の座席横の通路からはピットの前に入る余裕がなかった。ピットの前には人が通る余裕がほとんど無かった。
  • 座席の前のスペースは比較的余裕があったので座っているとき楽だった。
  • 2階席以上はすべてバルコニー席になっている。今まで見た海外の歌劇場ではある程度の広さで隣との仕切りがあり、個室のようになっていると思うが、ここは個室はない。2階席以上は馬蹄型になって全部仕切りが無くつながっていた。この方が圧迫感が無く良いような気がする。
  • 開演直前にアナウンスで「携帯は電源を切れ、場内は写真・ビデオの撮影は禁止」とアナウンスしていたのは日本と同じだ。ただ、1回だけだった。
  • 私は右の座席側の通路を使ってオーケストラピットの直前まで行って写真を撮って、そこから振り返って室内全体の写真を撮ったら、係員からダメだと言われた。が、場内では皆、写真を撮っていた。私も座席に戻っていっぱい写真を撮った。このくらいは良いだろう。
  • 演奏終了後のカーテンコール時の写真撮影は認めてないようだ、が、撮っている人が若干いた。私はこれはやらなかった。

また、当日の服装だが、

  • 劇場のホームページのドレスコードを事前に確認したところ、次の通り書いてある。「イブニングドレスやネクタイなしではオペラに行けないのですか?ナンセンス。快適にお過ごしいただきたいと考えています。多くの訪問者にとって、これは特別な夜のためにドレスアップすることを意味します。しかし、正式なドレスコードはありません。ジーンズや居心地の良いジャンプスーツだけでなく、珍しい服装も歓迎します」
  • よって、私は観光する時と同じカジュアルな服装にした。靴もスニーカーにした。嫁さんも同様。これはドレスコードの確認と今までの経験でも、これで大丈夫との心証を得ていたからだ。実際、同じような服装の人は多くいた。一方で、キレイなドレスなどを着ている女性やフォーマルウェアを着ている男性も多くいた。私も最初のうちはわざわざ紺系の背広とネクタイ、革靴を持ってきていたが、荷物が多くなり面倒なので今回はもうやめにした。

休憩時間だが、

  • ホワイエが非常にゴージャスなため、皆さん、そこに出てきて写真を撮っている人が多かった
  • 飲み物の売場と飲む場所が部屋になっていて、2つはあったと思うが、大混雑していた。ホワイエに出てきて飲んでいる人も多くいた。

さて、今回観劇してみて、この劇場は非常に上品で、かつ、豪華で素晴らしい劇場だと思った。やはり来るときは正装して着飾って観劇すべき劇場であろう。これだけの施設を維持するのも大変だろうが、ガイドツアーの時に、運営費の3分の1はチケット収入、残りは公的支援、スポンサーからの支援などで成り立っていると言っていたように聞えた(英語力自信なし)。

東京の新国立劇場も上品な感じがして好きだが、ゴージャスさと言う点からはこの劇場に負けるだろう。ここは何か別世界に来たと感じる素晴らしさがある。

たっぷりと楽しめました。