猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ヒッチャー

2021-01-30 22:32:52 | 日記
1986年のアメリカ映画「ヒッチャー」を観に行った。

長距離陸送の仕事をするジム・ハルジー(C・トーマス・ハウエル)は、雨の中
シカゴからサンディエゴへと向かうハイウェイで、1人のヒッチハイカーを
拾う。ジョン・ライダーと名乗るその男(ルトガー・ハウアー)は、突然ハンド
ルを握るジムの喉元にナイフを突きつける。一瞬の隙を見てジョンを車から突
き落としたものの、その後もジョンは執拗にジムを付け狙う。警察やウエイト
レスのナッシュ(ジェニファー・ジェーソン・リー)をも巻き込み、事態は最悪
の方向へと転がっていく。

1986年のサイコ・スリラーのリバイバル上映。昔観たことがあるが、怖かっ
たという印象はあるもののあまり覚えていなくて、改めて観るとやっぱりすご
く怖かった。テキサス砂漠のハイウェイが舞台。陸送の仕事でシカゴからサン
ディエゴへと車を走らせていた青年ジムは、1人きりのドライブで睡魔に襲わ
れていた。そんな時雨の中ヒッチハイクをしている男を見つけ、話し相手にと
彼を車に乗せる。男はジョン・ライダーと名乗った。ジムは退屈しのぎに世間
話をしようとするが、ジョンはナイフを取り出すとジムの喉に突き付け、さっ
き人を殺してきたと言う。驚いたジムは隙をついてジョンを車から叩き出すが、
翌朝、ジョンを乗せた家族連れのワゴン車が自分を追い越して行くのを見る。
慌てて彼らに伝えようとするジムだが、伝わらない。ワゴン車に追いついた時
には既に家族全員が殺され、ジョンは姿を消していた。その後もジョンに付き
まとわれるジムは命からがら逃げ出してダイナーに飛び込み、ウェイトレスの
ナッシュに頼んで警察へ通報する。だが到着した警察に犯人と誤解され、留置
所へ入れられてしまう。
とにかくジョンが不気味。神出鬼没で逃げても逃げてもジムの前に現れる。ジ
ムは何故自分が付け狙われるのかわからない。観ているこちら側もわからない。
多分理由などなく、ジョンにとってジムはたまたま見つけた遊び相手だったの
だろう。テキサスとかシカゴとかサンディエゴとか言われてもさっぱりわから
ないが、永遠に続いているかのようなアメリカのハイウェイで次々と行われる
殺人は本当に恐ろしい。ジョンは一体何人殺したのだろう。ジムは最初はジョ
ンに殺されそうになるが、その後警官殺しの罪を着せられ、絶体絶命の状況に
なってしまう。
ジョンは1度警察に逮捕されるが、身分証明書を持っておらず、前科もなく、
戸籍さえない。ジョン・ライダーという名前が本名なのかもわからない正体不
明の男なのだ。映画の演出もうまいと思う。ジムがワゴン車を追いかけ、家族
が殺されているのを見つけるシーンも、そのものは映していないが、皆殺しさ
れたのだとわかる描写になっており恐怖を感じる。ナッシュが無残な殺され方
をするシーンも同様で、直接的には見せていないが想像をかき立てて恐怖を煽
る感じである。
殺人鬼役のルトガー・ハウアーの演技はすごい。終始冷たい表情であっさりと
殺人を犯す。ジョンには動機も目的もないのが余計に怖い。ルトガー・ハウア
ーの存在感は強烈だが、C・トーマス・ハウエルも負けてはいない。彼はこの
映画に出演した時恐らく19歳か20歳くらいで、まだ少年のようにも見えるの
だが、突然理不尽な恐怖に襲われて逃げ惑うジムが、終盤では戦う男の顔にな
ってくるのも見どころだと思う。色々な面でこの映画はよくできていて、大ヒ
ットしたのも納得のスリラーの名作と言えるのではないだろうか。




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エジソンズ・ゲーム

2021-01-26 23:01:36 | 日記
2019年のアメリカ映画「エジソンズ・ゲーム」。

19世紀、アメリカは電気の誕生による新時代を迎えようとしていた。白熱電球
の事業化に成功した発明家のトーマス・エジソン(ベネディクト・カンバーバッ
チ)は、大規模な送電には直流が適していると考えていた。だが実業家のジョー
ジ・ウェスティングハウス(マイケル・シャノン)は、交流の方が安価で遠くまで
電気を送れるとして、交流式送電の実演会を開いて成功させる。それを知ったエ
ジソンは、ネガティブキャンペーンで世論を誘導。事態は訴訟や駆け引き、裏工
作が横行する世紀のビジネスバトルへと発展していく。

天才発明家トーマス・アルバ・エジソンの半生を描いた伝記映画。マーティン・
スコセッシやベネディクト・カンバーバッチが製作総指揮に参加している。原題
は「The Current War(電流戦争)」。エジソンと実業家のウェスティングハウス
との直流、交流を巡る戦いが物語のメインである。私は無茶苦茶文系人間なので
よくわからないところもあったが、おもしろかった。発明家のエジソンは大統領
からの仕事も平然と断る傲慢な男である。エジソンが変人だったというのは有名
だが、傲慢だったというのは本当なのだろうか。この映画を観ているとエジソン
は結構嫌な奴である。妻を深く愛していたりと人間味のある面も描かれているが。
その妻を若くして亡くしたシーンは悲しかった。
電気が開発され普及した過程が興味深かった。他にも発明家はいたようだが物語
は主にエジソンとウェスティングハウスの確執と敵対に絞られている。こういう
映画を観るとやっぱりアメリカって昔から大国なんだなあと思わせられる。ベネ
ディクト・カンバーバッチの演技はいつものように素晴らしい。アメリカ人のエ
ジソンをイギリス人俳優のカンバーバッチが演じていて、カンバーバッチはやっ
ぱりイギリス紳士そのものなのだが、それでもとてもいい。直流や交流がわから
なくても(私だけ?)カンバーバッチの演技を観られるだけでも映画を観た価値が
あるというもの。
エジソンは「人を殺す道具は作らない」という信条を持っていた。それなのに結
局彼の発明が処刑道具である電気椅子の開発につながってしまったのは皮肉なも
のである。マスコミに叩かれ、エジソンもとても辛そうだった。文明の発展の裏
側には発明家たちの努力や苦労だけでなく不本意な思いや悲しみもあったのだな
あと改めて思った。初めて電気椅子で死刑が執行されるシーンはショッキングだ
った。
それにしてもエジソンとウェスティングハウスは旧知の仲なのにもう少し仲良く
することはできなかったのだろうかと思った。お互いに「電気が未来の社会を作
る」という信念や目標は同じだったのに。私はラスト近くでのシカゴ万博で2人
が話すシーンが好きだ。ウェスティングハウスがエジソンに語りかけたことはそ
ういうことだったのだ。協力し合うことが大切なのだと、直接的ではないが言っ
ている。それに対してエジソンが「話せて良かった」と言うのも良かった。エジ
ソンはその後映画の開発もしたのだという。私たちが今映画を観られているのは
エジソンのお陰なのだと思うと感慨深い。


なんとなくふんばっている感じのベル。







ベッドを押し押し、ぎゅっぎゅっとしているノエル。

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聖なる犯罪者

2021-01-20 00:43:06 | 日記
2019年のポーランド・フランス合作映画「聖なる犯罪者」を観に行った。

少年院に収監されているが実は信仰深い20歳のダニエル(バルトシュ・ビィエレ
ニア)は、前科者は聖職者になれないと知りながらも、神父になることを夢見て
いた。仮釈放が決まり、ダニエルは少年院から遠く離れた田舎の製材所に就職す
ることになった。製材所への道中、偶然立ち寄った教会で出会った若い女性マル
タ(エリーザ・リチェムブル)に「司祭だ」と冗談を言うが、新任の司祭と勘違い
されそのまま司祭の代わりを任されてしまう。司祭らしからぬ言動や行動をする
ダニエルに村人たちは戸惑うが、若者たちとも交流し親しみやすい司祭として皆
の信頼を得ていく。1年前、この村で7人もの命を奪った悲惨な事故があったこ
とを知ったダニエルは、この事故が村人たちに与えた深い傷を知る。残された家
族を癒してあげたいと模索するダニエルの元に、同じ少年院にいた男が現れ脅迫
する。

実話に基づいた映画。ダニエルは傷害致死その他の罪で少年院に入れられ、更生
のための労働やカウンセリングを受ける日々を送っていた。少年院では定期的に
ミサが行われており、熱心なカトリック教徒であるダニエルは、厳格なトマシュ
神父(ルカース・シムラット)に信頼されミサでのまとめ役を任されていた。ダニ
エルは神父になりたいと思うようになるが、前科のある彼は聖職者にはなれない。
トマシュ神父に相談するが「良い行いがしたいなら他にもたくさん道はある」と
言われる。やがてダニエルは仮釈放が決まり、遠く離れた田舎の村の製材所で働
くことになる。しかしダニエルは製材所へ行く途中で立ち寄った教会でマルタと
いう若い女性に出会い、つい「僕は司祭だ」と嘘をついてしまう。マルタは初め
は信じなかったが、ダニエルが司祭服を持っていたため(コスプレのようなもの)
そのまま信用され神父に紹介されてしまう。高齢の神父は体調が悪く、しばらく
治療に出かけることになっていたためその間の代わりを頼まれたダニエルは、嘘
だと言い出せなくなり司祭代理をすることになってしまう。
「トマシュ」と名乗ったダニエルは聖書を読み込み、スマホでミサの手順を調べ、
尊敬するトマシュ神父を真似て説教を行い、何とか無事にミサを終える。風変わ
りなミサに村人たちは戸惑うが、「若い新米の神父様だから」と受け入れる。破
天荒なダニエルのやり方は何故か村人たちの心を掴み、やがてダニエルは皆に慕
われるようになっていく。ダニエルはこの村に来てから気になっていたことがあ
った。1年前に7人の村人が亡くなる事故が起きていたのだが、献花台には何故
か6人の写真しか飾られていないのだ。マルタに事情を聞くと、この村の深い闇
が浮かび上がってきた。
こんな偽神父の事件がポーランドで起きていたなんて驚きだが、無資格の者が神
父や牧師になりすますという事例は世界のあちこちで意外とあるのだという。身
分証明書とか厳密に調べないのだろうか。この映画はかなり事実に基づいている
らしいが、事故のエピソードはフィクションであるとのこと。犯罪歴のある者は
聖職に就けない(神学校に入学できない)ということを私はこの映画で初めて知っ
た。まあ仕方のないことかもしれない。ダニエルは信仰深いが素行は悪く、仮釈
放の際にトマシュ神父にお酒や薬物はもうやらないと約束したにも関わらず、そ
の日のうちにクラブに繰り出しお酒、薬物とやりたい放題である。どこで調達し
たのかわからないが司祭服まで身につけてはしゃいでいる。こんな人が司祭にな
りたいと思っているなんて、ダニエルはどこか精神的にバランスの取れていない
人という印象だ。素行と信仰心は別物なのかな。
ダニエルは気まぐれ的についた嘘によって司祭にされてしまうが、村人たちから
慕われることに大きな喜びを感じる。彼は村人たちを騙したのだが、少なくとも
村人たちに対する誠意や慈しみの気持ちは本物だった。本当に村に貢献したいと
思っていたのだ。だがそんな日々は続くはずもなく、やがてダニエルの正体を知
る者が現れ、脅迫され窮地に陥る。ダニエル役のバルトシュ・ビィエレニアの演
技がすごい。1度見たら忘れられない印象的な目をしている。この俳優でなくて
はこの映画は成功しなかっただろうなと思った。更にこの映画の監督のヤン・コ
マサは30代、脚本のマテウシュ・パツェヴィチは20代という若いスタッフによ
って作られているのも意外だった。この作品の素晴らしさは若い感性の賜物なの
かもしれない。
ポーランドの国民の約9割がカトリック教徒だというのも初めて知った。言われ
てみれば他のポーランド映画を観てもカトリック的な雰囲気だった気はするが。
私がとても印象に残ったシーンが2つある。1つは祭壇のキリスト像を背にして、
ダニエルが司祭服を脱ぎ、タトゥーの入った上半身を皆にさらけ出すシーンだ。
これによってダニエルは自分が偽神父だと告白したことになるのだが、キリスト
像の前ということからそれはダニエルなりの告解だったのだと思う。もう1つは
ダニエルの正体を知ったマルタの母親が、彼を非難せずに「神のご加護を」と呟
くシーンである。彼女は事故の件を巡る対応でダニエルに怒りを感じていた1人
だが、ダニエルに救われた思いもあることを自覚していたのだろう。ラストシー
ンは重たいが、とてもおもしろい映画だった。




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プラスティック・ナイトメア/仮面の情事

2021-01-16 22:35:19 | 日記
1991年のアメリカ映画「プラスティック・ナイトメア/仮面の情事」。

深夜、1台の車が崖から転落する事故を起こす。助手席に乗っていたジュディス
(グレタ・スカッキ)は車外に投げ出されて軽傷だったが、彼女の夫のダン(トム・
べレンジャー)は瀕死の重傷を負う。ジュディスの献身的な看病でダンは回復す
るが、記憶を失っていた。ダンは不動産会社を経営していたが、仕事にも生活に
も馴染めず、悩まされていた。ダンは共同経営者であるジェブ(コービン・バー
ンセン)から自分達の夫婦仲がうまくいっていなかったと聞き、更にジェブの妻
のジェニー(ジョアンヌ・ウォーリー=キルマー)からはジュディスが浮気してい
たことを聞かされる。ダンはある日仕事のファイルに「ガス・クライン」という
名前と電話番号と7000ドルというメモが書かれているのを見つける。ガス(ボブ・
ホスキンス)の元を訪れてみると、ガスは表向きはペットショップ経営者だが実
は私立探偵で、事故前にダンがガスに妻の浮気調査を依頼していたことがわかる。

ヴォルフガング・ペーターゼン監督によるサスペンス。自動車事故で瀕死の重傷
を負ったダンは、体は回復したものの記憶を失っていた。妻のジュディスと共に
自宅に帰るが、豪邸にも仕事にも違和感を覚えて仕方がない。そして共同経営者
であるジェブからは、ダンに愛人がいて妻に暴力を振るっていたことを聞かされ
るが、信じられない。更には妻にも愛人がいたという。やがてダンは自分が私立
探偵に妻の浮気調査を依頼していたことを知る。ダンは探偵のガスに事情を話し、
もう1度調査をしてくれるよう頼むが、ガスは「記憶を失って今うまくいってい
るのならそのままにしておく方がいい」と言う。しかしやはり気になったガスは
再び調査を始める。
1991年の映画なので物語は少し古臭い感じがするが(映像も古い)、結構よくで
きたサスペンスだと思う。ダンはジェブと共同で不動産会社を経営していたが、
2人ともあこぎなことを平気でやるタイプだったようだ。だがダンはそのことも
妻に暴力を振るっていたことも信じられず、違和感に苦しめられる。そしてダン
が事故で重傷を負い、ジュディスは軽傷だったことから、ジェブの妻ジェニーは
ジュディスが愛人と一緒になるためにダンを殺そうとしたのではないかと考えて
いた。ジェニーはダンに「ジュディスは病的な嘘つきよ」と言い、ダンはますま
す混乱する。
暗い物語の中で私立探偵のガスがいいスパイスになっている。何が嘘で何が真実
なのか。疑心暗鬼になっているダンはガスにかなり救われるのだ。そして驚くべ
き事件の真相。結構複雑で衝撃的である。前半はちょっと退屈な感じもするが後
半からミステリーの雰囲気になってきて、地味な作品だがなかなかおもしろかっ
た。トム・べレンジャーがかっこいいしグレタ・スカッキも美しくて良かった。


良かったらこちらもどうぞ。ヴォルフガング・ペーターゼン監督作品です。
アウトブレイク



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新 感染半島 ファイナル・ステージ

2021-01-12 22:39:13 | 日記
2020年の韓国映画「新 感染半島 ファイナル・ステージ」を観に行った。

人間を凶暴化させるウイルスが韓国を崩壊させてから4年後。家族を守れなかっ
た元軍人のジョンソク(カン・ドンウォン)は、亡命先の香港で義兄のチョルミン
(キム・ドユン)と共に絶望の日々を送っていた。そんな2人に裏社会の組織から
危険な儲け話が舞い込む。ロックダウンされた半島へ潜入し、2000万ドルが積
まれたトラックを奪い帰還するというものだった。だが、潜入に成功したジョン
ソクのチームを待っていたのは、更に増殖した感染者たちと、この世の地獄を楽
しむ狂気の民兵集団631部隊。両者に追い詰められたジョンソクを助けてくれた
のは、ミンジョン(イ・ジョンヒョン)という女性と彼女の2人の娘たちだった。
大金を奪えばこの国を出られるという最後の希望にかけて、手を結ぶことにした
彼らは決死の作戦に出ることにする。

2016年の映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」の続編。監督は前作と同
じくヨン・サンホ。襲われるとゾンビになってしまうウイルスが蔓延した半島。
ジョンソク大尉は姉夫婦と幼い甥を連れて日本行きの船に乗り込むが、客室から
感染者が発生し、姉と甥が目の前で襲われてしまう。あれから4年、船が辿り着
いた香港に亡命したジョンソクと姉の夫チョルミンは、廃人のような暮らしを送
っていた。そんな彼らに、完全閉鎖された半島に戻り、大金を積んだトラックを
奪うという仕事が舞い込む。戻るなど有り得ないと断固拒絶するジョンソクだっ
たが、半島出身というだけで忌み嫌われる惨めな暮らしから抜け出すために行く
という義兄が心配で、共に引き受けることになる。半島に潜入し間もなくトラッ
クは見つかるが、彼らのチームは感染者たちに襲われる。感染者の大群は撒いた
が、今度は狂気の人間たちの軍団、631部隊に襲われる。義兄は彼らにさらわれ
てしまうが、ジョンソクは車に乗った姉妹に助けられる。
前作とはかなり雰囲気が違っていたが、こちらもおもしろかった。前作は舞台が
ほとんど列車内だったが、こちらは荒廃した半島が舞台になっている。増殖した
ゾンビに埋め尽くされているのだ。そこで主人公たちはゾンビだけでなく狂った
民兵集団とも戦うことになる。元軍人のジョンソクは姉と甥を救えなかった心の
傷を抱えて、姉の夫と香港で暮らしていた。そこでは半島出身者は容赦なく差別
され罵られる。そんな時に舞い込んだ仕事で大金を手に入れて、香港を脱出した
いと言う義兄と共にジョンソクは行動することになる。
列車内では武器らしい武器はなかったが、ジョンソクたちは組織の男たちから武
器を渡されており、銃(マシンガン?ライフル?よくわからないが)をバンバン撃
つシーンが満載である。更にカーチェイスがすごい。ジョンソクを助けた姉妹の
姉はどう見ても10代前半で妹はまだ幼い。その姉が車を運転し、すごいハンド
ルさばきでゾンビたちを蹴散らしていく。子役たちがとてもうまかった。銃撃シ
ーンとカーチェイスシーンが多いのでものすごく迫力がある。ノンストップ・サ
バイバル・アクションという感じ。姉妹の母親のミンジョンもまたかっこいい。
ジョンソクと共にゾンビや631部隊と戦う姿は圧巻である。
前作同様コミカルなシーンも所々にあるが、映像も含めて全体的に暗い。姉と甥
を救えなかったことで希望を失って生きていたジョンソクだったが、今度は必ず
ミンジョンとその娘たちを守るという希望を見出す。そのジョンソクの心の変化
が良かった。圧倒的な迫力でおもしろかったし、とにかくカン・ドンウォンが無
茶苦茶かっこいいので、前作が好きな方はもちろんカン・ドンウォンのファンの
方にもお勧め。




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