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「森下幸路ヴァイオリンリサイタル」を聴きに行く

2024年05月06日 | クラシック音楽

10年シリーズ+第27回、森下幸路ヴァイオリンリサイタルを聴きに行ってきた。場所は東京文化会館小ホール、席は自由席、チケットは4,000円。半分くらいは埋まっていた。14時開演、16時終演。

出演

ヴァイオリン:森下幸路
ピアノ   :川畑陽子

森下幸路は京都市生まれ、4歳よりヴァイオリンを始め、幼少を米国で過ごし、早くから才能を開花させた。帰国し1989年、桐朋学園大学音楽学部卒業、在学中より東京ゾリステンや新星日本交響楽団(現・東京フィル)のゲスト・コンサートマスターを務めるなどの活動を内外で始め、1996年から毎回テーマを設けて挑む「森下幸路10年シリーズ」と題したリサイタルを東京文化会館と仙台でスタート。現在、大阪交響楽団首席ソロ・コンサートマスター

川畑陽子は釧路市出身、5歳よりピアノを始め、桐朋学園大学音楽学部卒業。在学中より演奏活動を始め、1997年にはセヴィリアでの音楽祭、2013、14年には台湾へも招かれ、15年より北ドイツ音楽祭に招聘されている、国内では森下幸路の共演者をしばしば務め、東京文化会館小ホールと仙台でのリサイタルでは「ピアニズムにおいても陰影の機微を解した表現の丹念さにおいても抜群の力量を感じさせる。」(音楽の友)と高い評価を受けている

本日の出演者については失礼ながら知らなかったが、良い演奏をしてくれたと感じた。最初の曲の演奏開始前に室内が暗くなり、いよいよ出演者が登場というところだが、舞台の上も暗くなり、そこに二人がそっと影のように出てくる、そして舞台がすこしだけ明るくなると二人の姿が浮かび上がるように現れ、静かに最初の曲「月の光」を弾き出す、このような曲想にあった雰囲気満点の演出は初めてで驚いたが良いアイディアだと思った。

曲目

フォーレ/月の光
武満 徹/妖精の距離
シベリウス/即興曲Op.5-5(ピアノ独奏)
クーラ:無言歌Op.22-1
グリーグ/ヴァイオリン・ソナタ第2番ト長調
ベートーヴェン/ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第9番イ長調「クロイツェル」

この日の曲目は「クロイツェルソナタ」以外は聞いたことがない曲であったが、一曲ずつじっくり演奏に耳を傾けて聴けたのはよかった。特にシベリウスの即興曲やグリーグのヴァイオリン・ソナタが初めてでも聞きやすく、良かった。

さて、この日の演奏で、プログラム終了後のカーテンコールでアンコールのクライスラーの「愛の喜び」を演奏後、森下幸路が観客に向って少し話をしてくれた。内容としては、コロナが収束して普通の生活に戻ってコンサートもできるようになって良かった、健康でいることの大切さ、自分の弟の名前は「健康」で、医者になった、昨年は仲間やマエストロとの別れがあったが、音楽を通じて天国とつながっているような気がする、などをゆっくりと話してくれた、これは良かったと思う。

そしてその後、アンコールの2曲目が川畑陽子のピアノで静かにスタートすると、「あっ、Morgenではないか」と直ぐにわかりうれしくなった。例のRシュトラウスのMoren(独語で「明日の朝」の意)である。ピアノとヴァイオリンの組み合わせで聞くのは初めてだが、実に良かった。この日の演奏では森下幸路のヴァイオリンも素晴らしかったが、川畑陽子のピアノも非常に良かったと感じた。このMogenのピアノは上品なタッチで気持のこもった演奏であり感動した。彼女のピアノの腕前も相当なものだと思った。森川幸路だけでなく、彼女の話も聞きたかった。

(アンコール)

クライスラー 愛の喜び
R・シュトラウス Morgen

良い公演会でした。

 



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